在宅勤務で「脱ハンコ」は必要か。

<ハンコ文化が在宅勤務(テレワーク)の壁になっている問題で、これまで業界寄りの発言をしていた竹本直一IT相が態度を変えた。24日の閣議後会見で「ハンコのために会社に行くと公共交通機関の中で密の状態が発生する。できるだけ省いた方がいい」と述べ、押印のための「やむなく出社」はやめるべきだとの認識を示した。

 自民党の「ハンコ議連」会長でもある竹本氏だが、会見で議連は続けるのかと問われると、「辞めろといわれれば辞めても構わない」と答えた。業界擁護の姿勢から、「脱ハンコ」へとかじを切ったようだ。

 背景には安倍晋三首相が22日、民間の企業活動について「紙や押印を前提とした慣行を改めるように」と指示したことがある。竹本氏は「首相のおっしゃる通り。それに従いデジタル化を進める。本人の意思が確認できれば(押印の)省略も十分ありうる」とした>(以上「朝日新聞」より引用)



 在宅勤務の増加でノートPCが対前年比1.3倍の売れ行きだそうだ。これまではセキュリティーの関係から「企業に個人のPCを持ち込んではならない、企業のPCを持ち帰ってはならない」と厳格に履行していた関係から、個人のPC保有はスマートホンの普及に押されて減退の一途を辿っていた。
 しかし仕事をスマートフォンで行うことは困難だ。何しろキーボードがないし、書類を展開するにも画面が小さすぎる。だからPC購入が促進されているのだろう。もちろんネットを引き込む家庭も増えているのではないだろうか。

 ここに来て、書類にハンコを押すのをどうするのか、という問題が起きているようだが、私たちは既に「既読」マークでハンコの代用をしているはずだ。あるいは「本人確認」のためのハンコなら個人の「アカウント」で代用しているはずだ。
 あるいはネット回線とは別のスマートフォンで確認コードを送って、それを打ち込むことで会社の書式が起動するようにするソフトを組み込むことも出来る。本人確認の手法は様々で、それらはハンコを押すという従来の日本伝統の本人確認よりもセキュリティー面では優れているのではないだろうか。

 上記記事では「自民党の「ハンコ議連」会長でもある竹本氏だが、会見で議連は続けるのかと問われると、「辞めろといわれれば辞めても構わない」と答えた」というが、何もハンコを一掃する必要もないだろう。仕事で作成した書類にハンコをスキャンした「印影」を貼り付けることで捺印の代用とすることも出来る。
 朱肉鮮やかな印影がなければ正式文書ではない、という日本の慣習があるのなら、それを棄て去る必要もない。ハンコの印影をスキャンして押印が必要とされる場所に貼り付ければ良いだけだ。

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