日ロ平和条約締結は北方領土四島返還後の話だ。

<ロシアのラブロフ外相は15日、日ロの平和条約交渉について、「行き詰まっているとは思わない」と述べた。また、「第2次大戦の結果を認めようとしない日本側の意思が条約の締結を妨げている」と話し、交渉の進展は日本側の対応次第との見方を示した。

 同日、モスクワ郊外で開かれた若者との交流イベントで話した。ラブロフ氏は、北方領土の歯舞群島と色丹島の引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言について、「ロシアは旧ソ連が負った全ての義務を履行する用意がある」と指摘。安倍晋三首相とプーチン大統領の指示に基づき、対話を継続する考えを示した>(以上「朝日新聞」より引用)


 ラブロフ氏は、北方領土の歯舞群島と色丹島の引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言について、「ロシアは旧ソ連が負った全ての義務を履行する用意がある」と指摘したという。しかし同時に「第2次大戦の結果を認めようとしない日本側の意思が条約の締結を妨げている」と話したそうだ。
 好いとこ取りをしようとするロシアのラブロフ外相の発言は了承し難いものだ。ロシア(旧ソ連)軍が日本の北方領土へ侵攻したのは日本がポツダム宣言を受諾した8月15日以後のことだ。つまり北方領土へロシアはポツダム宣言に基づき日本軍が武装解除した北方領土へ進駐軍として北方四島へ進駐したに過ぎない。

 しかし不法にもロシアは北方領土の武装解除した日本軍の将兵までもシベリアへ抑留した。そして奴隷さながらに使役し多くの将兵の命を奪った。これほど明らかな戦争犯罪はない。
 だからかつての日本政府が何と言おうと、日本は対ロ戦後処理のために北方四島に「進駐」しているロシア軍のすべての撤兵とロシア人のすべての引き揚げを要求する。それなくして平和条約の締結も経済援助も日ロ友好関係の促進もあり得ない。

 ラブロフ外相が「安倍晋三首相とプーチン大統領の指示に基づき、対話を継続する考えを示した」というのは歓迎するが、それ以前の発言趣旨には全く賛同できない。ロシアは対日外交の改善を望むなら、北方四島を対日「戦争」の戦利品」だと主張する妄言の撤回から始めるべきだ。
 前提が間違っていれば結果は何処まで行っても間違ったものにしかならない。何度も確認するが、ロシアは「日ソ不可侵条約」を一方的に破棄して終戦間際の戦争遂行能力が極端に低下した日本軍に襲い掛かって旧・満州を席巻した。それは火事場泥棒に等しい蛮行で、ロシア政府がロシア国民に教え込んでいる「誇りある戦勝」とは大きく乖離した略奪でしかない。

 北方四島へ進出したロシア軍は一発の銃弾も放つことなく、ポツダム宣言に基づき「無条件武装解除」した日本の領土へ「進駐」したに過ぎない。ただポツダム宣言を認めれば「進駐軍」になるため、ロシアは未だにポツダム宣言にサインしていない。
 しかしポツダム宣言を起草した「連合国」の会議に旧ソ連のスターリンは出席していた。日本とポツダム宣言という国際条約の締結を拒否したロシアは当然のようにポツダム宣言と対になる、日本の独立を約したサンフランシスコ条約へのサインも行っていない。いや、行っていないというよりも「出来なかった」というべきだ。

 だから日ロ間に「平和条約」が未だに締結されてない。それはサンフランシスコ条約にロシア(旧・ソ連)がサインできなかったことに起因している。ロシアが「終戦」を約したポツダム宣言にサインしていれば、当然のことながら日本の戦争終結1945年日8月15日をロシアがポツダム宣言締結文で確認することになり、北方四島に侵攻したのが8月15日の後で「進駐」だったと認めることになるからだ。
 そうした時系列の検証もなく、ただただ「第2次大戦の結果を認めようとしない日本側の意思が(日ロ平和)条約の締結を妨げている」との発言を繰り返すロシアこそが「歴史修正主義」と批判されるべきだ。どこまでも日本政府と日本国民は北方四島即時返還をブレることなく要求すべきだ。

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