新卒尊重主義を打破しよう。

<バブル崩壊後の1993~2004年ごろに大学や高校を卒業し、不況に直面した「就職氷河期世代」を対象として兵庫県宝塚市が正規職員(3人程度)を募集したところ、全国から1816人が応募、倍率が600倍を超えた。市は応募を最大で500人と想定、9月22日実施の1次試験(筆記)の会場を3カ所確保していたが、10カ所に増やして対応する。

 市は7月、不況で正規雇用の道が閉ざされ、現在も非正規で働く人が多い36~45歳(20年3月末現在)に安定した働き場所を提供しようと、今後3年間、新卒や社会人採用とは別に、事務職として高卒以上の3人程度を採用する方針を発表。今月19日に募集を始めたところ、北海道から沖縄県まで郵送や持参による応募が殺到した。2次、3次試験で面接などを実施した後、20年1月1日付で採用する。

 政府は6月、就職氷河期世代への支援策を作り、正規雇用を3年間で30万人増やす目標を設定したが、行政による直接雇用は含まれていない。中川智子市長は「今も不安定な生活をする就職氷河期世代への支援が必要だと改めて実感した。ただ、宝塚の取り組みだけでは足りない。同じ取り組みが国や他の自治体に広がってほしい」と話した>(以上「毎日新聞」より引用)


 「就職氷河期世代」を対象として兵庫県宝塚市が正規職員(3人程度)を募集したところ、全国から1816人が応募した、という。中川智子市長は「今も不安定な生活をする就職氷河期世代への支援が必要だと改めて実感したそうだが、今回応募した人たちが正規社員として就労していない人とは書かれていない。
 問題なのは満足な職を得る機会を失って、非正規として不安定な暮らしを送っている人たちや、心に染まない職しかなかったため引籠ってしまった人たちを、いかにして社会へ参加させ社会を担う一因にするかということではないだろうか。

 日本には15才から39才までの引籠り・ニートが60万人いるといわれている。それだけではない、40才から60才までの中・高齢の引籠り・ニートが更に50~60まんにんいるといわれている。
 非正規で働く人たちの正規化も大問題だが、引籠りやニートなど約120万人を社会参加させるか、という方が喫緊の大問題だ。なぜなら彼らは親の所得や年金に寄生して生活しているわけで、親が経済力を失ったり親が死亡していなくなったりした場合に個々人の問題として顕在化する。

 ここ数日、各地で親の死去を隠して死体と同居していた息子たちが相次いで逮捕された。今後はそうした逮捕報道が毎日のように報道される事態に日本は陥るかも知れない。
 年老いた親を子が「扶養せよ」という時代でないことは理解しているが、かつて社会保障が今日のように整備される以前は子が年老いた親を扶養していた。しかし現代は反対になっている。なぜこうした社会になってしまったのだろうか。

 新卒尊重主義の日本の雇用制度をまず廃止すべきだろう。新卒以外でもキャリアを積んで自己研鑽した人材を企業が正規社員として迎える雇用制度を一般化する必要がある。
 そのためには野放図に緩和して来た「派遣業法」を再び厳しく規制する方向へ向かわせなければならない。そして外国人労働者を雇用するために補助金を出すくらいなら、日本国民が能力を高めようと努力する人たちにこそ補助・支援を行うべきだ。

 僅か3人とはいえ、兵庫県宝塚市の就職氷河期に卒業した人たちを対象とした「正規職員採用」は画期的だ。こうした動きが就職氷河期だけでなく、すべての世代の人たちに対して随時行われるような社会に日本を変えなければならない。そのための就労支援を政府は積極的に行うべきだ。引籠りやニートを社会保障で生活保護するよりも、就労支援して自立した社会人にする方が良いのは論を俟たない。外国人労働者を安易に移民させるよりも、国内の就労していない引籠りやニート問題にこそ真剣に取り組むべきだ。

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