「GO TOキャンペーン」を即時停止せよ。経済対策と感染対策とは分けて考えるべきだ。
<福島県と福島市は12日、同市の飲食店で行われた忘年会で、県内16例目のクラスター(感染集団)が発生したと発表した。県内ではこのクラスターを含む17人の新型コロナウイルス感染が確認され、1日あたりの感染者数は前日と並び過去最多となった。県内の累計感染者数は599人(505人が退院)。
県と市によると、忘年会のクラスターは福島市などの男女計8人。すでに感染が確認されていた1人の接触者として検査をするなかで7人が確認された。
忘年会は3日、市内の飲食店を借り切って、14人が参加した。2時間ほど会食した後、12人は別の飲食店でさらに約3時間飲食した。感染した8人全員が2次会にも参加していた。
残る参加者のうち4人は陰性で、2人は検査中。市は今後、忘年会が行われた飲食店の従業員にもPCR検査を行う。
参加者は会食中マスクをせず、席替えをしていたといい、県の担当者は「大人数、長時間の飲食やマスクなしでの会話が感染の背景にあると考えている。飲食時以外はマスクを着用するなど、感染防止対策をお願いしたい」と注意を呼びかけた。
この日感染が発表されたのは10~80歳代の男女で、内訳は、福島市12人、郡山市4人、会津若松市1人。3人は県立医大の学生、7人が忘年会クラスターで、5人が感染経路不明だった>(以上「読売新聞」より引用)
<京都の花街、祇園甲部と先斗町の組合は12日、10~20代の舞妓(まいこ)6人、芸妓(げいこ)2人と、50代と80代のお茶屋関係者2人の計10人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。
両組合によると、症状はいずれも軽いという。
祇園甲部の感染者は9人。今月に入り、祇園甲部では舞妓(まいこ)をめざす10代の「仕込み」から70代の芸妓(げいこ)まで計6人の感染がわかっており、感染者はこれで合計15人となった。先斗町でも、新たに20代の舞妓1人の感染がわかった。
花街では、舞妓たちが置屋(屋形)で共同生活をしている。祇園甲部では、三つの置屋から複数の感染者が出ている。両組合は「感染拡大の事態を非常に重く受け止め、置屋での集団生活やお座敷での対応など、より徹底した取り組みをするよう厳しく指導していく」としている>(以上「朝日新聞」より引用)
上段で引用した記事では「福島県と福島市は12日、同市の飲食店で行われた忘年会で、県内16例目のクラスター(感染集団)が発生したと発表した」という。ちなみに福島県では一日当たり感染者数が最大になったそうだ。
飲食を伴う会合が武漢肺炎の感染拡大に繋がることは既に「常識」になっているはずだ。通常の知能と判断力のある大人なら、そうした行為は避けるはずだ。しかし福島市の忘年会に参加した14人にそうした観念は希薄で、二次会に流れた8人中6人が感染し、さらに忘年会に参加した人以外の1人に濃厚接触して感染させている。
ただ引用記事で気になるのは福島県のこの日の感染患者の内「3人は県立医大の学生、7人が忘年会クラスターで、5人が感染経路不明だった」という点だ。最も感染対策がなされているはずの県立医大で医学生が3人も感染しているのと、5人が感染経路不明という感染患者の発生だ。
地方ですら感染経路が追えないというのは深刻だ。人間関係が濃いと思われる地方ですら感染経路が追えないのでは、都市部だけでなく地方でも「移動の制限」を行政当局は地域住民に強くお願いしなければならない。
その具体策としてはモタモタしている政府など相手にしないで、地方自治体で「GO TOキャンペーン」を即時停止する措置を取るべきだ。第三波感染患者の「山」を切り崩すには「検査と隔離」と「移動の制限」しかない。なぜなら感染患者を感染源となって他人に感染させる前に発見して隔離し、地域を越えて移動するのを制限すれば感染は決して拡大しない。なぜなら武漢肺炎の感染は人を通して拡大するからだ。
そうした簡明なことすら実行しない政府・行政とは何だろうか。そうした感染拡大防止策により逼迫する業界に対しては持続化給付金を続けて支給して倒産や清算を防ぐことだ。感染対策と経済対策は分けて考えるべき、というのは結果と原因を分けて考える思考回路が数学の証明問題などで訓練され形成されている大人なら誰でも出来る考え方ではないのか。
東京都知事は(「GO TOトラベル」の停止に関しては)政府の動きを見守りたい、などとトボケた発言をしているようだが、これでは東京の感染爆発は免れないし、地方へ伝播するのも防げない。まったく愚かというしかない。もちろん全面的に「GO TOキャンペーン」を停止しない政府の能天気ぶりにも行政の長としての当事者能力を失っている、と批判するしかない。