国民に対して失礼なのは菅氏、あなただ。

 ＜２７日の参院予算委員会で菅義偉首相と立憲民主党の蓮舫代表代行が新型コロナウイルスの医療提供体制をめぐって応酬を繰り広げた。蓮舫氏は首相のコロナ対策に関する発信力不足なども含め繰り返し責め立てたが、執拗（しつよう）な追及に首相が色をなして反論する場面もあった。

　「この２９人の命、どれだけ無念だったでしょうか。その重みが分かりますか」 　蓮舫氏は昨年１２月１日から１月２５日までの間、１２都府県で計２９人のコロナ感染者が自宅や宿泊療養中に死亡していることを踏まえ、医療提供体制の不備を追及した。 　首相は「そこは大変申し訳ない思いであります」と陳謝したが、蓮舫氏は「もう少し言葉はありませんか」と追及の手を緩めなかったため、首相は再度「心から大変申し訳ない思いであります」と頭を下げた。 　それでも蓮舫氏は「そんな答弁だから言葉が伝わらないんですよ。そんなメッセージだから国民に危機感が伝わらないんですよ。あなたには首相としての自覚や責任感、それを言葉で伝えようとする、そういう思いはあるんですか！」と激しい言葉で畳みかけた。 　低姿勢の答弁を続けてきた首相だったが、これにはたまりかねたように「少々失礼じゃないでしょうか」と反論。「昨年９月１６日に首相に就任してから、一日も早く安心を取り戻したい、そういう思いで全力で取り組んできました。緊急事態宣言も悩んで悩んで判断した。言葉が通じる、通じないとか私に要因があるかもしれませんが、精いっぱい取り組んでいるところです」と応戦した。  

　首相のけんまくに、蓮舫氏も「その精いっぱいは否定しません」と努力を認めたが、「ただ、伝える努力が足りないと言っているんです」と付け加えることも忘れなかった＞(以上「産経新聞」より引用)

　国会論戦で蓮舫氏が「本気でやっているのか」と質問したところ「「少々失礼じゃないでしょうか」と反論。「昨年９月１６日に首相に就任してから、一日も早く安心を取り戻したい、そういう思いで全力で取り組んできました。緊急事態宣言も悩んで悩んで判断した。言葉が通じる、通じないとか私に要因があるかもしれませんが、精いっぱい取り組んでいるところです」と応戦した」と記事にある。

　昨年九月16日以来、一日も早く(武漢肺炎を終息させて)「安心」を取り戻したい、という政策から「GO TOトラベル」が出て来るわけがない。「GO TOトラベル」政策は武漢肺炎の蔓延をある程度抑制できた、とする気の緩みから「経済を回す」という詭弁を弄したまでではないか。

　トップ・菅氏の気の緩みが自公与党国会議員に蔓延して深夜のクラブ遊びという失態が起きているのではないか。しかし松本某氏は言うに事欠いて「相談に与っていた、けっして遊興ではない」と言い訳するとは、松本某氏は余程アホなのか。

　政治家として相談に与るのなら議員会館にでも来ていただく方が筋ではないか。営業後の職場へ酒気を帯びてノコノコ出掛けて、一体何の陳情なのか。政治家として「遊興」よりもその方がもっと不謹慎ではないか。そうした簡単な理屈すら分からないほど馬鹿なのか。

　そして菅氏もキレて「失礼ではないか」と言い返すとは何事だ。自宅待機者が相次いで亡くなっていることこそが医療崩壊ではないか。つまり医療崩壊を自宅待機と言い換えている政治家やマスメディアの方こそ大問題だ。

　そもそも指定感染症に罹患した患者は「直ちに隔離」すべきとなっている。そして感染拡大を防ぐのが感染拡大を防止する最良の策だからだ。それを、自宅に待機させるのは少なくとも家族に感染させる可能性が高いことは明らかだ。その家族が社会活動をしていれば自宅待機は出来ないため、彼らによって感染拡大することが避けられないではないか。

　菅氏から「失礼ではないか」と反撃されて「蓮舫氏も「その精いっぱいは否定しません」と努力を認めた」というが、なぜ「失礼とは思わない。あなたこそ死者に顔向けできるのか」と批判のトーンを高めるべきだった。自らもステーキ会食など「GO TOイート」をしていた菅氏が「失礼ではないか」と気色ばむ必要はない。ただひたすら無能・無策を国民に詫びるべきだ。

　そしていかにして第三波の山を低くし、いかにして終息させるかに感染対策専門家の意見に耳を傾けるべきだ。世の中には政権与党の応援団を自任し「PCR検査など無意味だ」と叫ぶ無責任な口先人間の辛坊某氏などもいるが、そんな連中が政府の感染症対策を誤らせ、感染拡大を招いているのだ。

　70%ほどでも陽性患者を識別できるのなら、ドンドンPCR検査を行うべきだ。家庭内感染が感染経路の第一位になった現在、ますますPCR検査の必要性が高まっている。夜の街を取り締まっても感染拡大は防止できない段階になっていることを認識すべきだ。そして最悪の家庭内感染を防止することに全力を挙げるべきだ。

　菅氏はそうした「防止策」を少しでも国民に示したのか。ただ単に「自宅待機」と「営業自粛」を要請しているだけではないか。その最中にも補正予算で1兆円もの「GO TOトラベル」予算を組むとは何事だ。そんな甘い見通しをしているようでは、今次の第三派の山を乗り切ったとしても第四波の感染拡大の山は必ず来る。国民に対して失礼なのは菅氏、あなただ。