安倍不起訴と判断した検察の責任は重大だ。

 <桜を見る会」前夜に開催した夕食会をめぐり、東京地検特捜部は安倍晋三前首相を嫌疑不十分で不起訴とした。

 政治資金収支報告書の不記載への関与が認められなかったことが理由だが、国会で事実でない答弁を続けた政治責任の重さに変わりはない。  収支報告書の記載責任は、政治団体の実質的な会計責任者が負う。安倍氏は後援会で役職に就いておらず、検察内部では当初から、不記載への具体的な指示などがない限り「立件は難しい」との意見が支配的だった。  このため安倍氏の事情聴取はせず、上申書の提出にとどめる方法もあった。ただ1992年の金丸信・元自民党副総裁の闇献金事件では、上申書で済ませた検察の対応が厳しい世論の批判を浴び、「今回は上申書は避けたい」(検察幹部)との声があった。聴取しなかった場合、検察審査会で不起訴処分が覆される可能性も残り、「捜査は尽くす」(別の検察幹部)意味から事情聴取に踏み切った。  安倍氏は聴取に不記載への関与を否定したとみられ、公設第1秘書も調べに「自分が不記載を決めた」と供述した。他に関与を示す証拠もなく、安倍氏の不起訴が決まった。  第1秘書については、不記載を認めたことに加え、補填(ほてん)した夕食会経費が4年分で計約700万円と、年額ではそれほど多額でないことを考慮。過去の同種事件に比べても公判請求するまでの悪質性はないと判断し、略式起訴とした。  安倍氏の不起訴について、申し立てがあれば今後、検審が妥当性を審査する可能性は残る。刑事責任が認められなくても、「(夕食会で)後援会としての収入支出は一切ない」と補填を否定する答弁を繰り返した事実は重く、厳しい批判は免れない>(以上「時事通信」より引用)




 なんとも不思議な法解釈だ。記事によると「桜を見る会」前夜に開催した夕食会をめぐり、東京地検特捜部は安倍晋三前首相を嫌疑不十分で不起訴とした」というが、その理由が「
政治資金収支報告書の不記載への関与が認められなかったことが理由」だというから驚く。
 現在の公職選挙法や政治資金規正法は政治家があらゆる不祥事や不法行為を「秘書」の責任として、責任逃れ出来ないようにたとえ秘書がやったことでも政治家の責任が問われる法体系になっている。

 安倍氏が直接収支報告書に「不記載」を指導しなかったにせよ、「桜を見る会」前夜祭のホテル利用料の穴埋めに数百万円もの現金を安倍事務所の「手許金」から支払えば、いかなる支出であれ「収支報告書」に記載されなければならないし、記載されなければ安倍事務所の会計と不突合を生じているはずだ。
 そうした収支報告書と安倍事務所の会計に関して全く目を通してなかった、という言い訳は通らないことになっている。もちろん会計責任者は政治家に報告すべきだし、いかなる団体にせよ「数百万円」もの支出の報告を代表者に行っていないとは考えられない。

 つまり安倍氏も関与しているとして公職選挙法や政治資金規正法の「連帯責任」を適用すべきだ。何度も「例」として引き合いに出している小沢一郎委はかつて後援会「陸山会」で土地購入に際して、土地購入資金2億円が「陸山会」になかったため、一時的に小沢氏が立て替えて土地取引を行い、銀行から借り入れて小沢氏から借り入れた一時金を返却した。もちろん小沢氏が立て替えた経過も、銀行から借り入れて小沢氏に返却した経過も「収支報告書」にきちんと記載されている。
 しかし検察は一時金の建て替えと返却が期を跨いだとして「隠蔽するためだった」と邪推して罪をデッチ上げようとした。火のないところに煙を立てるのに無理があるため、検察はマスメディアに捜査情報を逐一リークして報道機関に「政治とカネ」なるプロパガンダを連日報道させた。そして国民世論に対して「小沢氏=ダーティー」との印象操作を行った。

 土地が農地なら取引するのに農転許可が必要で、そのために一月程度かかるのは常識だ。しかもその土地を担保にして銀行借り入れを行うのに一月程度かかるのも常識だ。そして12月31日を跨いだから、小沢氏が立て替えて決済した日と、銀行借り入れが実行されて登記を行い小沢氏に返却した日が二期に跨った、というだけの「何でもない取引」を隠蔽するために期を跨がした、と異常ともいえる言いがかりで小沢氏の名誉を著しく棄損して、総理の椅子に届く寸前の小沢氏を政治の表舞台から引き摺り下ろした。
 安倍氏の場合はどうだ。「不記載」という明らかな事実隠蔽工作を、安倍事務所の代表たる安倍氏が知らなかった、ということで「不起訴」とはいかなる見解なのだろうか。検察当局も記者会見を開き、事実経過と法解釈に関して説明すべきではないか。

 さらに河井氏の参議院選挙に関して安倍自民党総裁は1億5千万円もの選挙資金を支出したというが、実際に河井氏が買収資金として使った額は3,000万円程度でしかなく、しかも河井氏は支給して頂いた選挙資金で買収したのではない、と公判で述べているという。
 それなら選挙資金として河井氏の後援会に送金した1億5千万円は何処へ行ったのか。幹事長の二階氏は「選挙に必要なパンフレットやチラシなどの印刷や郵送にそれくらいの費用は掛かる」と説明していたが、本当なら河井氏の政治資金収支報告書に1憶5千万円に相当する支出がなければならない。そこを調査した報道に接したことがないのは何故だろうか。各新聞社の記者たちは何をしているのだろうか。

 安倍氏には怪しいところがまだまだゴマンとある。「モリ カケ」問題の利益供与はなかったか、アベノマスクや持続化給付金等の村の鍛冶屋に軍艦を発注して、巨大造船企業に下請けさせるといった逆立ち現象が各所にみられる随契同然の不透明な外注も実態が解明されたとはいえない。
 まさに安倍自公政権は疑惑のオンパレードだった。公私混同が日常化したデタラメ政権だったと批判されても仕方ないものだ。どれか一つでも政治家生命が終わりかねない事件でも、安倍氏の場合は不問に付されてきた。警察や検察は安倍氏に関してはアンタッチャブルだったとの印象が強い。そうした検察の態度が安倍自公政権を徹底的に腐らせてしまった。その腐敗がマスメディアに及び、言論界に及んだ。記者たちは嬉々として総理大臣との会食にはせ参じる、という醜態を醜態とも思わない堕落をもたらした。検察の責任は重大だが、彼らにその認識すらないというのだろうか。

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