自殺は何の解決にもならない。

 <9月の全国の自殺者は速報値で1805人に上り、昨年の同じ月と比べて8・6%(143人)増えたことが、12日、厚生労働省と警察庁の集計で分かった。女性は27・5%増えており、さらに8月をみると、20歳未満の女性(40人)が前年同月(11人)と比べて4倍近くに増えていることも判明した。

 厚労省は「新型コロナウイルス感染拡大の影響で女性や若者を中心に生活リズムが変化した。不安を独りで抱えこまず、メールやSNS、電話などで相談してほしい」と呼びかけている。  

 自殺者の総数は近年、減少傾向だったが、今年7月は対前年比で増加に転じた。女性は7~9月の3か月連続で600人を超え、7月は15・6%増、8月も40・3%増となっている>(以上「読売新聞」より引用)




 自殺者が増えているという。ことに女性の自殺が対前年同月比27.5%増えているそうだ。その中でも20歳未満の女性の自殺が4倍近く増えているのは由々しきことだ。

 コロナによる「閉塞感」が社会に蔓延しているのが遠因だろうと想像がつくが、女性の自殺が増えているのは派遣や非正規労働に従事している人に女性の比率が高いが、その女性たちの職場がコロナによる「自粛」要請で雇用環境が悪化していることと深い関係があるのかも知れない。


 バブル崩壊以後年間自殺者が30,000人を超えていたが、近年は減少傾向にあったという。しかし今年七月は増加傾向に転じたそうだ。引用記事に「女性は7~9月の3か月連続で600人を超え、7月は15・6%増、8月も40・3%増となっている」とある。

 自殺者は死を選択するしかない状況を誰にも相談できなかったのだろうか。なぜ近親者や規格の人たちにSOSを発信できなかったのだろうか。いや、彼らはSOSを発してしていたものの、誰にも悲痛なSOSを受信されなかったのではないだろうか。


 義務教育課程で「生きる」ことの尊さを教えなければならない。生きていればこそ悲しいことや辛いこともあるが、その反対に楽しいことや充足感を覚えることも出来る。ことに若者はつらく悲しい人生を自殺に逃避するのではなく、リセットできることに気付くべきだ。

 それまでのすべての人間関係を捨てて、別の地域へ移り住んでも人は生きられる。生きていれば必ず良いことがある。日本では年間8万人も行方不明になっているという。彼らの多くはそれまでの人間関係のすべてを断って、忽然と姿を消して他の場所で生きている。自殺するよりも何倍も良いが、しかし忽然と姿を消す前に行政の窓口などに相談すべきだ。


 地域社会には行政から委託された「民生委員」や「福祉委員」などが活動している。彼らは受け持った地域社会の人々の暮らしを見ている。彼らに相談するのも一つの方法だが、長年委託されているだけで、名誉職化して余り機能していなのも事実だが。

 引用記事にあるSNSなどで相談するのは危険かも知れない。自殺願望の若い女性を自らも自殺願望者と偽って接触し、9人も乱暴して殺害した事件があった。甘言を弄して自殺願望の女性に取り入ろうとする男には邪な考えを持つ者もいることを考慮すべきだ。


 厚労省は「不安を独りで抱えこまず、メールやSNS、電話などで相談してほしい」と呼びかけているという。不安に苛まされて一瞬でも自殺が過ったなら、行動に移る前に厚労省や地方自治体に電話してみよう。

 死んでは何も始まらない。ことに若い女性は結婚して我が子を胸に抱く喜びを経験する権利を持っている。決して、死に急いではならない。

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