マレーシアの消費税撤廃に日本も続け。

消費税廃止のモデルケースがマレーシアだ。マハティール首相は、昨年5月の選挙で史上初めての政権交代を果たす。その目玉公約が、日本の消費税にあたる物品・サービス税(GST)の廃止で、公約通り同年6月1日から税率を6%から0%にしている。

 財源の穴埋めで、同年9月から売上税・サービス税(SST)を復活。GSTの税収はSSTの2・5倍もあり、税収不足は避けられず、財政赤字が拡大するリスクがあるだろう。

 それでもマハティール首相が強気に消費税廃止に踏み切ったのは、好調な経済を維持するため。マレーシア中央銀行は、今年の経済成長率予測を4・3~4・8%と発表。個人消費や民間投資が旺盛で、昨年マイナス成長だった農業と鉱業がプラス成長に。
 好調な経済を受けて海外からの投資も右肩上がり。マレーシア投資開発庁によれば、昨年の製造業の外国投資認可額は対前年比約2・7倍の約1兆6000億円に急増している。強い追い風に乗ってマハティール首相はGDP6%成長を見込む。それが財政問題をカバーしつつ、消費税廃止に踏み切った要因だ。


■英国、カナダでは引き下げも

 消費税の税率を下げたケースなら、先進国にもある。たとえば、英国はリーマン・ショック直後の2008年12月、付加価値税率を17・5%から15%に引き下げている。急ブレーキがかかった景気の立て直しが狙いで、景気回復を達成すると、10年1月に17・5%に戻している(現在は20%)。

 カナダもしかりだ。付加価値税の税率は7%でスタートしたが、財政健全化を達成すると、08年には5%に減税している。カナダは、アルバータ州での石油採掘が本格化。潤沢なオイルマネーが、税率ダウンに大きく貢献したのは間違いない。消費税を廃止したマレーシアも、財源の穴埋めの有力手段として国営石油会社からのロイヤルティーに期待を寄せる。
 こうして見ると、消費減税はマユツバのテーマでないことが分かるだろう。では、日本では可能なのか。独協大経済学部教授の森永卓郎氏が言う。

「参院選の結果を見ると、次の総選挙から消費減税が大きなテーマになるでしょう。減税分の補填は赤字国債の発行でカバーします。金利はマイナスで、昨年の物価上昇率は0・8%。この状況なら、100兆円規模でもデフォルトのリスクは少ないですから」
 安倍首相は、消費税を引き上げる理由のひとつとして社会保障の充実を掲げるが、詭弁だろう。社会保障の財源は、6割が社会保険料だ。議論を税金にすり替えるのはおかしい。マレーシアの歴史的な英断は、決して奇跡ではないのだ>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)


 マレーシアはマハティール氏が公約通り、今年六月から消費税撤廃に踏み切った。その後のマレーシアの関する報道が、なぜか日本のマスメディアに登場しなかった。やっと「日刊ゲンダイ」が上記引用記事にある通り掲載した。
 そこではマレーシアのことのみならず、消費税減税に踏み切った英国やカナダのことまで報じられている。なぜ参議院選前にこうした消費税に関する真摯な記事がマスメディアに登場しなかったのだろうか。

 れいわ新撰組代表の山本太郎氏が消費税撤廃を参議院選で訴えた。もちろん私は総需要不足解消と日本の経済成長のために必要な措置だとして、山本太郎氏の消費税撤廃に賛同した。
 しかしスシローを始めとする安倍御用評論家たちは消費増税にあえて言及しなかった。彼らも「消費税を増税するのはマズイ」と気付いているのだろう。少なくとも経済学に造詣のある者なら消費税ほどデフレ化をもたらす税はない、という経済学の常識くらいは理解しているはずだ。

 しかし、そうした学識を有する財務官僚たちが消費増税に躍起となっているとしたら、彼らは間違いなく日本を衰亡させる意図を持って政治家とマスメディアを誘導している。財務官僚たちは決して日本の国家と国民のために働いていない。彼らは日本以外の利益のために働いといるとしか思えない。
 だから財務官僚の操り人形と化した安倍氏や麻生氏たちも日本以外の利益のために働いているとしか思えない。間違いなく、安倍自公政権六年有余の間に日本は衰退した。国民も間違いなく貧困化した。

 日刊ゲンダイは上記引用記事の通り英国の消費減税を報じたが「現在は20%に戻している」と報じて、食料品に関しては5%軽減税率が適用されていることに言及していない。なぜ大事な点をスルーして報じないのだろうか。
 現行のすべての消費に8%の税を課す日本の消費税が欧州各国の消費税よりも「負担が軽い」といえるのだろうか。貧困層に配慮を欠く税制だとの批判が出ないのはなぜだろうか。全く日本のマスメディアは腐り切っている。消費税廃止を公約とした山本太郎氏の英断を支持する。

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