幼保無料化では待機児童という不平等は決してなくならない。

<今年4月から認可保育所に入るために利用を申し込んだものの、1次選考で落選した人は全国の政令市など62自治体でおよそ4人に1人に上ったことが20日、共同通信の調査で分かった。落選者数は約6万人で、昨年同時期に比べて内定状況が悪化した自治体は4割超。昨年10月に始まった幼児教育・保育の無償化による影響もあり、対象となる3~5歳児の申込者数が増えたのは27自治体に上ることも判明した。

 2020年度末までに「待機児童ゼロ」の政府目標達成は、極めて難しい状況だ。
 調査は20の政令市や東京23区に加え、昨年4月時点の待機児童数が100人以上の計71市区町に実施した。>(以上「共同通信」より引用)



 待機児童の実態を共同通信が実施した20の政令市や東京23区に加え、昨年4月時点の待機児童数が100人以上の計71市区町に実施した調査でおよそ4人に1人に上ったことが明らかになった。そうなると私はこのブログで指摘していたはずだ。
 なぜなら今年四月から幼保無料化により、保育園へ子供を預ける親が殺到すると予測したからだ。なぜ幼稚園でないのか、それはこれまで保育料の方が高かったからだ。

 三歳児から幼保無料化は余り良くない政策だと批判してきた。それは保育園に子供を預けられた親は幼保無料化の恩恵に与ることが出来るが、待機児童つなった子を持つ親は幼保無料化の恩恵に与れない、という不平等をもたらすからだ。
 なぜ子供手当の増額をして、子供を保育園に預けようが家庭で子育てしようが、その選択は各家庭に任せる、という制度にしなかったのか。それは幼保無料化なら文科省なり厚労省なりの予算が増え、従って官僚の権限が増すが、子供手当の増額なら直接各家庭へ給付されるため官僚の権限拡大に全く役立たないからだ。

 官僚たちは差配する予算規模に権限が比例する、と捉える。だから財務官僚は税金を重くすれば自分たちの各省庁へ予算配分する権限が増大する=良いことだ、と考える。つまり省庁権限が優先され、国民に対して「公正・公平」という行政本来の基本原理が無視されることになっている。
 幼保無料化は幼稚園や保育園のない離島や山間僻地に暮らす子育て世代の者には全く何も恩恵をもたらさない。若者たちが都会を目指すベクトルとして働く施策だ。そして保育園に子供を預けられた親と預けられなかった親との間に格差をもたらす。

 幼保無料化は子育ての実態を知らない官僚や政治家たちが考えた制度と批判するしかない。そして幼稚園や保育園は決して無料で成り立つものではなく、経営者だけでなく保育に携わる者の苦労があって成り立つものだ、という感謝の念を忘れさせるものでもある。
 幼保無料化に要した予算を子育て世代の親に等しく分けて、幼保無料化を廃して子供手当の増額にすべきだ。そうすれば増額になった子供手当で子供を家庭で育てる選択をする親も増えるだろう。幼稚園より保育園の方が高いのは給食があるのと保育時間が長いことなどから当たり前だ。一律無料化という政策そのものが矛盾している。

 これもまたアホノミクス政治の結果だ。

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