経産省は高度経済成長を主導した気概を取り戻せ。

パナソニックが60年以上も続けてきた半導体事業から撤退することになった。半導体はかつて「産業のコメ」と呼ばれ、日本の経済成長を支えてきた。だが韓国や米国の企業に追い抜かれ、日本勢は苦境が続く。
 パナソニック(当時は松下電器産業)はオランダのフィリップスと合弁会社を設立し、1957年に半導体の生産を始めた。家電を制御する基幹部品を自社で手がけるためで、松下製のテレビやビデオが世界に広まるにつれ、半導体の生産も増やしてきた。80年代後半には半導体メーカーで世界トップ10に入った。
 当時は、日立製作所や東芝、NECといった電機メーカーがこぞって事業を広げた。日本勢が世界シェアの半分を握り、「半導体立国」の座を築き上げた>(以上「朝日新聞」より引用)


 「産業のコメ」と呼ばれた半導体事業からパナソニックが撤退するという。かつて世界市場の1/2を制覇していた日本製半導体は米国を中心とする「プラザ合意」圧力に屈して生産拠点を韓国や台湾に移して以来、製造技術を奪われ技術者を奪われて衰退の一途を辿っている。
 しかし「産業のコメ」を日本国内で生産しなくなって本当に良いのだろうか。オールジャパンを掲げて政府肝煎の半導体製造を続けていたが、2012年2月にエルピーダメモリが事業再生法を申請。2013年2月にはルネサスエレクトロニクスが産業革新機構の資金受け入れを決定するなど、「日の丸半導体」と呼ばれた2社は事業再生に追い込まれている。

 確かに半導体市場は「シリコンサイクル」と呼ばれ、数年に一度の上げ基調と下げ基調を繰り返す。そのため、設備投資リスクと在庫リスクがきわめて大きい業界の一つだ。こうした中、資金力の弱いメーカーは設備投資競争に敗れ、巨大な企業に統合されるケースが増えている。
 そうした現実を踏まえた上でも、日本企業が半導体製造から撤退するのには危機感を覚えざるを得ない。儲からないから撤退する、というのは企業経営者としては当然の判断なのだろうが、「産業」のコメを生産しなくなる日本は果たして今後の情報産業界で確かな地歩を維持していけるのだろうか。衰退著しい日本経済と同様に情報産業でも世界から後れを取りつつある現状に政府は危機感を覚えないのだろうか。

 経産省は何をしているのだろうか。日本市場のグローバル化に躍起になって日米貿易協議を推進しているが、日本の未来に明かりを灯し続けるには「産業のコメ」の生産から日本企業が撤退する方こそ重大視すべきではないか。
 「シリコンサイクル」に置き去りにされる日本のモノ造りは根幹の部分で空洞化しているといえる。日本は米国を中心とする勢力によって解体され、弱体化されている。もうかつての高度成長を再現せよとは言わないが、せめて世界水準の3.3%程度の成長に日本経済を復活させなければならない。かつて高度成長を主導した経産省はそうした決意を持つべきだ。グローバル化を推進して日本企業を無国籍化するのは亡国政策に他ならない。

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