明日の政治を国民の手に取り戻そう。

政府と日本銀行の軋轢が深まっている。
 安倍晋三首相が610日、参議院決算委員会での答弁で「金融政策は目的をすでに達成している」と発言。アベノミクスの原動力ともなっていた、日銀の金融緩和政策の必要性を、ここにきて首相自らが否定する見解を示した。
 これに対して、日銀内部では、「まったく想定していなかった発言」「日銀が進める金融緩和政策に対して、政府が梯子を外した」「安倍首相は本気でデフレ経済からの脱却を目指しているのか」などの声が上がった。
 安倍会首相の発言は国民民主党所属の大塚耕平議員への答弁で、「日本銀行の2%の物価安定目標は一応の目的だが、本当の目的は雇用に働きかけ、完全雇用を目指していくこと。その意味で、金融政策は目標をすでに達成している」とした。
 周知のとおり、そもそも、201212月に発足した第2次安倍政権で経済政策「アベノミクス」を打ち出し、金融政策・財政政策・成長戦略の「3本の矢」を政策の柱として、2%の物価安定目標に強力な金融緩和政策を行うように日銀に要請したのは、ほかならぬ安倍首相だった。
 強力な金融緩和政策を実施するために、黒田東彦氏を日本銀行総裁に登用し、金利の引き下げや財政支出の拡大などにより景気を刺激し、景気回復を図る「リフレ(リフレーション)政策」に踏み出した張本人にもかかわらず、「日銀の金融政策は目的を達成した」と発言したのだから、日銀の受けた衝撃は大きかった。
「出口戦略」容認のシグナルを意味する
 この安倍首相の発言を分析すると、ある意図が浮かび上がる。
 「物価安定目標は一応の目的」とし、「本当の目的は完全雇用」と位置付けているということは、つまり、アベノミクスの本当の目的は完全雇用であり、2%の物価安定目標ではないと定義したことになるのだ。それは、「金融政策は目的をすでに達成している」以上、金融緩和政策の正常化(いわゆる出口戦略)の開始を容認するというシ この点について、安倍首相は先の国会答弁で、「それ以上の出口戦略云々については、日本銀行に任せたい」と明言を避けたが、安倍首相が日銀の金融緩和政策を重視していないのは明らかだ。
 だが、そもそも日銀自身の金融政策目標に「雇用」は含まれていない。日銀に金融緩和政策を実施させることの「本当の目的は完全雇用」とは、安倍首相自身もこれまで一度も発言したことがなく、いかにも後付けのように聞こえる。
 事実、日本銀行法の第2条では、「日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」とされており、“雇用の雇の字”も出てこない。
 さらに問題なのは、第2次安倍政権と日銀の間で2013122日に交わされた「政府・日本銀行の共同声明」の存在だ。
 同声明には、「日本銀行は、物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で2%とする」ことが明記され、この目標達成にあたって、「政府及び日本銀行の政策連携を強化し、一体となって取り組む」ことが宣言されており、政府と日銀の政策連携の合意文書と位置付けられている。
 もし、2%の物価安定目標を放棄するのであれば、同文書を改訂するか、破棄する必要がある。もちろん、2%の物価安定目標を達成する前に、金融緩和政策の出口戦略を行うのであれば、同文書の改訂か、破棄が必要というのは、学者や学識経験者、金融実務家の間で言われていることでもある。
 つまり、この文書がある以上、いくら安倍首相が「金融政策は目的をすでに達成している」と言っても、日銀は簡単に金融緩和政策の出口戦略に踏み出すわけにはいかないのだ。同文書の改訂か破棄をしないままで、日銀が出口戦略に踏み出せば、それは政府との政策連携の合意を日銀が反故にしたことになるからだ。
 だが、安倍首相が日銀の金融緩和政策に重きを置かなくなっているのは、実は今に始まったことではない。
 2018914日に行われた自民党総裁選の討論会で、安倍首相は「異次元ではあるがやるべきことをやった。でも、ずっとやってよいとはまったく思っていない」と、日銀の金融緩和政策(いわゆる異次元緩和)について述べ、さらに、「よい形で経済が成長してきている中で、私の任期(20219月)のうちにやり遂げたい」と発言している。その後、麻生太郎財務相も「こだわりすぎるとおかしくなる」と発言しており、要するにすでに、政府は日銀の金融緩和政策に見切りを付けていたのだ。
 いわば、政府から“三行半”を突き付けられた格好の日銀だが、“はいそうですか”と簡単に出口戦略に踏み出すわけにいかないのは、前述した政府との合意文書の存在だけが理由にあるわけではない。
 そこには、「中央銀行の独立性とプライド」もさることながら、リフレ派で構成され“リフレ政策執行部”と揶揄される日銀の金融政策決定会合メンバー(審議委員など)の存在がある。2%の物価安定目標という“錦の御旗”を降ろし、金融緩和政策の出口戦略を開始すれば、それはリフレ派が自らの敗北を認めたことになるからだ。
 安倍首相の「金融政策は目的をすでに達成している」との発言から10日後の620日、日銀の金融政策決定会合後の記者会見で、黒田総裁は2%物価安定目標に向けた勢いが損なわれれば、「ちゅうちょなく追加緩和を検討していく」と強気の構えを見せた。
 その上で、政府との政策協調について黒田総裁は、「中央銀行は財政赤字の穴埋めをする財政ファイナンスではない」とクギを刺したうえで、「仮に政府が国債を増発して歳出を増やしても金利は上がらないようにしている」と述べ、財政支出の拡大による国債の増発に対応していく意向を示した。さらに、それが、「結果的に財政と金融政策のポリシーミックス(政策協調)になりうる」と、政府に寄り添う姿勢を強調した。まるで、“浮気癖のある亭主(安倍首相)”を“健気に支える妻(黒田総裁)”とでも言えそうな関係ではないか。
世界経済に陰りが見えている。日銀の金融政策決定会合の前日の619日、FOMC(米連邦公開市場委員会)は政策金利の据え置きを決定したが、その後の記者会見でパウエル議長は、「世界景気の力強さに懸念が生じている。多くのメンバーが金融緩和の必然性が高まっていると考えている」と述べ、利下げに転じる可能性を強く示唆した。
 実際、米国対中国の貿易戦争が大きく影響し、米国の主要経済指標には悪化が目立っている。自らが仕掛けた対中戦争でありながら、その結果で自国経済に陰りが見え始めるや、トランプ米大統領は7月のFOMCで金融緩和政策への転換を図るように繰り返し圧力をかけ、パウエル議長を理事に降格させる可能性までほのめかしている。
 パウエル議長が利下げに傾く背景には、2020年にトランプ大統領が再選すれば、2022年に任期の切れるパウエル議長が解任され、その後任にトランプ大統領の“意のままに動く人物”が座り、FRBの独立性にとって危機的な状況が生まれることへの懸念もあるのだろう。7月のFOMCで利下げが実施される公算は高い。
 米国では金融政策の正常化に向け、2015年末以降に9回の利上げを実施しており、ECB(欧州中央銀行)も金融政策の正常化を打ち出していた。それがここにきて、米国は金融緩和政策への転換、ECBは政策の先行き指針を変更し、年内の利上げを断念している。
 金融緩和政策から金融政策の正常化という世界的な流れの中で、“1人取り残されて”金融緩和政策を継続している日銀にとって、世界経済の悪化懸念、トランプ米大統領の利下げ要求は、再び金融緩和へと戻りつつある世界の潮流に乗り、日銀の金融政策の正当性を主張するための“神風が吹いた”ようなものと言えよう。
政策の失敗を選挙の争点とされたくない
 自民党関係者は、「金融庁による老後には2000万円の資金が必要という金融庁の報告書の問題があったが、すでに突入した参院選挙で国民生活に関わる政府の失策が争点となることは避けなければならない」と危機感を示す。
 安倍首相が要請し、日銀が進める金融緩和政策では、低金利政策による利ザヤの縮小により、銀行の収益が急激に悪化するなど様々な副作用が出ている。安倍首相が出口戦略をチラつかせた背景には、政策の失敗を選挙の争点として追及されたくないとの気持ちの表れであることは明らかだ。
 だが、6年もの間、2%の物価安定目標を目的に政府と日銀が政策連携として実施してきている金融緩和政策を、安倍首相の「金融政策は目的をすでに達成している」との一言で片づけるのは、あまりにも無責任というほかない。
 せっかくの国政選挙である。政府には、国民に対して説明する義務と責任がある>(以上「JBpress」より引用)


 アベノミクスはアホノミクスだと、このブログで何度も批判してきた。それは「デフレ経済からの脱却」という政策を掲げながら、実際にやっていることは消費増税と財政緊縮、というデフレからの脱却とは真反対の政治をやっているからだ。
 日銀は異次元金融緩和により円安を誘導した。安倍氏とタッグを組んだ黒田日銀総裁はよくやっていると思う。しかし日銀が出来るのはそこまでだ。経済成長は政治の問題だ。経済成長なくインフレは「スタグフレーション」といって金融政策の失敗でしかない。

 日銀の判断は景気が失速しつつある、との判断だ。とても「出口戦略」を提示できる段階でない。しかし安倍自公政権は消費増税10%を強行し、財政規律を確実に実現しようとしている。
 それは国民が貧困に苦しもうが国家さえ安泰なら良い、という発想だ。とても政治を行う政治家ではない。家族が飢えに苦しもうが貯金さえすれば良い、という発想に似ている。

 日銀の守備範囲には雇用まで含まれていない。あくまでも自律的な金融政策が日銀の役割だ。しかし雇用が順調だ、というのは幻想に過ぎない。なぜなら人手不足が実際に起きているのなら賃金の上昇をもたらし、生産性の向上をもたらすからだ。そうしたメカニズムは高度経済成長で実証済みだ。
 しかし現在の賃金動向や企業の投資動向はそうした動きを示していない。つまり人手不足や雇用環境が良い、というのは幻想に過ぎない。なぜなら国民は貧困化しているからだ。

 アベノミクスは完全に失敗だった。日銀だけに異次元金融緩和を実施させて、自分たちは金融政策による円安で輸出企業の利益拡大というの果実だけを懐に入れて、国民には消費増税という負担を強いている。
 GDPの主力エンジンたる個人消費を冷やして、エンジン出力が上がるわけがない。それは日銀の責任ではなく、安倍政府・自公政権の責任だ。そして愚かな安倍自公政権を支持する国民の責任でもある。

 消費税は増税ではなく、減税もしくは廃止すべきだ。そして所得税の超過累進税率を復活させ、配当などの分離課税を廃止して総合課税にすべきだ。当然、法人税も元の37.5%に戻すべきだ。そうすれば、税収は少しも減少しない。
 景気に関係なく税収を確保できる「安定財源」など政府・財務省に与えてはならない。かれらが景気を良くしようと努力しなくなるからだ。努力しなくても税収が確保できるのなら、企業の海外移転を促進して、企業利益の最大化に寄与する政策を展開して、政治献金を多額に頂戴する方か政権・与党政治家にとって好都合だ。

 こうした図式を国民の力で打破できる唯一の機会が選挙だ。選挙で国民の貧困や格差拡大に対する怒りを表現しないでどうする。国民は野党候補に一票を投じて、明日の政治を国民の手に取り戻すべきだ。

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