国民の健康や命よりも優先するイベントなど何もない。

<新型コロナウイルスワクチンを高齢者に接種する「自衛隊大規模接種センター」。24日午前に開設された東京・大手町の会場では、訪れた高齢者が順次接種を受けていった。
 東京の会場は大手町合同庁舎3号館(東京都千代田区)。受け付けは午前8時からだったが、現時点の体調を記した予診票の有無を確かめる入り口が5カ所設置され、30分以上前から数人ずつが列を作った。
  午前8時、高齢者が移動を促され、案内係に従って、予診票を確認する部屋へ。接種しやすい半袖の人もいるが、長袖の人も目立つ。この部屋では自衛隊の看護官らが予診票を確認していた。
  それが終わると、ブースごとに医官が控える次の部屋へ。空調が利いており、室内の温度は快適だ。医官らが「体調はいかがですか」「おかしいと思うことがあれば言ってください」と声をかけ、体調を確認していた。
  さらにその次の3番目の部屋で接種を受ける。ブースごとに看護官らが次々高齢者にワクチンを接種していく。その後、接種が済んだことを示す証明書の交付場所ではスタッフがタブレットを使いながら次回の予約も取り、15分間や30分間の経過観察をする部屋へと通されていく。
  今年65歳になる杉並区の森下昌治さん(64)は、受け付け開始前から待機し、最も早い午前8時開始の回に接種を受けた。感染拡大が収束後、インドネシアで日本語教師の仕事が控えている。いつ渡航してもいいようにと、杉並区でとった予約をキャンセル。センターでの接種に切り替えた。「痛くもないし、スムーズ。まずは1回目の接種が終わり、安心感があります」という。
  台東区の柳瀬操さん(71)は、自宅から1時間かけて徒歩で会場へ。事前に計5日間、散歩中に会場に立ち寄って下見もした。電話がつながらず、台東区での予約ができずに困っていたところ、近くに住む40代の娘が代行して自衛隊大規模接種センターの予約をとることができ、接種にこぎつけた。「緊張したけど、案内するスタッフがたくさんいて消毒や人同士の距離など感染対策もしっかりしていて落ち着いた」と満足した様子だった。

 記者が会場の外で確認していた限りでは、会場に入ってから出てくるまでおおむね30分ほど。「とにかく早く打ちたい」と午前7時ごろから訪れた品川区の男性(65)は受け付け開始から会場を出るまで1時間近くかかったことが不満といい、「早く打ててうれしいが、不慣れな感じもする」。東京会場ではこの日、計5千人が接種を受ける>(以上「朝日新聞」より引用)




 政府官邸は身の回り半径十mの枠内で政治を行っているかのようだ。東京と大阪と愛知県などで大規模ワクチン接種会場が24日から運営されたが大した混乱もなく、整然と実施されたようだ。なぜ、そうした大規模ワクチン接種会場と同様に、pcr検査会場を全国に設置して、早い段階で大規模pcr検査を実施しなかったのだろうか。
 それにしても電話やネットでワクチン予約をしないで、高齢者ワクチン接種で行政が日時を定めて通知したが、苦情や混乱も少なく順調に実施されているという。行政側が個々人のワクチン接種順を決めると、自分の順番が早いとか遅いとか苦情が殺到するのではないかと危惧していたようだが、それらは杞憂に終わったようだ。

 昨年二月に国内で武漢肺炎が感染拡大し始めた当初から、国民全員に対するワクチン接種はいずれある、と予想されていたことだ。つまり国内外製を問わずワクチンが政府の手に入り次第、ワクチン接種の受付が始まることは一年以上も前から判っていたが、その間にワクチン接種をどうすべきか、何処でどれほどの人員でワクチン接種すべきか、といった対応策を練る時間は充分にあったはずだ。
 しかしネット予約や電話受付が始まると「出たとこ勝負」のような有様で、場当たり感満載のドタバタぶりだ。しかも政府所管の「大規模接種会場」の予約システムと行政所管の予約システムがリンクしていないという。だから二重予約が発生するという。そんな予約システムとしては初歩的な欠陥システムで走り出したのも好い加減といえばいい加減だ。

 菅氏は一日ワクチン接種百万人を督励したようだが、現状は「大規模ワクチン接種会場」が機能しても一日20万人ほどだという。慣れれば30万人になるだろうが、到底百万人には届かないという。すると菅氏が30万人と100万人との間を取って「一日ワクチン接種60万人を実施する」と発表してしまったという。だから高齢者へのワクチン接種が六月末までに終わる計算だという。
 一日百万人接種が実施されれば、対象とされる国民のワクチン接種が七月末までにすべて終わる計算だ。しかし、果たして計算降り行くのだろうか。なぜなら「情弱」といわれる高齢者がネットで予約するのにはかなりの困難を伴うからだ。電話予約は殺到する電話回線でいずれの地方自治体でもパンクして電話が不通になっている。

 ある地方自治体は高齢者に予め「あなたのワクチン接種日時は○月○日○○時○分で、接種会場は○○です」と印刷した「ワクチン接種通知」を自治体内の高齢者に郵送したという。そうすると現在スムーズにワクチン接種が行われているそうだ。
 予約制にした地方自治体は「ワクチン接種通知」を送ったら「私の日時を○日○時に指定した理由はなぜか」あるいは「私が○○さんより遅いのはなぜか」といった苦情が来るのを避けるためだという。つまり「差別」しないために高齢者各自に予約させることで、そうした「被害者意識」を無くすためだという。

 そのために予約電話を受ける回線を準備したり、ネット予約のサーバーの導入を準備したり、システム設計をして「消し込み」の人員まで手当てしなければならない。高齢者に予約させるための手間暇がバカバカしいとは思わなかったのだろうか。それほど予算を掛けて、高齢者に予約させる労苦を掛けて、現実は予約現場の混乱が全国各地で起きているだけではないか。
 日本国民は「権利意識の塊」で、自分が誰かよりもワクチン接種の通知日が遅いからといって苦情を申し立てる者がどれほどいるだろうか。むしろワクチン接種通知なら、高齢者夫婦を同一日・同一会場に指定することが出来る。あるいは同一地域を同一会場に指定することで、そこまで行く「足」のない高齢者には行政が日頃高齢者が利用している「デイサービス」会社に送迎をお願いすることや、福祉タクシーを手配することも可能だ。機能的なワクチン接種を考えるなら、そうすべきだと知恵が働かなかったのだろうか。

 しかしいずれにせよ、オリンピックには間に合わない。ワクチン接種開始が半年早ければ日本国内の「集団免疫」は間に合ったかもしれない。しかし、それはあくまでも日本国内の話だ。世界の武漢肺炎感染が終息していない限り、十万人以上もの外国人が来日するオリンピックの開催は東京発の変異種ウィルスを世界中に攪拌させるだけだ。
 政府・東京都は潔くオリンピック中止を宣言することだ。国民の健康や命よりも優先するイベントなど何もない。全盛期を迎えている競技者が無念の涙を呑むのも解るが、一生に一度の修学旅行を諦めた何千・何万という小・中・高校生がいることを忘れてはならない。運動会や文化祭を諦めた何十万人という高校生や大学生がいることを忘れてはならない。日常であった様々な楽しみや機会を奪われたのは「競技者たち」だけではない。まずは武漢肺炎を終息させることに全力を尽くすべきだ。

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