宣言するしないにかかわらず、社会の実態は緊急事態下にある。
<国会で、新型コロナウイルスをめぐる現状について、安倍首相は、自治体による外出自粛の指示などが可能となる「緊急事態宣言」を出すような状況ではない、との見解を示した。
政府は今後、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、重大な影響が出そうになった場合、「緊急事態宣言」を出して政府や自治体が、外出自粛の指示などの強い措置をとれるようにするため、『新型インフルエンザ等特別措置法』の改正を目指している。
こうした中、参議院予算委員会で野党議員は「すでに緊急事態ではないか」と安倍首相を追及した。
日本維新の会・松沢成文議員「世界的な蔓延、つまり、パンデミック宣言、もうせざるをえないっていうところまで来てるんですよ。緊急事態だということを、なぜ言えないんですか」
安倍首相「(現状は)緊急にさまざまな対応をしなければいけない事態ではありますが、法的に『緊急事態』であるかどうかということについては、感染のスピードが急速に拡大しているということではまだないわけでございまして」
安倍首相は、4日、立憲民主党など野党5党の代表らと個別に会談し、早期の法改正に向けて協力を求める方針>(以上「日テレニュース24」より引用)
新型コロナウィルスの感染拡大が緊急事態であることは全国の小・中・高を休校にしろと要請した時から明白ではないか。ただ緊急事態宣言を出すと、緊急事態を解除する宣言を出さない限り、東京オリンピックを開催することは出来ないことになる。
新型コロナウィルスの感染拡大下の緊急事態状態の日本でオリンピックを開催することは常識的に考えてあり得ない。そうすると、五月の早い時期に緊急事態解除宣言を出す必要が生じる。果たして新型コロナウィルスの感染がその頃までに終息しているのだろうか。
これまで新型コロナウィルスの感染患者が恢復して退院後に、再び陽性となることも多々ある。つまり罹患した患者に新型コロナウィルスの抗体が体内に形成されない可能性がある。これほど厄介なウィルスはない。
感染患者を徹底的に隔離して新型コロナウィルス感染の元を絶たなければ終息宣言が出せないことになる。一千万人規模の感染患者を出すインフルエンザでは一度罹った患者の体内にインフルエンザ・ウィルスに対する抗体が形成されるため、そのシーズンで再び感染することはまずない。だから蔓延期から衰退期へと感染患者総数がなだらかな山裾を形成して終息していく。しかし、新型コロナウィルスの場合は一度蔓延のピークを打っても、なだらかな山裾となって感染患者数が下降するのではなく、再び連山のようにピークへ向かって上昇し、そして下降する、という繰り返しになる可能性が高い。
だから安倍氏は「(現状は)緊急にさまざまな対応をしなければいけない事態ではありますが、法的に『緊急事態』であるかどうかということについては、感染のスピードが急速に拡大しているということではまだないわけでございまして」と発言して、緊急事態宣言に消極的なのだ。しかし「感染のスピードが急速に拡大しているということではまだないわけでございまして」というのは検査していないから「感染患者数」が少ないだけではないのか。
実態把握を避けているような政府・厚労省の対策には呆れ返るし、「早期検査、早期隔離」という感染症対策のイロハを無視した政府・厚労省の対応に批判の嵐を浴びせない日本のマスメディアにもウンザリだ。
ただ市中の店頭から消えた感染症対策グッズの買占めや転売を禁じる「特措法」をなぜ早急に制定しないのだろうか。かつてオイルショック時にトイレットペーパーの買占めがあった際に制定した「特措法」に手を加えて蘇らせれば良いだけだ。これほど時間がかかるのが理解できない。
そして政府によりマスクを買占めて北海道へ送る、というのも解せない。なぜ2009年の新インフルエンザ感染の際に備蓄した政府や地方自治体のマスクを放出しないのだろうか。野党の質問に対して「まだ使えるものかどうか調べてから対応する」と安倍氏は国会で返答していたが、備蓄したマスクの存在を官僚たちは政府に伝えてなかったようだ。国民がマスクを求めて右往左往しているのに、備蓄したマスクの情報を政府に伝えてなかったのは官僚たちによるマスクの隠匿だと批判されても仕方ないだろう。
緊急事態宣言を出せば要請だったイベントや集会の自粛が、一転して禁止となる。その影響は甚大だ。現状でも経済に対するマイナス効果はGDPの数%に及ぶだろう。それをさらに拡大させることは安倍自公政権の終わりを意味する。アホノミクスの実態が徹底して国民の知れ渡ることになる。
前年10月に実施した消費増税10%に対して、増税以上の「緩和措置」を取っていたが、結果は10-12月期のGDP年換算-6.3%という惨憺たるものだった。そこに降って湧いた新型コロナウィルス厄災だ。対中空路と海路のすべてを直ちに閉鎖しなかった安倍氏の判断は間違っていた。そして現在も対中空路と海路は一部を除いて開いたままだ。新鮮な「キャリア」が日本へ入国している現状で、緊急事態宣言をしたところで実効性は極めて薄い。そして緊急事態解除宣言が出せないまま夏を迎えて安倍氏も政権を放り出すしかなくなる、という未来予想図がアリアリと見える。安倍氏が躊躇する所以だろう。
果たしてどうするのか。全国の小・中・高を一律に休校にして、子供たちから教育の機会を奪った罪は決して軽くない。すべての物事に対する彼のおざなりにして誤魔化しの政治がついに詰むことになった。しかし国民が払った犠牲は余りに大きく、現在も新型コロナウィルス感染拡大は燎原に広がる野火のようにとどまることを知らないようだ。検査の機会が増えれば、感染拡大の実態がようやく判明することになる。
新型コロナウィルス感染に対する本格的な対策は、そこから始まる。
政府は今後、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、重大な影響が出そうになった場合、「緊急事態宣言」を出して政府や自治体が、外出自粛の指示などの強い措置をとれるようにするため、『新型インフルエンザ等特別措置法』の改正を目指している。
こうした中、参議院予算委員会で野党議員は「すでに緊急事態ではないか」と安倍首相を追及した。
日本維新の会・松沢成文議員「世界的な蔓延、つまり、パンデミック宣言、もうせざるをえないっていうところまで来てるんですよ。緊急事態だということを、なぜ言えないんですか」
安倍首相「(現状は)緊急にさまざまな対応をしなければいけない事態ではありますが、法的に『緊急事態』であるかどうかということについては、感染のスピードが急速に拡大しているということではまだないわけでございまして」
安倍首相は、4日、立憲民主党など野党5党の代表らと個別に会談し、早期の法改正に向けて協力を求める方針>(以上「日テレニュース24」より引用)
新型コロナウィルスの感染拡大が緊急事態であることは全国の小・中・高を休校にしろと要請した時から明白ではないか。ただ緊急事態宣言を出すと、緊急事態を解除する宣言を出さない限り、東京オリンピックを開催することは出来ないことになる。
新型コロナウィルスの感染拡大下の緊急事態状態の日本でオリンピックを開催することは常識的に考えてあり得ない。そうすると、五月の早い時期に緊急事態解除宣言を出す必要が生じる。果たして新型コロナウィルスの感染がその頃までに終息しているのだろうか。
これまで新型コロナウィルスの感染患者が恢復して退院後に、再び陽性となることも多々ある。つまり罹患した患者に新型コロナウィルスの抗体が体内に形成されない可能性がある。これほど厄介なウィルスはない。
感染患者を徹底的に隔離して新型コロナウィルス感染の元を絶たなければ終息宣言が出せないことになる。一千万人規模の感染患者を出すインフルエンザでは一度罹った患者の体内にインフルエンザ・ウィルスに対する抗体が形成されるため、そのシーズンで再び感染することはまずない。だから蔓延期から衰退期へと感染患者総数がなだらかな山裾を形成して終息していく。しかし、新型コロナウィルスの場合は一度蔓延のピークを打っても、なだらかな山裾となって感染患者数が下降するのではなく、再び連山のようにピークへ向かって上昇し、そして下降する、という繰り返しになる可能性が高い。
だから安倍氏は「(現状は)緊急にさまざまな対応をしなければいけない事態ではありますが、法的に『緊急事態』であるかどうかということについては、感染のスピードが急速に拡大しているということではまだないわけでございまして」と発言して、緊急事態宣言に消極的なのだ。しかし「感染のスピードが急速に拡大しているということではまだないわけでございまして」というのは検査していないから「感染患者数」が少ないだけではないのか。
実態把握を避けているような政府・厚労省の対策には呆れ返るし、「早期検査、早期隔離」という感染症対策のイロハを無視した政府・厚労省の対応に批判の嵐を浴びせない日本のマスメディアにもウンザリだ。
ただ市中の店頭から消えた感染症対策グッズの買占めや転売を禁じる「特措法」をなぜ早急に制定しないのだろうか。かつてオイルショック時にトイレットペーパーの買占めがあった際に制定した「特措法」に手を加えて蘇らせれば良いだけだ。これほど時間がかかるのが理解できない。
そして政府によりマスクを買占めて北海道へ送る、というのも解せない。なぜ2009年の新インフルエンザ感染の際に備蓄した政府や地方自治体のマスクを放出しないのだろうか。野党の質問に対して「まだ使えるものかどうか調べてから対応する」と安倍氏は国会で返答していたが、備蓄したマスクの存在を官僚たちは政府に伝えてなかったようだ。国民がマスクを求めて右往左往しているのに、備蓄したマスクの情報を政府に伝えてなかったのは官僚たちによるマスクの隠匿だと批判されても仕方ないだろう。
緊急事態宣言を出せば要請だったイベントや集会の自粛が、一転して禁止となる。その影響は甚大だ。現状でも経済に対するマイナス効果はGDPの数%に及ぶだろう。それをさらに拡大させることは安倍自公政権の終わりを意味する。アホノミクスの実態が徹底して国民の知れ渡ることになる。
前年10月に実施した消費増税10%に対して、増税以上の「緩和措置」を取っていたが、結果は10-12月期のGDP年換算-6.3%という惨憺たるものだった。そこに降って湧いた新型コロナウィルス厄災だ。対中空路と海路のすべてを直ちに閉鎖しなかった安倍氏の判断は間違っていた。そして現在も対中空路と海路は一部を除いて開いたままだ。新鮮な「キャリア」が日本へ入国している現状で、緊急事態宣言をしたところで実効性は極めて薄い。そして緊急事態解除宣言が出せないまま夏を迎えて安倍氏も政権を放り出すしかなくなる、という未来予想図がアリアリと見える。安倍氏が躊躇する所以だろう。
果たしてどうするのか。全国の小・中・高を一律に休校にして、子供たちから教育の機会を奪った罪は決して軽くない。すべての物事に対する彼のおざなりにして誤魔化しの政治がついに詰むことになった。しかし国民が払った犠牲は余りに大きく、現在も新型コロナウィルス感染拡大は燎原に広がる野火のようにとどまることを知らないようだ。検査の機会が増えれば、感染拡大の実態がようやく判明することになる。
新型コロナウィルス感染に対する本格的な対策は、そこから始まる。