世論誘導の道具と化したか、世論調査。
<毎日新聞は14、15両日に全国世論調査を実施した。安倍晋三首相が11日に行った内閣改造・自民党役員人事で、政権の骨格として麻生太郎副総理と菅義偉官房長官、二階俊博党幹事長を留任させた人事について「評価する」は42%、「評価しない」は45%で見方が割れた。小泉進次郎衆院議員を環境相に起用したことを「評価する」は64%で、「評価しない」の23%を大きく上回った。内閣支持率は50%。6月に行った前回調査の40%から10ポイント上昇した。
安倍内閣を「支持しない」は28%で6月調査(37%)から9ポイント減。小泉氏の起用については「支持政党はない」とする無党派層でも「評価する」が59%にのぼり、政権浮揚につながった可能性がある。調査方法が異なるため単純に比較できないが、内閣支持率が5割以上になったのは2017年4月調査以来となった。
女性閣僚は1人から2人に増えたが、「女性の閣僚を増やした方がよい」は71%と多数を占め、「女性の閣僚を増やさなくてよい」は14%にとどまった。内閣支持層でも「増やした方がよい」は71%にのぼった。主な政党の支持率は、自民党34%▽立憲民主党8%▽日本維新の会5%▽公明党5%▽共産党2%▽れいわ新選組2%――など。無党派層は36%。【平林由梨】
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調査の方法 14、15日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った固定電話と携帯電話の番号に調査員が電話をかけるRDS法で調査した。固定では、福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号を除いた。固定は18歳以上の有権者のいる861世帯から487人の回答を得た。回答率57%。携帯は18歳以上につながった番号586件から495人の回答を得た。回答率84%>(以上「毎日新聞」より引用)
何度もこのブログで電話世論調査の「生テープ」をネットにアップしろ、と要求している。なぜなら日本国民がこれほど簡単に世論操作に誘導されるほど思考停止の国民だと思わないからだ。
日本国民に文盲は殆どいない。言語理解の出来ない国民もまずいない。誰もが自由に思考できるし、他人からの不利益な強制を黙って受け容れることもないはずだ。
しかし政治に関する世論調査では全く異なる顔を日本国民は見せる。消費増税、という福祉目的というオオカミ少年の叫びを何度も聞いたはずなのに、またも消費増税を容認する国民が多数派だという。
内・外政とも禄でもない「結果」しか出していない安倍自公政権を依然として支持する、という民主国家としてあり得ない硬直的に妄信する安倍自公政権支持者が日本に大勢いるという世論調査結果が全く信じられない。公明党は創価学会というフランスではカルト認定された宗教団体の政治部だから妄信的なのは理解できる。かつて「福祉と平和の党」と看板を上げていた公明党が「戦争法」に賛成し「共謀罪」に賛成し、「年金減額」に賛成するのも頷ける。宗教とは各自の好奇心や思考を停止して「鰯の頭も信心から」と妄信するところから始まるからだ。
しかし自民党は違うはずだ。かつて日本が共産化するのを防ぐためにGHQの肝煎で経済界が音頭を取って結成した歴史を持つが、民主主義を大看板に掲げる政党だ。ただし、実質的に支配しているのは国民会議や統一教会という「宗教団体」であることは多くの国民が理解している。
もちろん日本のマスメディアもGHQが支配して来たし、今も米国のジャパンハンドラーたちの日本支配の道具の一つになっている。彼らは記者クラブに属して、同一歩調の報道に専念している。まさしく権力者たちに飼われたマスメディアというべきだ。
しかし世論調査という名を騙って国民世論を誘導してはならない。いや、世論誘導の道具に世論調査を利用していない、というのなら、なぜ電話世論調査の生テープをすべてネットにアップしないのだろうか。
この初夏のある昼下がり、私の家に掛かって来た電話を私が取ったところ、テープで「××世論調査です」と聞き取りにくかったため、聞き返そうとしたがテープは質問に移り「全部で六項目の質問をします」といい「「はい」なら1を、「いいえ」なら2を押して下さい」と命じた。
最初の質問が「安倍内閣を支持しますか」だったから「2」を押すと電話は切れた。これは私が経験した事実だ。電話世論調査は信用ならない、と私が確信している理由はこの経験からだ。
消費増税して社会保障が改善されたかというと結果は反対だ。年金は却って減額されたし生活保護基準も引き下げられた。それでも同じ「社会保障のため」という名目で消費増税させるのに過半数の国民が賛成するとは考えられない。日本国民とはこれほど愚かだっただろうか。
しかも消費税が経済をデフレ化させる「悪税」だということは明らかだ。高校の社会科程度の知識があれば国民の誰もが理解出来るはずだ。御用評論家たちが国債発行残が1000兆円を超えればハイパーインフレが起きる、と財政規律を煽っていたが、現実に1000兆円かを超えても日本は世界で恥ず少ないマイナス金利国だ。つまりハイパーインフレどころか安倍政権発足時に安倍氏が「二年後二%」と言っていたインフレ政治目標は七年を迎えても未だに一度も達成できていない。安倍政治は全くのデタラメの大失敗だったことは結果に出ている。「政治は結果だ」と民主党政権を批判した安倍氏は自らの言葉に赤面して退陣すべきだが、未だに大きな顔をして居座っている。
日本国民はそれでも安倍政権を支持するしか選択肢はないと思っているのだろうか。それほど日本国民は愚かなのだろうか。まったくマスメディアが発表する世論調査は信用ならない。