解職請求などの直接請求権の垣根を低くせよ。

 <愛知県の大村知事のリコールを求める署名をめぐり、提出された約43万5000人分の署名のうち約36万2000人分の署名が有効と認められないとの調査結果がまとまったことが、関係者への取材で分かりました。県選挙管理委員会は刑事告発の協議を進める方針だということです。

関係者によりますと、去年11月に愛知県の大村知事のリコールを求め、県内の各選挙管理委員会に提出された約43万5000人分の署名について、8割以上の約36万2000人分の署名が有効と認められないことがわかりました。 有効と認められない署名が9割以上となったのは、名古屋市中川区、碧南市、豊田市、犬山市などの自治体だったといい、選挙管理委員会は今後さらに数字を精査していく方針です。 大村知事のリコール運動の署名を巡っては、先月から署名活動が適正に行われたかについての愛知県選挙管理委員会による調査が進められています。 関係者によりますと選挙管理委員会は、「住民の意思で地方自治体の首長などを解職できる直接民主制を揺るがす問題」として、週明けにも刑事告発についての協議を進める方針だということです。 

また、無断で署名簿に氏名などを使われたとみられる県内の自治体の議員らも、刑事告発の準備を進めているということです>(以上「中京テレビ・ニュース」より引用)




 知事の解職署名に関して「愛知県の大村知事のリコールを求める署名をめぐり、提出された約43万5000人分の署名のうち約36万2000人分の署名が有効と認められない」との報道にはガッカリだ。住民が自治に直接関与する途を確保しているのが各種「署名」だが、その規定が余りに厳格過ぎはしないかと疑問を抱く。

 もちろん「無断で署名簿に氏名などを使われた」というのは論外だが「受任者が必ず署名簿を持参して本人に書いてもらう」というのは厳し過ぎる規定だ。回覧や備え付けの署名簿に署名するのも有効にしないと解職請求の場合の有権者の1/3の署名を集めるのは不可能に近い。


 「住民投票を求める直接請求」の場合の1/50の有権者署名ですら莫大な労力を必要とする。その場合は住民投票条例を議会に提出するまでの署名であって、議会で過半数の同意がなければ直接請求は泡と消える。

 元々、自治は全住民参加で行うものだが、物理的に困難なため「代議制」を設けているに過ぎない。だから本筋は住民署名を実施した側にあって、その是非を議会で採決する、という現行制度の方がどうかしている。そうした優先権を被選挙人に与えているから議員や首長が非常識に増長したりする。


 引用記事によると「大村知事のリコール運動の署名を巡っては、先月から署名活動が適正に行われたかについての愛知県選挙管理委員会による調査が進められています。関係者によりますと選挙管理委員会は、「住民の意思で地方自治体の首長などを解職できる直接民主制を揺るがす問題」として、週明けにも刑事告発についての協議を進める方針だ」という。

 選挙で当選したなら何を仕出かしても有権者から解職されない、現行の地方自治法は地方政治を歪めかねない。そして厳格過ぎる現行の住民請求の「署名活動」は住民自治意識を委縮させかねない。選挙管理委員会にしても、住民の多くは誰が選挙管理委員なのか、そしていかなる手続きで彼らが選ばれているのかすら知らない。「選挙管理委員会が警護告発についても協議する」としているが、その台本を書くのは選挙管理委員会事務局「職員」だ。決して選挙管理委員と称する「民間人」ではない。つまり実質的に県知事の解職請求の署名簿を検査するのは知事が人事で任命した職員だ。


 地方自治を地域住民の身近なものにするには直接請求の垣根を低くする必要がある。いかに選挙で当選しても地域住民に意に反することがあれば何時でも直接請求で解職できるようにしておく必要がある。

 それは国会議員も同様だ。ことに比例で選出された国会議員は「有権者によって選出された国会議員」ではない。党により比例名簿の上位にされた議員でしかない。解職請求の垣根を低くしても何ら不都合はないはずだ。

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