基準なき場当たり策ばかりだ。
<新型コロナウイルスの感染拡大が続く北海道の中でも感染増が目立つ第2の都市・旭川市で、クラスター(感染者集団)が発生した民間病院のトップが「適切な対応を取らず感染が拡大した」と市などの対応を批判し、波紋が広がっている。市側は「全力で取り組んでいる」としている。
内科中心で高齢者の入院が多い「吉田病院」(263床)では11月6日以降、院内感染で一気に患者が増えた。連日のように新たな感染者が確認され、これまでに入院患者と職員の計165人の感染が判明した。患者が転院した先の旭川厚生病院でもクラスターが発生し、市内では五つの基幹病院のコロナ病床の7割が埋まる事態になっている。また、一般診療を制限する病院も出ている。 病院を運営する医療法人の吉田良子理事長は1日付でホームページに公表した文書で、「様々な不条理や疑問を感じる」と訴えた。通常の医療業務を続けるため、感染者の転院を市保健所に要請したが時間がかかり、「クラスターの拡大を招いた」と指摘した。また、職員に感染が広がり「『医療崩壊』とも言うべき状況」になったことから、自衛隊に看護師の派遣や医療用具の供給を頼むよう求めたが、市側に「即座に却下され」たという>(以上「朝日新聞」より引用) 引用記事に「旭川市で、クラスター(感染者集団)が発生した民間病院のトップが「適切な対応を取らず感染が拡大した」と市などの対応を批判し波紋が広がっている」という。当然ながら「市側は「全力で取り組んでいる」としている」と反駁している。
しかし病院側も黙っていない。「病院を運営する医療法人の吉田良子理事長は1日付でホームページに公表した文書で、「様々な不条理や疑問を感じる」と訴えた。通常の医療業務を続けるため、感染者の転院を市保健所に要請したが時間がかかり、「クラスターの拡大を招いた」と指摘した。また、職員に感染が広がり「『医療崩壊』とも言うべき状況」になったことから、自衛隊に看護師の派遣や医療用具の供給を頼むよう求めたが、市側に「即座に却下され」たと」と反論している。
医療従事者の本音ではないだろうか。国は愚かにも「GO TOトラベル」を基本的に来年六月まで続けるという。ただ武漢肺炎の感染拡大している地域を例外的に除外するとしたそうだ。
利用に関しては「高齢者は自粛」をというので、感染拡大が本当に防げるとでも考えているのだろうか。政府など行政は「GO TOキャンペーン」により感染拡大したエビデンス(証拠)がない、と続ける正当性を主張しているが、地方に暮らしていると都市部との人の往来が感染漢代の源となっているのは明らかだ。それが「GO TOトラベル」による移動なのか出張による移動なのか別にしても、地域を跨いだ人の移動によって武漢肺炎が感染拡大しているのは紛れもない事実だ。
国民の健康と命に係わる緊急事態にも拘らず病院側の「自衛隊に看護師の派遣や医療用具の供給を頼むよう求めた」が、市側に「即座に却下され」た」とは如何なることだろうか。自衛隊の医療従事者は隊員の日常的な疾病に対処しているのは当然だが、細菌テロ対策も最前線で行う訓練を積んでいるし、細菌テロに対処するための医療用装備や医療用消耗品も確保しているはずだ。
なぜ国家非常事態にも拘らず自衛隊に出動要請を地方自治体は国に対してしないのだろうか。国が「GO TOキャンペーン」により感染拡大策を「経済を回す」という屁理屈で発動しているのは間違いない。感染拡大策を実施すれば感染が拡大するのは当たり前だ。なぜ子供でも解る理屈を「エビデンスが~~」として直ちに取りやめないのだろうか。
第一波の山を前にして安倍自公政権はアタフタと何の基準も設けないまま全国小・中・高校に一斉休校の「要請」を行った。そして何の基準も定めないで非常事態を発出した。今回も「GO TOキャンペーン」を始めるにあたって、「GO TOキャンペーン」を停止する基準も何も決めないで、思い付きのように始めた。
すべてが万事「エビデンス」とは程遠い場当たり政策のオンパレードだが、「GO TOキャンペーン」を止めるには「エビデンス」が必要だとは愚の骨頂だ。東京を「GO TOトラベル」から外したようだが、それなら「外す」基準を示すべきではないか。そうした一定の科学的基準もないまま「ナントナクこうする」という政治で良いのか。実に愚かな政府と地方自治体が武漢肺炎の感染拡大をもたらしている。