日米貿易協議結果は本当に「ウィンウィン」なのか。

<安倍晋三首相は25日昼(日本時間26日未明)、米ニューヨークでトランプ米大統領と会談して日米貿易協定締結で最終合意し、文書に署名する。日本は自動車への追加関税や数量規制の発動を避けることを最優先して決着を図る。主食用コメの分野では米側の譲歩を引き出したものの、日本の工業製品にとっての利点は限定的となりそうだ。1年にわたった貿易交渉は日本が多くの分野で譲る格好となった。
 国内手続きを経て年内にも発効する条件が整う。2019年度内に発効した場合、米国産牛肉にかかる現在38.5%の関税を直ちに26.6%に下げる>(以上「共同通信」より引用)


 上記記事だけでは日米貿易交渉の中身が何のことだかさっぱり判らない。安倍氏は記者団の前で「ウィンウィンの妥結だ」とニヤケたそうだが、自動車のためだけに日本の食糧安全保障を犠牲にしたのではないかと疑われる。
 安倍氏にとって自動車輸出こそが最重要で、農産業はどうでも良いのだろう。米国産牛肉が38.5%から、直ちに26.6%に下げられ暫時9%までに下げられる、という。それでは国内畜産は壊滅的な影響を被るだろう。

 さらに「主食用コメの分野では米側の譲歩を引き出したものの、日本の工業製品にとっての利点は限定的となりそうだ。1年にわたった貿易交渉は日本が多くの分野で譲る格好となった」と共同通信は伝えている。
 膨大で多義にわたる日米貿易関係協議の仔細は何も報じられてないから、報じられた範囲でしか論評できないが、とても「ウィンウィンの妥結だ」とニヤケられるようなものではないだろう。日本は自動車への追加関税や数量規制の発動を避けることを最優先して決着を図る、というが、国会で承認手続きを審議する前に、マスメディアは協議の仔細を国民に知らしめて欲しいものだ。

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