船頭多くして舟山を上る。

自民党総裁選(14日投開票)は8日告示される。党内7派閥のうち、5派の支持を固めた菅義偉官房長官(71)だが、新政権の人事をにらんだ各派間の確執も見え始め、きしみもある。岸田文雄政調会長(63)、石破茂元幹事長(63)は巻き返しを図るが、支持は広がらず苦しい状況が続く。
 「政策の実行には政府・与党の緊密な連携が不可欠。二階(俊博)幹事長は党内をしっかりと取りまとめていただけるので、非常に頼りになる」。菅氏は7日の記者会見で、二階氏の幹事長在任期間が1497日となり、田中角栄元首相と並んで歴代トップとなったことへの感想を聞かれ、賛辞を贈った。
 菅氏に対し、党内7派閥のうち5派閥が支持を表明した。5派の所属国会議員数は計264人。国会議員票と都道府県連票を合わせて計535票で争われる総裁選を前にすでに国会議員票だけで半分近くを押さえ、党内に「勝敗は決した」(閣僚経験者)との見方が広がっている。
 その流れを生み出したのは二階氏だ。
 菅、二階両氏はともに地方議員出身の「たたき上げ」。かねて気脈を通じてきた。通常国会閉会後に会食を重ね、8月28日に安倍晋三首相(自民党総裁)が辞任を表明すると、二階氏は即座に党員投票を伴わない簡易形式での総裁選の実施を調整。翌29日に菅氏と極秘に会談し、ほかの派閥に先駆けて二階派(47人)の菅氏支持を固めて「菅氏優勢」の流れを生み出した。
 極秘会談には菅氏に近い石原派(11人)の森山裕国対委員長も同席しており、菅氏を支援するほかの派閥は、菅氏と二階、森山両氏の「蜜月ぶり」への警戒を強めている。9月2日には麻生太郎副総理兼財務相が主導し、細田派(98人)、麻生派(54人)、竹下派(54人)の会長3人が共同記者会見で菅氏支持を表明、二階、石原両派をけん制した。
 選挙対策本部の陣容を巡っても二階、石原両派とほかの派閥の溝が表面化し、陣営のきしみにつながっている。菅氏陣営は4日、小此木八郎元国家公安委員長(無派閥)を本部長とする選挙対策本部を発足させたが、6人の副事務総長中、二階派が2人を占め、事務局長も同派の吉川貴盛前農相が就いた。細田派からは「なぜ二階派ばかりがこんなにいるのか」との不満がくすぶる>(以上「毎日新聞」より引用)



 大番頭さんが後継社長になって成功した企業があったら教えて欲しい。番頭さんは所詮番頭さんの器でしかない。番頭さんが社内を取り仕切っているのと、社長として対外的な業務を取り仕切るのとはわけが違う。
 安倍自公政権の大番頭・菅氏が安倍後継総理大臣の本命だという。それなら安倍路線の縮小継続でしかない。なぜ四派も五派もが相乗りして菅氏を担ぐのか。それわど各派閥に人材が払底している、ということなのか。

 しかも菅氏は「無派閥」だという。これまで派閥の長として乾分たちの面倒を見た経験がない、ということだ。それなら安倍氏も派閥の長の経験などない。党の雑務を散々経験したこともない、ポッと出の「座りの良い」飾り物として担がれただけだ。
 恐らく総理大臣になるまで人事で苦労した経験もなかったのだろう。お仲間優先の利権政治を大っぴらに展開して恥じなかったことから、人事の配慮や厳しい利益感覚もない、「ヨッシャ、ヨッシャ」感覚ですべての政治を仕切って来たのだろう。その証拠がアホノマスクであり持続化補助金の中抜き丸投げだ。

 しかし、こうした限りなく犯罪に近い利権政治を容認したマスメディアこそ罪が重い。「ペンは剣よりも強し」との箴言は、日本では死語になったのだろう。「ペンはお追従の道具」と化し、スシローが報道番組で大きな顔をして登場し、お友達感覚で総理大臣や官房長官の内幕を披露して悦に入っている。日本のマスメディアから恥の感覚は皆無になったようだ。
 引用記事中にある「菅、二階両氏はともに地方議員出身の「たたき上げ」。かねて気脈を通じてきた」とあるが、菅氏が苦学生だったという美談が本物か検証したのだろうか。

 しかし「好事魔多し」という。日本には「船頭多くして舟山を上る」との言葉がある。担ぐ派閥が多いことは総理大臣になろうであろう菅氏の新内閣が長く持たないことを予感させる。日本の政界はいつまで微視的な範囲でチマチマとした存在しか示せないのだろうか。世界は中共政府の中国のデカップリングに大きく動いているというのに。

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