常識的に、三十年を超える「公有水面埋立許可」の延期は「無効」ではないか。

中国電力が計画する上関原発(山口県上関町)建設を巡り、海の埋め立て免許延長の判断を留保し不要な人件費や事務関連費を支出させたとして、村岡嗣政知事らに損害賠償請求するよう住民が県に求めた訴訟の控訴審で広島高裁(森一岳裁判長)は22日、延長判断先送りを違法とした一審判決を取り消し、住民側の請求を退けた。
 判決によると、山口県は中国電が2012年10月に申請した免許延長について判断を先送りし、16年8月に延長を許可した。一審山口地裁判決は、合理的な期間内に判断せず先送りは違法とし、中国電に補足説明を求めた文書の郵送費計240円を請求するよう県に命じた>(以上「佐賀新聞」より引用)



 中国電力が計画する上関原発(山口県上関町)建設を巡り、海の埋め立て免許延長の判断を留保し不要な人件費や事務関連費を支出させたとして、村岡嗣政知事らに損害賠償請求するよう住民が県に求めた訴訟の控訴審で広島高裁(森一岳裁判長)は22日、延長判断先送りを違法とした一審判決を取り消し、住民側の請求を退けた、という。
 原発が現在の日本に必要か、という論点からでなくとも、広島高裁の「延長判断先送りを違法とした一審判決を取り消し、住民側の請求を退ける」という判決は頂けない。

 たとえば農地法による「農転申請」を出したとする。農地を雑種地か宅地として販売するには農地から他の地目への転用が必要とされているからだ。そして「農転許可」がでたとする。もちろん「農転申請」には農地を他の目的の土地として使用するための工事や工期が記載されている。そのため事情により申請書に記載した期間内に工事が終わらない場合は「延長申請」を行うことになる。
 ただ延長申請が闇雲にダラダラと延長を認められるものではない。しかし中国電力の公有水面埋め立て事業の「許可」から延々と事業は延長されている。実に三十年に及ぶ。これほどダラダラと延長が認められるのは「異例」だ。まさか国策だから裁判官が国を忖度しているのではないだろう。

 憲法規定で日本は三権分立だとされている。裁判官は法に順守して判決を下すべきだ。三十年も延期されている「公有水面埋め立て事業」の「許可」が有効だと思っているとしたら、裁判官の頭は見事に腐っている。殺人事件でも延長されたとしても時効は25年だ。
 公有水面埋め立て事業の「許可」の有効期限はとっくに過ぎているのではないか。むしろ裁判官は職権で「工事期間の延期により許可取り消し」を宣言してもおかしくない。それを「延長判断先送りを違法とした一審判決を取り消し、住民側の請求を退ける」とはいかなる判断からなのか、裁判官の見識を伺いたい。

 純粋に「埋立許可」に対する「工事延期」が延々と三十年以上も続いていることに対する判断が「有効」だというのは笑い話にもならない。私は「原発建設」としての埋め立て事業に限定して批判しているのではない。「原発建設」も含めた一般的な論理として、「公有水面埋立許可」を実行しないで三十年以上も延期したことに対する工事施工主の責任は一切問われない、というのは如何なものだろうか、と疑義を述べているだけだ。
 もちろん原発は反対だし、新規建設など以ての外だ。むしろ廃炉と放射性廃棄物の最終処理に全力を注ぐべきだと思っている。しかし、そうした立場を度外視しても、殺人犯人の時効を越えて延々と工事延期が「有効」だとする裁判官の余りの非常識に慨嘆するしかない。

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