かかりつけ医制度導入に反対する。

厚生労働省は患者が自分のかかりつけ医を任意で登録する制度の検討を始めた。診察料を月単位の定額として過剰な医療の提供を抑えたり、かかりつけ医以外を受診する場合は負担を上乗せして大病院の利用を減らしたりする案を検討する。身近なかかりつけ医が効率的な治療や病気の早期発見にあたる仕組みを普及させ、医療費の伸びの抑制を狙う。
経済協力開発機構(OECD)によると1人が医療機関を受診する回数は英国の年5回(2009年)、ドイツの年10回(15年)に対し、日本は年12.8回(15年)にのぼる。受診回数の多さは医療費の伸びにつながるため対策が課題となっている。
厚労省は公的医療保険の関連法の改正に向けた検討を始めた。早ければ21年度の改正も視野に入れる。日本医師会ではかかりつけ医の登録制に反対意見が強く、慎重に調整を進める。
厚労省は住宅地などにある内科や小児科といった身近な診療所を、いつも受診するかかりつけ医とするよう促してきた。財務省もかかりつけ医以外を受診した際、定額負担を上乗せすることを求めてきたが実現していない。厚労省は新たな制度をつくる検討に入る。
まず患者がかかりつけ医として登録できる医療機関の要件を定める。大病院との連携や診療時間外の対応も可能かなど一定の水準を求める方向だ。登録可能な医療機関は一覧を公表する。
患者が登録したかかりつけ医を受診すると、診察料を月ごとに定額にする。かかりつけ医にとっては、料金が定額だと診察回数が多くなっても受け取る報酬が増えないケースも想定される。検査や投薬が過剰にならないような診療を促し、全体で医療費の伸びを抑制する効果が見込める。
患者にとっては病院に行くたびに料金がかかる現状より割安になればメリットが出る。定期的に診察してもらうことで病気の予防や早期発見も期待できる。登録を希望しない患者は従来の医療費で受診できる。
かかりつけ医がいる医療機関以外を受診する場合は、患者の自己負担を上乗せする。軽症でも設備や専門医が充実した大病院を受診する患者もおり、過剰な検査などを招きやすいため、大病院はかかりつけ医が紹介する流れを強める。
定額制は糖尿病や認知症など複数の慢性疾患を持つ患者向けでは導入済みで、月の医療費は約15000円で患者の負担は13割だ。厚労省は対象を広げた場合の定額制の水準と、かかりつけ医以外を受診する際の負担の上乗せの水準について検討を進める。
欧州ではかかりつけ医が定着している国が多い。英国では居住地域の診療所からかかりつけ医を選ぶ必要があり、かかりつけ医に行かないと大病院で治療は受けられない。医療機関の報酬は、かかりつけ医として登録した患者の人数に応じた方式と、日本と同じような出来高払いの方式を組み合わせている。
日本では医師会がかかりつけ医の登録制に反対している。患者が医療機関を自由に選べる原則が崩れる恐れがあり、診療所の経営を圧迫する懸念も強いためだ。調整は難航する可能性が高い>(以上「日経新聞」より引用)

 厚労省がかかりつけ医の登録・定額制を検討しているという。患者がかかりつけ医を登録し、それ以外の医院にかかる場合は高い診療費を負担させるという。それにより身近なかかりつけ医が効率的な治療や病気の早期発見にあたる仕組みを普及させ、医療費の伸びの抑制を狙う、というのだ。
 その根拠として1人が医療機関を受診する回数は英国の年5回(2009年)、ドイツの年10回(15年)に対し、日本は年12.8回(15年)にのぼることを上げている。しかし持病を抱える高齢者なら誰でも年12回以上の診断を受けることになりはしないだろうか。なぜなら医院が出せる薬は最大で4週間分で、それは医師の診断があった場合に限られる。医師の診断がない場合は2週間分と制限されている。

 持病といっても大層なものではない。厚労省が定める高血圧基準が140以上だから、10人中8,9人までの普通の高齢者は高血圧症の持病を抱えていることになっている。医師から「高血圧だ」と宣言され、血圧降下剤の処方箋を貰うため月に一度は必ず通院して診断を受けることになる。そして年に一度は「健康診断」を、時には「日帰りドック」を受けるように勧められる。
 あるいは健康でも血液検査は必ず年一回は受けるように勧められる。だから日本の開業医受診回数が年12.8回もあって外国との比較で多い、という指摘は理不尽というしかない。厚労省の各種制度や基準が受診回数を多くするように仕向けているのではないか。健康な高齢者が望んで開業医を訪問するわけがないではないか。

 そして「かかりつけ医制度」はセカンド・オピニオンを封じることになりはしないだろうか。開業医がすべて優れた医師とは限らない。医術よりも算術を優先する、技量の劣る医師が重篤な病にも拘わらず通院を長引かせることもありうる。
 患者も結局は自分の命は自分自身で守らなければならない。英国の平均受診回数が年に5回とは異常なほど少なくはないだろうか。高齢者の多くが持病を抱えていると思われるが、そうした高齢者は持病をどのように対処しているのだろうか。私の場合は痛風の持病を抱えているから、健康にも拘らず必ず月に一度は必ず通院して処方箋を書いてもらい、四週間分の薬を頂いている。だから最低でも年に12回は通院している、健康にも拘わらずに。時間と労力の無駄だと思いつつも、だ。

 定額制は糖尿病や認知症など複数の慢性疾患を持つ患者向けでは導入済みで、月の医療費は約15000円で患者の負担は13割だ。厚労省は対象を広げた場合の定額制の水準と、かかりつけ医以外を受診する際の負担の上乗せの水準について検討を進める、というが、受診回数を増やしている大きな原因に厚労省の定める高血圧基準があるのも事実だ。

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