北朝鮮の崩壊に備えよ。

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正党第1副部長は13日、談話を発表し、韓国と「決別する時が来たようだ」と強調した。その上で、「次の対敵行動の行使権は軍総参謀部に委譲する」として、軍事的な圧力を加える可能性を示した。軍の対応の詳細は不明だが、2018年の南北軍事合意の破棄や、軍事境界線付近での軍備増強などが考えられ、緊張が高まりそうだ。
 与正氏は韓国の脱北者団体が正恩氏を非難するビラを北朝鮮に向けて飛ばしたことへの韓国政府の対応を改めて批判。報復のため「対敵事業関連部署に次の段階の行動決行を指示した」として、既に撤廃の方針を示している北朝鮮・開城の南北共同連絡事務所について「跡形もなく崩れる悲惨な光景を見ることになる」と主張した。
 さらに「その次の計画」として、軍総参謀部に行動の「行使権」を与える考えを表明。与正氏は「わが軍隊は人民の憤怒を多少なりとも冷ます何かを決心して断行すると信じる」と述べており、何らかの軍事行動に出る可能性もある。
 与正氏はこうした指示について、「委員長同志(正恩氏)と党、国家から与えられた私の権限を行使した」としており、強い決定権限を持っていることも誇示した>(以上「時事通信」より引用)



 金正恩氏は死んでいるのではないか、もしくは生きていても政治的に死んでいるのと同様の状態にあるのではないか。武田信玄が死に臨んで「死を三年間秘せ」と家臣に命じた歴史と相通じるものを思わせるからだ。
 妹の金与正(ヨジョン)氏が金独裁政権を継いだとしても、男尊女卑の強い朝鮮人国家で統帥権を維持するのは極めて困難だと思われる。
 「与正氏はこうした指示について「委員長同志(正恩氏)と党、国家から与えられた私の権限を行使した」としており、強い決定権限を持っていることも誇示した」と引用記事にあるが、強い決定権を誇示せざるを得ない状況にあることを端なくも物語ってはいないだろうか。

 北朝鮮にとって韓国の文大統領は新北策を取る「友好政権」のはずだ。少なくとも金正恩氏はそのような態度を取っていた。当時から脱北者団体が風船で正恩氏を非難するビラを北朝鮮に向けて飛ばす活動をしていた。しかしあからさまに韓国の文大統領を敵視する政策を採っていなかった。
 だからこそ金与正氏の対韓強硬策の裏には、彼女には国境を閉ざし北朝鮮国内を厳しく統制する必要がある、と見るべきだろう。むしろ隣国との敵対関係を国内で煽り、緊張感を国民に与えて独裁政権の維持を賢明に図っている姿が窺えるようだ。

 しかし金与正氏の後継政権は長く持たないだろう。なぜなら、北朝鮮に食料の備蓄どころか石油の備蓄すらない。しかも中朝国境を閉ざし、韓国の「瀬取り」やロシアから入っていた必要物資も対韓強硬策で閉ざし、対ロも武漢肺炎の関係で国境をロシア側から閉ざしている。
 食糧難はこの秋にも深刻化するだろう。その前にも石油不足が軍事行動すら不可能にするだろう。困窮した国民が蜂起する前に、軍部がクーデターを起こしかねない状態にあるのではないだろうか。

 北朝鮮をハードランディングさせてはならない。北朝鮮の崩壊は大量難民を出す結果にしかならない。日本政府は拉致問題の解決を北朝鮮に持ち掛けて、金与正体制と対話のチャンネルを開くべきだ。
 金独裁政権の延命に手を貸すのではなく、非核化と拉致被害者の帰国を条件に援助を行い、北朝鮮の民主化と金与正氏たちの亡命に道を開くべきだ。しかし、そうした高等な国際協議を果たせる人材が果たして政界にいるだろうか。パフォーマンスだけの世襲政治家やタレント政治家が跋扈しているAKB48状態の政界には荷が勝っているかも知れないが、250万人北朝鮮国民と周辺諸国のためにもソフトランディングの方策を真剣に検討すべきだ。

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