年金などの社会保障費は消費税で充分に手当てできているはずではないか。

厚生労働省は、いまは別々に管理している国民年金と厚生年金の積立金の統合を検討している。相対的に財政が安定している厚生年金の積立金を活用し、将来の年金水準が大きく下がる国民年金の底上げを図るのが狙い。ただ、制度の独立性に関わるため丁寧な議論が必要で、2025年の国会への法案提出を目指す。

 政府は来年の通常国会に、厚生年金のパートらへの適用拡大などの年金改革法案を提出する方針。成立後の来年夏以降、積立金の統合について、厚労省は社会保障審議会(厚労相の諮問機関)で具体的な検討を始める予定だ。

 公的年金は、1階部分が国民年金(基礎年金)、2階部分が厚生年金になっている。財政管理は別々で、それぞれ保険料収入の一部を積立金にして、将来の年金支給に備えている。17年度末の国民年金の加入者は約1505万人で、18年度末時点の積立金は約9兆円(時価ベース)。一方、厚生年金は約4358万人で約157兆円だ>(以上「朝日新聞」より引用)


 厚生労働省は、いまは別々に管理している国民年金と厚生年金の積立金の統合を検討している、という。相対的に財政が安定している厚生年金の積立金を活用し、将来の年金水準が大きく下がる国民年金の底上げを図るのが狙いだそうだ。
 ただ「積立金」の統合だけで、制度そのものの統合はしないようだ。現在、国が説明している公的年金は1階部分が国民年金(基礎年金)、2階部分が厚生年金としている。しかし、そんなのは「説明している」だけで、誰も一階が国民年金で成り立っていると目撃した者はいない。

 つまり官僚たちの頭の中の考え方だけで「一階は国民年金」で「二階が厚生年金」になっているだけだ。その方が官僚=公務員に都合が良いからそう説明しているだけだ。
 そもそも社会保障たる公的年金に格差があることが間違いだ。社会保障の大原則は「負担は応能で支給は一律」というもののはずだ。現役時代の職により年金に大きな格差がある、というのは社会保障たる年金制度が間違っているからだ。

 現役時代が高額所得者だった者は多くの年金保険料を負担したから年金も多く頂戴できて当然だ、というのは間違っている。それなら医療保険を多く支払っている者は入院時に個室へ入って「当然」ではないか。
 しかし厚生年金の納付保険料の金額によって支給される年金額に格差がある、というのが「正しい」とするなら、国民年金も一律納付でなく、階級を設定して一号なら納付金は月額五千円で年金支給額も月額三万円だ、八号なら納付金は三万円だが年金支給額は月額20万円だ、と選択の余地があるのならまだしも、国民年金加入者には一律納付金を定めて支給金額も生活保護費以下でしかない、というのは余りに酷くはないだろうか。

 すべての年金制度は一元化すべきで、そうすればややこしい年金制度がスッキリして、職員削減に繋がるだろうし、年金説明書類作成費も格段に削減できるだろう。そうした合理化こそ推進すべきで、基金だけ一元化して年金会計破綻を先送りするだけ、という姑息な政策は決して良くない。
 既に福祉目的とされている消費税は10%になった。社会保障財源は十分に手当てできているはずだ。それが「ない」というのなら、社会保障目的と説明していた消費税は何処へ消えているのか、政治家は国民に納得のいく説明をすべきだ。コソコソと誤魔化して、富裕層への減税や法人減税の補填で消えた、というのなら、それらを元に戻して消費税を廃止すべきだ。

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