尖閣を守れ。

ドナルド・トランプ米政権のマイク・ポンペオ国務長官が、カリフォルニア州のリチャード・ニクソン大統領記念館を舞台として選んで、中国を痛烈にこき下ろす演説を行ったのは、まさに象徴的だった。
 私がポンペオ演説で最も注目したのは、「米国の対中政策はオバマ政権に至るまで、惨憺(さんたん)たる失敗だった」と述べたところだった。米国が中国を甘やかしたために、今日の中国という「巨大な妖怪」をつくりだしたというのだ。
 第二次世界大戦後の米中関係が始まったのは、1972年にニクソン大統領が北京を訪問して、全世界を驚かせたときに始まった。そこで、ニクソン記念館を選んだのだった。
 日本にも、中国という妖怪をつくりだした、大きな責任がある。
 それなのに、日本の大手テレビが、テキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖と、ポンペオ演説を報道したときに、「米中の覇権争いが激化している」と解説していたのを聞いて、私は吃驚(びっくり)した。
 一体、日本は米国と、中国のどっちの味方なのだろうかと、訝(いぶか)った。覇権は「権謀をもって獲得する権力」という悪い言葉で、米中をともに悪役として見立てている。高みの見物をしている。
 中国の習近平国家主席は身から出たさび、自業自得だが、追い詰められている。
 いまや中国は、米国でも、ヨーロッパでも“排除”されている
 武漢(ウーハン)ウイルスが世界中にバラまかれてから、日本でも人と人との社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)をとるようになっているが、米国でも、ヨーロッパでも、投資や経済、技術移転について、中国と縁をぶち切ろうという「チャイナ・ディスタンス」が合言葉となっている。
 習氏は、日本から沖縄県・尖閣諸島を奪うことによって、米国にひと泡(あわ)吹かせて、中国国民の喝采を浴びようとするだろうか。
 台湾を攻撃するかとも危惧されている。中国は3年前に、世界で初めて遠い月の裏面に無人探査機を着陸させたが、人民解放軍に幅180キロの台湾海峡を渡る能力はあるまい。失敗すれば、習政権の生命(いのち)取りになろう。
 そのかわりに、台湾が南シナ海・スプラトリー諸島(中国名・南沙諸島)で実効支配している小島、太平島を攻撃して奪取する可能性がある。ここには台湾軍の守備隊約200人が、駐留している >(以上「ZAK ZAK」より引用)



 グローバリストたちが育てた妖怪が中共政府の中国だ。ただし、中身のない張子の虎だが、水膨れした図体だけはデカクなっている。その水膨れした図体のデカサを誇って、軍拡に走ったのが習近平氏だ。
 実態を伴わない世界の「工場」としての経済大国は部品の供給と製品の販売を止められたらスーと萎むだけだ。確かに中共政府は経済実態を確実なものにするため、製造工場からの脱却を画策したが、それも技術や研究といった知的財産を米国などから盗む手法で手に入れようとした。1000人計画がまさにそれだ。

 しかしトランプ氏はそれまでのウォール街のディープステートに毒された大統領とは異なるようだ。彼の国務長官ポンペオ氏はニクソン記念会館の前で演説した。「米国の対中政策はオバマ政権に至るまで、惨憺(さんたん)たる失敗だった」とニクソン氏以来の米国大統領をこき下ろした。
 そして中共政府との対決姿勢、というよりも中共のデカップリングを決意した。それは自由主義諸国から中共を排除する、という確固たる決意だ。

 日本のマスメディア全体は御多分に漏れずチャイナスクールに毒されているが、NHKもチャイナスクールの優秀な生徒の一員だ。「赤勝て、白勝て」の中立な態度を装って、中共政府擁護の姿勢を採っている。
 武漢肺炎の感染拡大を良いことに、日本のマスメディアは殆ど尖閣諸島近海に常駐している中国公船を報じていない。大挙して押し寄せると警告している魚民ではなく民兵集団に関しても報道していない。

 日本の領土・尖閣諸島が危機的状況にあるにも拘らず、安倍自公政権の危機感は乏しい。連立政権で親中政党・公明党と組んでいるためか、安倍氏やネトウヨたちも尖閣防衛に熱を上げていない。
 野党の中にも多くの親中派がいるためか、危機感を表明したり、安倍氏に日本の島嶼防衛を質す声は殆ど上がっていない。腑抜けの国会議員どもに、このまま任せていては尖閣諸島は中共政府に奪われるのも時間の問題だ。
 防衛省は米軍と連絡を密にして、中共が予告している一日前の15日から尖閣諸島海域で日米共同軍事訓練を大々的に行うべきだ。島嶼奪還の軍事演習なども交えて、一月も行って中共政府を牽制すべきだ。

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