米中貿易戦争を奇貨として中国は常識を備えた国家に脱皮すべきだ。

中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)への米国の事実上の輸出禁止規制の影響が世界の企業に広がり始めた。日本の通信大手3社が米グーグルの関連ソフトが使えなくなる懸念などからファーウェイの新型スマホの発売延期などを22日に決め、英国や韓国にも同様の動きが広がる。世界の部品メーカーも同社への輸出を停止し始め、ファーウェイ離れが進む。

NTTドコモKDDIソフトバンクの大手3社がファーウェイの最新機種「P30」の発売延期や予約停止を発表した。格安スマホ大手「UQモバイル」を展開するKDDI系のUQコミュニケーションズも発売の延期を同日公表した。
一方、通信会社を自由に選べるSIMフリーの端末を扱う格安スマホ各社の一部は計画通り発売する方針で、LINEモバイルは24日に発売するという。ヤマダ電機ビックカメラ、ノジマなど家電量販店もSIMフリーのスマホ販売体制に「変更はない」としている。
通信各社が販売延期に動いた背景には、ファーウェイの新端末でグーグルの関連ソフトが使えなくなる恐れがある。各社とも既に販売している機種については継続して扱う。販売中の機種のスマホについてはソフトの更新も対応する。米政府の猶予措置に伴い、グーグルは21日「今後90日間はソフトウエアとセキュリティーの更新を続ける」との声明を出した。
だが今後、グーグルがソフトなどの提供を止めれば、消費者の利便性は一気に低下する。「この新型機種でグーグルのソフトが使えるのか、判然としない。消費者の使い勝手を損なわないように配慮して販売を延期した」とある通信大手幹部は話す。ファーウェイ・ジャパンは今回の通信各社の対応について「ファーウェイ社としてのコメントはない」とした。
米調査会社IDCによると、2018年の同社のスマホの世界出荷台数は2億台超で韓国サムスン電子、米アップルに次ぐ3位だった。
BTグループ傘下の英携帯電話最大手EEは、今月中にも始める次世代通信規格「5G」サービスでファーウェイのスマホ採用を見合わせる。5Gの通信インフラでは一部の製品で同社製品を引き続き使うという。
英携帯大手のボーダフォンも22日、7月から始める5Gサービス向けのスマホについて、ファーウェイの端末の使用を一時的に見合わせると明らかにした。ボーダフォンの広報担当者は「検証が必要だ」としている。
韓国の移動通信2位であるKT1810月に発売したファーウェイの新型スマホの在庫が無くなり次第、中止することを検討するという。台湾の現地メディアによると、消費者団体から、同社のスマホを購入したばかりの利用者が返品できるようにするように求める声が出ているという >(以上「日経新聞」より引用)

 米中貿易戦争の核心の一部が顕在化し始めたようだ。米中貿易戦争の核心とは改めて掲げるまでもないだろう、「知的財産権保護」「政府の為替介入」と「資本移動の自由」の三点だ。
 習近平中共政府は一度は合意したがそれを覆したため、トランプ氏が突如として25%関税を課す挙に出た。その何処が問題なのだろうか。

 日本のマスメディアはどちらかというと米中貿易戦争は中国だけでなく米国経済にも打撃を与えるし、世界同時不況の切っ掛けになりかねない、とトランプ氏に批判的だった。
 しかし製造元が中国の企業にしろどの国の企業であるにしろ、必要不可欠な製品なら中国製が関税分だけ高くなれば、米国の消費者はより安い製品へ消費を移すだけだ。そして世界のサプライチェーンに甚大な打撃を与えるかのように誇大妄想狂の戯言理論を展開していた経済評論家たちにも、前期論理と同様に部品調達を必要とする企業が中国から他の国の企業へ移るだけだと、このブログに書いてきた。おそらく、その通りになるだろう。

 米中貿易戦争の勝敗は最初から判っていた。経済規模で中国は米国の1/2以下で、貿易相手国として四倍も多くの額を輸出している中国はこの段階だけでも八倍も大きな打撃を受けることは明らかだった。しかし、それは中国企業の製品輸出が単純に対米輸出価格が25%上昇するとした場合だけでの話だ。
 上記記事にある通り、中国企業に部品提供している企業が製品製造に必要な部品提供を「禁輸」したなら、たちどころに中国企業は製造ライン稼働そのものを止めなければならなくなる。つまり対米輸出が困難になるだけでなく、製品製造そのものが困難になる、ということだ。だから私は米中貿易戦争で中国が受ける打撃は米国が受ける打撃の八倍程度ではなく、数十倍もの比較にならないほどの大打撃を受けると主張していた。

 習近平氏はトランプ氏への対応を誤った。トランプ氏が要望した中国の構造改革の核心の三点を着実に実施していたなら、米中貿易戦争は起きなかった。それでなくても急ブレーキがかかって墜落しつつある中国経済への対応で手一杯の中共政府は対米対応という困難な宿題までも背負い込んでしまった。
 世界各地に経済植民地を広げようとしていた「一帯一路」策も正体がバレて、日本のデバ亀のような財界連中がせっかく安倍氏の尻を叩いて「一帯一路」に協力する、と言わしめていた儲け話も後退させるしかなくなった。それは習近平氏にとっても大きな誤算だ。

 習近平氏は破格の扱いで訪中した茶坊主のような二階幹事長と面会したが、彼の実力では日中経済協力関係を進展させることは不可能だ。安倍氏が米中経済協力を実施すればトランプ氏の逆鱗に触れることになる。
 それでなくとも習近平・中共政府は日本の国益を大きく侵害してきた。そして今は鳴りを潜めて日本に擦り寄っているが、いつ何時大量の中国船で尖閣に押し寄せて「中国の領土だ」と嫌がらせをするか知れたものではない。そんな反日・中共政府と「経済協力」しようとする安倍氏の政治感覚を疑わざるを得ない。

 さて、経営者たちもトランプ氏の本気度が解ってきただろう。いつまで中国に企業展開しているつもりか、性根を据えて決断すべきだ。民主化しない中共政府と何を約束しても無駄だ。
 中国の資本移動の自由化は日本企業にとっても大きな利益をもたらす。もちろん知的財産権の保護も日本企業にとって不可欠だ。タダで奪われるだけだった中国との関係を国際並みにすることだけでもトランプ氏の側に日本は立つべきだ。一大事とばかりに米中戦争を報じるだけの日本のマスメディアにもウンザリだ。日本の国益を見据えた報道をすべきではないだろうか。

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