安倍氏の新型コロナウィルス対策が余りに遅く、余りに緩いのはなぜだ。

安倍晋三首相は5日、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、中国と韓国からの入国者全員に対して14日間、検疫所長が指定した場所での待機と、日本国内での公共交通機関の使用自粛を求めると表明した。日本人も対象で、9日午前0時から3月末まで実施する。中国人と韓国人に対しては、発行済みの査証(ビザ)の効力を停止し、入国者数の抑制に乗り出す考えも明らかにした。品薄となっているマスクについては、転売行為の禁止措置も表明した。
 首相は中国・韓国からの入国者を待機させる措置については「感染拡大を防止し、国民の不安感を解消するため」と説明。実際には、それぞれが申告した場所での待機を要請するが、強制力はないという。政府は現時点で、法的根拠を明確にしていない。
 日本政府観光局によると、2019年の1年間で、中国からの訪日客は約959万人、韓国からは約558万人。入国者数を抑えるため、両国から日本にやって来る航空機の受け入れは千葉県の成田空港と大阪府の関西国際空港の2カ所に限定するとともに、両国と日本を結ぶ旅客船の運航停止も要請する。
 感染が拡大している韓国の慶尚北道などの一部地域やイランの中部コム州などに滞在歴のある外国人を新たに入国拒否の対象とすることも発表した。入国拒否の対象地域の追加は、7日午前0時に行う。
 日本は既に、過去14日以内に中国の湖北、浙江両省に滞在した外国人と、両省発行の旅券を持つ人の入国を拒んでいる。韓国に対しても大邱市と慶尚北道清道郡に滞在歴のある外国人の入国を拒否しているが、両国の全土を対象にした措置はとっていなかった。
 中国の北京、上海の両市などは、日本からの渡航者を14日間隔離することを決めている。ビジネスや留学などに大きな影響が生じることが予想されており、日本の今回の対応は「事実上の対抗措置」(政府関係者)となる。
マスク転売も禁止へ
 一方、首相は「インターネットでマスクが取引される事例が報告され、マスクの品薄状態に拍車を掛けているとの指摘がある」と強調し、国民生活安定緊急措置法に基づき、マスクの転売行為を禁止する方針を表明した。同法は1973年の第1次石油危機を受けて制定されたもので、同法に基づいて転売禁止措置を講じるのは初めて。特定の業者や個人がマスクを大量に買い占めて高額転売する行為を防ぐ狙いがあり、違反した場合には罰則を科す方針だ。
 これに加え、布製マスク2000万枚を国が一括購入して介護施設などに配布。医療機関向けマスクは、海外からの輸入を拡大して1500万枚を確保し、必要な医療現場に優先配布する方針だ>(以上「毎日新聞」より引用)



 やっと安倍氏が新型コロナウィルスの感染から国民の健康と命を守る具体策を出してきたが、余りにも遅過ぎる、という感はぬぐえない。しかも対中空路と海路のすべてを閉鎖する、というものではなく「中国と韓国からの入国者全員に対して14日間、検疫所長が指定した場所での待機と、日本国内での公共交通機関の使用自粛を求める」と表明しただけだ。
 これでは完全な防疫体制とは言い難い。新型コロナウィルスの感染から平癒した者が再び陽性反応を示すことも報告されている。それが平癒したのではなく、体内の新型コロナウィルスの数が少なくなったために検査で「陰性」反応を示していたものが、退院後に新型コロナウィルスが増殖して「陽性」に転じたものなのか、未だ確定的でないではないか。

 さらに、マスクなどの感染症対策グッズの転売禁止にしても1973年の第1次石油危機を受けて制定された国民生活安定緊急措置法に基づき、マスクの転売行為を禁止する方針を表明した、という。それもこのブログで以前から何度も書きこんだものだ。国民生活安定緊急措置法に基づいて転売禁止措置を講じるのは初めてだが、特定の業者や個人がマスクを大量に買い占めて高額転売する行為を防ぐ狙いがあり、違反した場合には罰則を科す方針とするのは当然の措置だ。
 国民の「漠たる不安」に付け込んで金儲けを企む転売屋など断じて許してはならないが、国民の「漠たる不安」を掻き立てて「緊急事態法」を成立させようとする安倍自公政権の「行政府の独裁」の悪タクラミを許してはならない。緊急事態法が成立すれば国会決議を経ることなく、安倍氏お得意の「閣議決定」で何でも出来るようになる。

 イベントや集会がどんどん自粛されていく中で、フリーランスの芸人やオペラ歌手などが生活苦に追い込まれている。大相撲三月場所も無観客開催となれば相撲茶屋の関係者は生活の拠り所を失うことになる。
 そうした新型コロナウィルス騒動で多大な損失を被る職業の人たちに対して、政府はいかなる対策措置を取るのだろうか。イベントなどの開催自粛は「要請」したのであって、政府が「禁止」したのではないから「知らない」というのでは話にならない。「政府要請」は従わないで発生した感染拡大の責任はイベント開催者にある、と断定しているに等しい。

 何度でも書くが、対中空路や海路は今からでもすべて閉鎖すべきだ。米国では感染源から来ている留学生や労働者や長期滞在者などを帰国させようとする動きすらある。一体いつまで日本は中国や韓国の留学生に頼って私学経営しようとしているのだろうか。それらの私学にも多大な国民の税が使われていることを忘れてはならない。
 そして中国人労働者に頼る企業経営は「危険」だと経営者諸氏は認識すべきだ。中共政府はいつでも日本の打撃を与えるべき、と判断したら全中国人労働者を一斉に引き上げることだって出来ることを忘れてはならない。中国リスクを自ら抱え込む経営者は賢明とは言い難い。

 尊大にして恥知らずの中共政府の中国とお付き合いして良いことなど何もない。中国武漢発の新型コロナウィルス感染もいつの間にか「日本発の新型コロナウィルス感染禍」として中国の歴史書に書き込みかねない。果たして日本人の入国者に対して、中共政府は「14日間のホテルなどの滞在」を決めたではないか。本末転倒とはこのことだ。
 そうした事態に直面して、安倍氏が中国からの入国者に上記記事のような「対抗」措置を決めたようが、なぜ全面渡航禁止にしないのか。それにより生じる経済的損失が大きいから、というのなら、日本中に新型コロナウィルスが蔓延したことによる日本国民が被る経済損失のすべてを安倍自公政権が補填するというのだろうか。安倍氏の新型コロナウィルス対策は余りに遅く、余りに緩いものでしかない。これも「緊急事態法」へ繋げるための新型コロナウィルス感染拡大策の一環なのだろうか。

 もちろん日本が直面している新型コロナウィルス感染拡大は安倍自公政権による恣意的な感染拡大策により蔓延したものだ。検査をなるべくしたいないのも、感染拡大が国民に気付かれないようにするものだった、と解釈するしかないだろう。
 春節で中国人が大量入国するのをおざなりの体温感知器「防疫作戦」で許したのも、国内で新型コロナウィルス感染拡大するのを見越してのことだった、と解釈するしかないではないか。安倍氏の狙いは「緊急事態」により自身に向かっていた「桜を見る会」や恣意的な検察人事介入などによる「辞任圧力」を解消するつもりではないか。だから新型コロナウィルス感染拡大騒動を大きくする必要があったのだ解釈する以外に、ここ一月半の安倍政府の緩慢な対応を得心する途はない。

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