デフォルトの連鎖が中国で起きている。

記録的デフォルト続く債券償還ラッシュの中国
 ーーデフォルト容認、信頼維持ため救済、悩める政府ーー

 中国本土では今後1年間に社債絡みの支払い約1兆3000億ドル(約141兆円)相当を控えている。クレジット市場は世界的なブームに沸くが、際立つ多さだ。この額は米企業を30%上回り、欧州全体と比べると63%も多い。しかも中国企業は本土債が記録的ペースでデフォルト(債務不履行)に陥っている時期に支払いを迫られることになる。
 こうした状況を背景に、投資家は世界2位の規模を持つ中国の債券市場が再び混乱に見舞われることを覚悟している。中国当局も、デフォルト容認でモラルハザード(倫理観の欠如)を減らしたい一方で長期資金の調達源として本土債市場の信頼性を高めようとしており、かじ取りが難しい。
 社債の平均償還期間は米国と欧州、日本では長くなっているが、中国では短期化。デフォルトが投資家にリスク軽減を促しているためだ。格付け会社フィッチ・レーティングスによると、今年1-3月に発行された中国本土債の平均年限は3.02年。昨年は年間ベースで3.22年だった。このままなら、同社が2016年にデータ集計を開始してから最短となる。
 ING銀行の大中華圏担当チーフエコノミスト、彭藹嬈(アイリス・パン)氏は「信用リスクが高まるにつれ、誰もが償還期間の短い証券だけに投資することでエクスポージャーを制限しようとしている」と指摘。 「デフォルト増加につれ、長めの社債の借り入れコストが一段と上がっており、発行体も償還までが短い債券を選好している」と述べた。
 中国本土債のデフォルトは16年には取るに足らない水準だったが、その後は4年連続で1000億元(約1兆6900億円)を突破。今年は先月時点ですでに1000億元に達した>(以上「東洋経済新報社」より引用)




 先日このブログに書いたばかりだが、中国の債権デフォルトが相次いでいる。中共政府は国内のドル準備が払底したため、第二の手段としてウォールストリートで「社債」を発行して、事実上のドル稼ぎを行っていた。
 「事実上の」と断ったのは、中国の大企業が洩れなく国営もしくは国有企業だからだ。中国のIT大企業HAUWEIは民間企業を装っているが、実質上は国営企業だ。そしてアリババなどのIT企業も中共政府によって「接収」され、もはや民間企業とは言い難い。

 ニューヨークの金融街ウォール・ストリートも中共政府と手を握って儲けていた。だからウォール・ストリートのDSたちと、中共政府は「グローバル化」という面では同じだった。
 だからSEC監査を受けないで良い、という特別ルールで中国企業の上場を認めていた。しかしそうした特別待遇はトランプ氏によって排除させられ、人民解放軍と関係のある企業に対して上場廃止措置を取られた。

 中共政府は企業のデフォルトを避けるためには金融緩和して融資を行うしかないが、そうすると金融バブルが更に膨らみインフレが加速される。金融バブルとインフレという避けられない二面背律を回避できる唯一の解決策が株式市場での社債発行だった。
 しかし、ここに来て短期社債がデフォルトに陥れば、中国企業の社債発行を引き受けてきたニューヨーク株式市場も手を引くだろう。彼らが結びいているのは「金儲け」でしかないからだ。外貨の調達先を失えば、いよいよ中共政府のデフォルトが現実味を帯びてくる。なぜ企業のデフォルトが政府のデフォルトになるかは中国の特殊事情があるからだ。つまり企業の殆どが国有企業もしくは国営企業だから、企業も政府と変わらない。しかし中共政府は資本主義の市場経済を利用して、企業の新規社債発行という四国を利用して不足しているドルを調達してきた。しかし、その手が使えなくなると俄かに中共政府のデフォルトが現実味を帯びてくる。現在、地方政府と中央政府と併せれば中国政府の借金は1京円に達するといわれている。国有企業や国営企業が抱え込んでいる「借金」も合わせれば、雪崩のように中共政府に押し寄せるデフォルトの圧力に抗しきれるだろうか。

 さらに習近平氏にとって頭が痛いのは国営企業ないし国有企業の多くは各軍区の人民解放軍の財源であることだ。各軍区の国有企業や国有企業が人民解放軍の給与や退役軍人の年給を担っている。それらの企業がデフォルトに陥れば、人民解放軍の兵士たちの給与が支払われなくなり、退役軍人の年金も止まることになる。
 200万人といわれる人民解放軍の報酬を国庫で賄うのは困難だ。習近平氏が直接指揮権を有しているのは空軍と海軍と中南海を守る近衛兵だといわれている。それらの総数は約30万人ほどだ。各軍区の人民解放軍200万人が反乱を起こしたなら、30万人で抑え込むことは出来ない。

 中国は今年を乗り切れるだろうか。引用記事でも「中国本土では今後1年間に社債絡みの支払い約1兆3000億ドル(約141兆円)相当を控えている。クレジット市場は世界的なブームに沸くが、際立つ多さだ。この額は米企業を30%上回り、欧州全体と比べると63%も多い。しかも中国企業は本土債が記録的ペースでデフォルト(債務不履行)に陥っている時期に支払いを迫られることになる」とある。
 しかも引用記事のデフォルトは社債やクレジットのデフォルトであって、政府・地方政府のデフォルトとは別の話だ。いよいよ習近平氏も進退窮まれり、ということだろうか。

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