素人政治家たちの政治にウンザリだ。
<トランプ米大統領は、貿易戦争に勝利していると日頃から主張している。だが今までのところは、米経済が差し引きすると敗者になっている兆候が広がっている。
また、3日に公表された別の論文では、世界銀行の元チーフエコノミスト、ピネロピ・ゴールドバーグ氏らエコノミスト4人は、輸入コスト増加に伴う米経済の年間損失が688億ドルと、国内総生産(GDP)の約0.4%に相当するとの見方を示した>(以上「Bloomberg」より引用)
中国から輸入した物品に過重な関税を課すトランプ氏の政策が米国経済にマイナスの影を落としている、という。米中貿易戦争は米国経済の方に大きなマイナスをもたらしているというのだ。
昨年度の段階で中国からの輸入品約2500億ドルに課した月間約30億ドルの関税は米国企業と消費者に追加負担となり、企業にはさらに死荷重損失(課税に伴う超過負担)をもたらしているそうだ。
死荷重損失(deadweight loss)とは、貨物輸送や経済学の用語だ。船舶・貨物列車・航空機などで輸送するとき積荷をすべて機体から降ろしてしまうと、機体が不安定になってしまう。そのため荷を空にせず一定の重みの荷を常に積んで置く必要がある。輸送という面ではコストでしかないこの重量のことを死荷重の損失と呼ぶ。
過重な関税の実施により一部の消費が失われ需要が減少することを指すが、それもGDPのマイナスに作用するのは論を俟たない。
つまり輸入中国物品へ関税を重課した場合に、企業や米国民の物品調達が「高く」なった中国物品から他の国からの輸入や米国内製造の物品に振り替わることを期待したが、関税分だけ高くなった物品を購入するか、諦めているというのだ。
それはトランプ氏の「思い付き」による関税策の導入によるところが大きい。関税で高額になる中国製の部品や製品に代わる、他の国からの輸入や国内製造で代替される「仕組み」が出来る前に報復関税が実施されたことによる。
素人政治家が大きな権限を振り回したトランプ氏の失政というべきだろう。好調な米国経済に影を差したことに変わりない。トランプ氏は利上げを仄めかしたFRBを批判して責任を転嫁しているが、実際はトランプ氏の充分な準備を行わなかった失政の結果だ。
物品に増税すれば消費が減退する、というのは経済の原理だ。日本でも今年10月に消費増税10%を実施するようだが、米国が中国からの輸入品に限って関税強化しただけで経済損失が年間688億ドルに及び、それはGDP0.4%のマイナスに相当するという。安倍自公政権はポイント還元などの愚策を弄しているが、増税以上の甘言を行うのなら課税を延期した方が遥かに解り易いだろう。馬鹿な官僚たちと政治家たちが知恵を集めて検討した結果が、この「増税延期の方が上策」という結論に到るという本末転倒ぶりだ。
日本だけでなく、世界中が「素人化」している。上策を求めて熟考するのでは無く、直情的に強硬策を強制する。それが「自虐嗜好的な愛国者」たちには堪らないのだろう。安倍氏にもトランプ氏にも論理性に基づかないファナティックな支持者たちが存在する、という共通点がある。
スポーツにはファナティックな支持者たちが必要だろうが、政治にファナティックな支持者たちの存在はむしろ弊害をもたらすだけだ。冷静に国民にとって上策を検討する有権者こそ必要だ。冷静な国民がその上策を導くには全ての情報が開示されていることが大前提だ、とうことも論を俟たない。
往々にして、国民がファナティックになる前に、マスメディアがファナティックになって国民を扇動する、という世論形成の「逆転現象」が歴史を動かしてきた。ことに戦争へ国民を駆り立てる多くの場面ではマスメディアが世論操作している。
トランプ氏はマスメディアを批判し、その批判にマスメディアがファナティックに反応することで、トランプ氏は世論を操作している。マスメディアが素人政治家に利用されていることに気付くべきだろう。
「米国ファースト」はグローバル化の対立軸としては正しかったが、政治手法は余りに稚拙に過ぎる。二度目の米朝首脳会談でも外交の素人ぶりを露呈した。米国はいつまで素人大統領に政治を任せるつもりなのだろうか。
政治家として訓練されていない素人が大統領に就任し、補佐する取り巻きも素人だらけという有様にゾッとする。米国も日本もしっかりとした政治家が政権をハンドリングすることを期待する。
週末に発表された2つの論文では、貿易研究で第一人者のエコノミストらはトランプ氏の関税について、世界大恐慌を悪化させた原因とされる1930年の関税法「スムート・ホーリー法」以降で最も大きな影響を与えている貿易の実験だと指摘。また、トランプ氏の関税が米経済に及ぼす初期コストは何十億ドルにも上り、その大半を米消費者が負担しているとの見方を示した。
ニューヨーク連銀とプリンストン大学、コロンビア大学のエコノミストが2日公表した調査では、トランプ氏が中国からの輸入品約2500億ドル(約28兆円)に昨年課した関税が、米企業と消費者に月間約30億ドルの追加税金費用、企業にはさらに14億ドルの死荷重損失(課税に伴う超過負担)をもたらしていることが分かった。
中国から輸入した物品に過重な関税を課すトランプ氏の政策が米国経済にマイナスの影を落としている、という。米中貿易戦争は米国経済の方に大きなマイナスをもたらしているというのだ。
昨年度の段階で中国からの輸入品約2500億ドルに課した月間約30億ドルの関税は米国企業と消費者に追加負担となり、企業にはさらに死荷重損失(課税に伴う超過負担)をもたらしているそうだ。
死荷重損失(deadweight loss)とは、貨物輸送や経済学の用語だ。船舶・貨物列車・航空機などで輸送するとき積荷をすべて機体から降ろしてしまうと、機体が不安定になってしまう。そのため荷を空にせず一定の重みの荷を常に積んで置く必要がある。輸送という面ではコストでしかないこの重量のことを死荷重の損失と呼ぶ。
過重な関税の実施により一部の消費が失われ需要が減少することを指すが、それもGDPのマイナスに作用するのは論を俟たない。
つまり輸入中国物品へ関税を重課した場合に、企業や米国民の物品調達が「高く」なった中国物品から他の国からの輸入や米国内製造の物品に振り替わることを期待したが、関税分だけ高くなった物品を購入するか、諦めているというのだ。
それはトランプ氏の「思い付き」による関税策の導入によるところが大きい。関税で高額になる中国製の部品や製品に代わる、他の国からの輸入や国内製造で代替される「仕組み」が出来る前に報復関税が実施されたことによる。
素人政治家が大きな権限を振り回したトランプ氏の失政というべきだろう。好調な米国経済に影を差したことに変わりない。トランプ氏は利上げを仄めかしたFRBを批判して責任を転嫁しているが、実際はトランプ氏の充分な準備を行わなかった失政の結果だ。
物品に増税すれば消費が減退する、というのは経済の原理だ。日本でも今年10月に消費増税10%を実施するようだが、米国が中国からの輸入品に限って関税強化しただけで経済損失が年間688億ドルに及び、それはGDP0.4%のマイナスに相当するという。安倍自公政権はポイント還元などの愚策を弄しているが、増税以上の甘言を行うのなら課税を延期した方が遥かに解り易いだろう。馬鹿な官僚たちと政治家たちが知恵を集めて検討した結果が、この「増税延期の方が上策」という結論に到るという本末転倒ぶりだ。
日本だけでなく、世界中が「素人化」している。上策を求めて熟考するのでは無く、直情的に強硬策を強制する。それが「自虐嗜好的な愛国者」たちには堪らないのだろう。安倍氏にもトランプ氏にも論理性に基づかないファナティックな支持者たちが存在する、という共通点がある。
スポーツにはファナティックな支持者たちが必要だろうが、政治にファナティックな支持者たちの存在はむしろ弊害をもたらすだけだ。冷静に国民にとって上策を検討する有権者こそ必要だ。冷静な国民がその上策を導くには全ての情報が開示されていることが大前提だ、とうことも論を俟たない。
往々にして、国民がファナティックになる前に、マスメディアがファナティックになって国民を扇動する、という世論形成の「逆転現象」が歴史を動かしてきた。ことに戦争へ国民を駆り立てる多くの場面ではマスメディアが世論操作している。
トランプ氏はマスメディアを批判し、その批判にマスメディアがファナティックに反応することで、トランプ氏は世論を操作している。マスメディアが素人政治家に利用されていることに気付くべきだろう。
「米国ファースト」はグローバル化の対立軸としては正しかったが、政治手法は余りに稚拙に過ぎる。二度目の米朝首脳会談でも外交の素人ぶりを露呈した。米国はいつまで素人大統領に政治を任せるつもりなのだろうか。
政治家として訓練されていない素人が大統領に就任し、補佐する取り巻きも素人だらけという有様にゾッとする。米国も日本もしっかりとした政治家が政権をハンドリングすることを期待する。