政治家の「俄か演劇」に興じている場合か。
<自民党総裁選で選出された菅義偉新総裁は、次の通り挨拶した。
私は秋田の農家の長男として生まれました。地縁も血縁もない政治の世界に飛び込んで、まさにゼロからのスタートでありました、その私が歴史と伝統のある自由民主党の総裁に就任することができました。私自身の全てを傾注して、この日本のため、そして国民のために働くことをお誓い申し上げます>(以上「ANNニュース」より引用)
「新総裁=総理大臣」を選ぶ選挙が終わった。最初から期待ゼロのコップの中の嵐だったが、新総裁就任の弁も酷いものだ。
菅氏が「私は秋田の農家の長男として生まれました。地縁も血縁もない政治の世界に飛び込んで、まさにゼロからのスタートでありました、その私が歴史と伝統のある自由民主党の総裁に就任することができました」と経歴を披歴するのも異常だが、それが異常に見えるほど世襲政治家が政界を跋扈しているということなのだろう。
それにしても東アジアで米中戦争が始まりかねない現状に一言も言及しない就任の弁には驚く。そして菅氏が掲げる「自助、共助、公助」が「まず自分でできることは自分でやってみる。そして地域や家族で共に助け合う。その上に立って、政府がセーフティネットでお守りをする」というのは福祉事務所長の就任の弁でしかない。
もちろん福祉事務所長の弁も必要だが、それが政権最高権力者の就任の弁であっては少し問題ではないか。なぜ「自助」が必要なのか。それは国民が「自助」をしていないと政権・権力者が見ているからではないか。つまり国民はもっと努力しろ、と尻を叩いていることに他ならない。
国民は自分の生活だけ、自分の家族だけで精一杯だ。「地域や家族で共に助け合う」余力などないのが実態だ。限界集落だらけの地方山間部に暮らす者たちにとって、どうやって「共助」しろというのだろうか。そうしたセイフティー・ネットがないから「公助」の充実が叫ばれているのだ。
端なくも菅氏は就任の弁で「秋田の農家」出身だと出自を明かした。それならなぜ秋田の農民を代表して秋田県の選挙区から出なかったのだろうか。彼が「秋田の農家」の出自なら農家の現状を熟知していなければならないが、平気で主要穀物種子法を廃止した政権の番頭をしていたではないか。安倍自公政権は「全農」の解体と弱体化に取り組んだが、菅氏は政権の番頭として、少しも農業の実態を知っているのだろうか。
中共政府の脅威に一言も言及しなかったのは何故だろうか。自民党総裁であって、まだ首班指名を受けた総理大臣ではないから国際政治に敢えて言及しなかったということだろうか。しかし、それでも大いなる勘違いではないだろうか。
米中戦争は既に抜き差しならない段階に達している。トランプ氏が推進する対中デカップリングは容赦ないものだ。中国国有企業・HUAWEIに対しては踏み潰す勢いだ。スマホの心臓部に相当する集積回路の対HUAWEI売却を禁止措置を講じている。それに対してHUAWEIは自社生産を目指しているが、当面は生産停止にならざるを得ないようだ。
なぜそれほどトランプ氏が対中デカップリングに容赦ないのか。それは民生用と銘打って、中共政府が軍事転用しているからだ。中国のモノ造りが中国の技術水準を引き上げ、先端技術までもモノにして米国を凌駕しようとしている事態に気付いたからだ。
そして米国のいる35万人もの中国人留学生が全米の大学に広く浸透し、各種分野の最先端知的財産を中国へ持ち帰ろうとしていることに気付いたからだ。留学生と称しているが、その半分近くは人民解放軍の軍人だということが分かって、米国政府は驚愕したという。まさしく「自由」の名の下に、中共政府はやりたい放題をしていたのだ。
日本でも同様に事が起きている。米国は全閉各地の「孔子学園」の廃止を決めたが、日本はどうするのか。そして各大学に中国から提供されていた研究費や教授への賂を禁止する措置に出たが、日本はどうするのか。
米国政府の民間企業にもデカップリングを強要する動きにに反するトヨタやパナソニックなどの対中投資増強を行っている企業が、米国から制裁を受けて対米輸出禁輸措置を講じられかねないことも覚悟しているのだろうか。日本政府も民間企業経営者もすべてに於いて、米国の本気のデカップリングに鈍感にして能天気ぶりには呆れる。
日本のマスメディアも中共政府に配慮してなのか、米国の凄まじい対中デカップリングを殆ど何も報じない。南シナ海での米中の熱い戦いに繋がりかねない頻繁な米中軍事演習合戦を報じないのは何故だろうか。
だから日本国民の多くは中共政府の中国が破れかぶれに陥っている実態も何も知らないで、茶番劇のような総裁選をテレビ観戦し、新総裁が身の回り半径1メートル程度の総裁就任の弁しか述べないでも不安も何も感じない。こんな政治の体たらくでは日本は世界から置き去りにされてしまうだろう。いつまで能天気な政治家の俄か演劇を許しているのだろうか。
私は秋田の農家の長男として生まれました。地縁も血縁もない政治の世界に飛び込んで、まさにゼロからのスタートでありました、その私が歴史と伝統のある自由民主党の総裁に就任することができました。私自身の全てを傾注して、この日本のため、そして国民のために働くことをお誓い申し上げます>(以上「ANNニュース」より引用)
「新総裁=総理大臣」を選ぶ選挙が終わった。最初から期待ゼロのコップの中の嵐だったが、新総裁就任の弁も酷いものだ。
菅氏が「私は秋田の農家の長男として生まれました。地縁も血縁もない政治の世界に飛び込んで、まさにゼロからのスタートでありました、その私が歴史と伝統のある自由民主党の総裁に就任することができました」と経歴を披歴するのも異常だが、それが異常に見えるほど世襲政治家が政界を跋扈しているということなのだろう。
それにしても東アジアで米中戦争が始まりかねない現状に一言も言及しない就任の弁には驚く。そして菅氏が掲げる「自助、共助、公助」が「まず自分でできることは自分でやってみる。そして地域や家族で共に助け合う。その上に立って、政府がセーフティネットでお守りをする」というのは福祉事務所長の就任の弁でしかない。
もちろん福祉事務所長の弁も必要だが、それが政権最高権力者の就任の弁であっては少し問題ではないか。なぜ「自助」が必要なのか。それは国民が「自助」をしていないと政権・権力者が見ているからではないか。つまり国民はもっと努力しろ、と尻を叩いていることに他ならない。
国民は自分の生活だけ、自分の家族だけで精一杯だ。「地域や家族で共に助け合う」余力などないのが実態だ。限界集落だらけの地方山間部に暮らす者たちにとって、どうやって「共助」しろというのだろうか。そうしたセイフティー・ネットがないから「公助」の充実が叫ばれているのだ。
端なくも菅氏は就任の弁で「秋田の農家」出身だと出自を明かした。それならなぜ秋田の農民を代表して秋田県の選挙区から出なかったのだろうか。彼が「秋田の農家」の出自なら農家の現状を熟知していなければならないが、平気で主要穀物種子法を廃止した政権の番頭をしていたではないか。安倍自公政権は「全農」の解体と弱体化に取り組んだが、菅氏は政権の番頭として、少しも農業の実態を知っているのだろうか。
中共政府の脅威に一言も言及しなかったのは何故だろうか。自民党総裁であって、まだ首班指名を受けた総理大臣ではないから国際政治に敢えて言及しなかったということだろうか。しかし、それでも大いなる勘違いではないだろうか。
米中戦争は既に抜き差しならない段階に達している。トランプ氏が推進する対中デカップリングは容赦ないものだ。中国国有企業・HUAWEIに対しては踏み潰す勢いだ。スマホの心臓部に相当する集積回路の対HUAWEI売却を禁止措置を講じている。それに対してHUAWEIは自社生産を目指しているが、当面は生産停止にならざるを得ないようだ。
なぜそれほどトランプ氏が対中デカップリングに容赦ないのか。それは民生用と銘打って、中共政府が軍事転用しているからだ。中国のモノ造りが中国の技術水準を引き上げ、先端技術までもモノにして米国を凌駕しようとしている事態に気付いたからだ。
そして米国のいる35万人もの中国人留学生が全米の大学に広く浸透し、各種分野の最先端知的財産を中国へ持ち帰ろうとしていることに気付いたからだ。留学生と称しているが、その半分近くは人民解放軍の軍人だということが分かって、米国政府は驚愕したという。まさしく「自由」の名の下に、中共政府はやりたい放題をしていたのだ。
日本でも同様に事が起きている。米国は全閉各地の「孔子学園」の廃止を決めたが、日本はどうするのか。そして各大学に中国から提供されていた研究費や教授への賂を禁止する措置に出たが、日本はどうするのか。
米国政府の民間企業にもデカップリングを強要する動きにに反するトヨタやパナソニックなどの対中投資増強を行っている企業が、米国から制裁を受けて対米輸出禁輸措置を講じられかねないことも覚悟しているのだろうか。日本政府も民間企業経営者もすべてに於いて、米国の本気のデカップリングに鈍感にして能天気ぶりには呆れる。
日本のマスメディアも中共政府に配慮してなのか、米国の凄まじい対中デカップリングを殆ど何も報じない。南シナ海での米中の熱い戦いに繋がりかねない頻繁な米中軍事演習合戦を報じないのは何故だろうか。
だから日本国民の多くは中共政府の中国が破れかぶれに陥っている実態も何も知らないで、茶番劇のような総裁選をテレビ観戦し、新総裁が身の回り半径1メートル程度の総裁就任の弁しか述べないでも不安も何も感じない。こんな政治の体たらくでは日本は世界から置き去りにされてしまうだろう。いつまで能天気な政治家の俄か演劇を許しているのだろうか。