ホルムズ海峡の航行の自由を守る責任は誰にあるのか。

日本を訪問しているボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は22日、河野太郎外相や岩屋毅防衛相らと相次いで会談した。イランや北朝鮮など地域情勢をめぐって意見交換した。日本側の説明によると、ホルムズ海峡を航行する民間船舶の安全確保をめざして米国が同盟国に協力を呼びかけている有志連合などを巡って協議した>(以上「日経新聞」より引用)


 参議院選が終了するや、さっそく戦争屋の米国がホルムズ海峡「有志連合」への日本参加を打診してきた。ホルムズ海峡を航行する民間船舶の安全確保をめざして米国が同盟国に協力を呼びかけている。ホルムズ海峡を「紛争の海峡」に劇変させた張本人が「奉加帳」を回しているのだから世話はない。
 現在、米国は中東石油に依存していない。一日の消費量2000万バレルの内の僅か50万バレルほどを「お付き合い」で購入しているだけだ。いや世界最大の石油産出国は米国だ。ただ消費量も膨大だから輸入せざるを得ない。日本の省エネ技術を移植すれば、米国は純産出国になる。

 だから米国はホルムズ海峡がどうなろうと知ったことではない。ただ盟友国のサウジアラビアが石油輸出が阻止されれば忽ち国情が不安定化して政治状況がおかしくなる。そうすれば中東の勢力バランスが崩れるため、米国は一気に手をひけないだけだ。
 それで考え付いたのが「中東石油に依存している各国が、自分の国のタンカーは自分で守れ」という一見当たり前のような理屈だ。しかしそれなら世界中に世界各国は自前の防衛艦船を出さなければならなくなる。当然、艦船は丸腰ではなく各種ミサイルなどの装備を積載する必要がある。

 つまり紛争は世界各国の軍産共同体のメシの種だ。とりわけ米国の軍産共同体にとって、米国本土に影響のない程度の戦争や紛争は必要不可欠だ。他の製造業をグローバル化で世界へばら撒いてしまった米国は米国労働者を養うために軍産共同体の兵器産業こそが最後の砦だ。
 米国は必死だ。「有志連合」に日本が自衛隊を出さない選択肢は隷米安倍自公政権にはない。だから参議院選挙の終了を待って、直ちにボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が駆け付けたのだ。

 この伝でいけば、自衛隊は艦船をマラッカ海峡や南シナ海にも派遣しなければならなくなる。世界中で自国の船を自国の海軍で守る、ということになれば国連は何のために存在するのか。こんなバカげた理屈に振り回されてはならない。
 イランがホルムズ海峡を封鎖することはあり得ない。なぜなら石油輸出はイランにとっても生命線だからだ。イランの宗教指導者たちが暖衣飽食するためにホルムズ海峡は自由航行の海でなければならない。サウジアラビアもまた同じだ。両国が反目していても、両国とも同じイスラム教の国であることを忘れてはならない。彼らは小異を捨てればいつでも握手できる関係にある。

 ホルムズ海峡の不安定化は米国トランプ大統領が軍産共同体の和う制に従って起こしたものだ。その動きに直ちに英国が応じてタンカーの拿捕ゴッコを演じている。そうした紛争屋の口車に日本は乗ってはならない。ホルムズ海峡であろうと何処であろうと、航行の自由は世界標準でなければならない。それを担保する責任は戦勝国クラブの「常任理事国」として大きな顔をしている五ヶ国にある。

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