日本の防衛は大丈夫か。

防衛省は4日、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」導入断念の経緯を検証した報告書を公表した。それによると、迎撃ミサイルの大幅改修が必要となる可能性に今年1~3月のある時点で担当者レベルで気付いていたにもかかわらず、6月3日まで河野太郎防衛相に報告されていなかった。内部の連絡・調整不足や決断の遅れをたびたび起こす同省の体質が改めて露呈された。
 河野氏は4日の記者会見で「痛切に責任を感じている。悪い情報は早く上に上げろと徹底しておくべきだった」と陳謝。安倍晋三首相から、防衛省の業務の進め方や体制を早急に見直すよう指示されたことを明らかにした。
 報告書は、北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返す中、陸上イージスの導入を急ぐため、配備候補地への説明と米側との技術的な協議を並行させる必要があったと説明。結果として「慎重さ、誠実さを欠いた対応となった」と総括した>(以上「時事通信」より引用)



 引用記事に「北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返す中、陸上イージスの導入を急ぐ」とあるのは誰の判断なのかが不明だ。それが防衛庁内の検討から浮上した判断とは思えない。なぜなら米国の事務担当との摺合わせが済まないうちにイージス・アショア構想を官邸に伝えるはずがないからだ。
 そうすると、北朝鮮のミサイル試射に怯えた安倍氏がイージス・アショア構想を思いつき、防衛省に早期実現を伝えたとしか思えない。ここにも安倍官邸の暴走があったのではないか。

 上記推測が正しければ、防衛省がイージス・アショア構想を打ち出したのでないことになり、イージス・アショアよりも従前のイージス艦で北朝鮮のミサイル攻撃を迎撃する態勢強化を急いでいたことになる。
 そうした防衛構想に水を差す形で安倍官邸が暴走した結果、官邸が現行のイージス艦六艦体制から八艦体制を目指していた防衛省の構想を無視したことになる。民によるコントロールどころか、民による暴走によって日本の防衛構想そのものに不具合を来していたことになる。

 地球は丸いからミサイル打ち上げを探知するには打ち上げ地へ近い方が有利だ、誰が考えても明らかではないか。800㎞や1000㎞離れたイージス・アショアで探知していては北朝鮮が発射したミサイルがある高度まで達しないと探知できない。その高度を概算するには中学生の三角関数で充分だ。イージス・アショア設置個所の海抜が300mから500mだから、それを差し引いても30㎞も上昇しないと探知できないことになる。
 それでは北朝鮮のミサイルが発射から日本の各地へ到達するのに7、8分しか掛からないので、イージス・アショアの防御システムでは迎撃に間に合わない。やはり日本海でイージス艦により早期探知しなければとても迎撃出来ない。だからイージス・アショアは日本の本土防衛のためではなく、米国のグアムとハワイ基地を防衛するためではないかと推測した所以だ。

 それにしても現地説明会で「安全だ」と嘘を吐くことが「結果として「慎重さ、誠実さを欠いた対応となった」」ということになるようだ。現地説明会で「安全だ」と嘘を吐いて現地住民を騙していた罪悪感は何もないのだろうか。
 官邸の意向に沿う方が防衛省の仕事として重要だ、ということになるが、防衛省は国民の財産・生命を守ることよりも官邸の意向の方が優先されたことになる。これこそ由々しき問題ではないか。

 現行のブースターを装備した迎撃ミサイルなら発射後に空になったブースターロケットを切り離し落下させる位置が民間地になる可能性が避けられないことを「迎撃ミサイルの大幅改修が必要となる可能性に今年1~3月のある時点で担当者レベルで気付いていたにもかかわらず、6月3日まで河野太郎防衛相に報告されていなかった」というから、事態はさらに深刻だ。
 こうした点を官邸からイージス・アショア配備を急ぐように督促された段階で直ちに説明できる防衛省武官はいなかったのだろうか。防衛省はサマワからの日報隠蔽といい、隠蔽体質があるが、こうした体質で日本の防衛は成り立つのだろうか。心配になる。

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