政治家は人としての礼節を弁えるべきだ。

<南大隅町の佐多岬で24日に開かれた記念式典で、司会の女性が体調不良で一時倒れるというハプニングがありました。そのときのある国会議員の発言が物議を呼んでいます。

(南大隅町 森田俊彦 町長)
『彼女もきのうからずっと(司会進行を)やってらっしゃるんで、たぶん疲れだと思います』

 佐多岬のグランドオープンを記念した式典は24日の昼前、晴れ渡った青空のもと、広場で開かれました。司会の女性は進行中、体調を崩して地面に倒れ、周りに介抱されたといいます。そんな中、スピーチの順番が回って来たのが・・・。

『今日は環境省(の式典)であります。厚労省であれば医系技官のひとりかふたりいて、すぐ手を打ったと思います』

 声の主は尾辻秀久参院議員です。

(尾辻秀久 参院議員)
『前にこんなことがあったのであります。そのとき医系技官が3人おりました。ひとりは医者を呼べと叫びました。ひとりは電話をかけに走りました。もうひとりは、ぼうぜんと立ち尽くしていたのであります。元厚生労働大臣がいうのですから、信用していいと思います。わがこちゃわがでちゃんとしてください(自分のことは自分でしてください)と申し上げた』

 司会の女性はこのあと復帰しましたが、現場では「女性への配慮が足りないのでは」といった声も上がっていたといいます。

 尾辻議員はKKBの取材に対し、「女性が大事に至っていないことがわかったので、場を和ませるため話をした。女性を笑いものにする意図はなかったが、不快に思った人がいたなら申し訳ない」と釈明しています>(以上「KKB鹿児島放送」より引用)


 現代社会は距離感の取り方の難しい社会だと思う。SNSが生活の中に浸透し、ネットが遠隔地の人の日々の暮らしを身近なものに錯覚させる。
 私のこのブログも瞬く間に世界中の人たちが目にし、日本人の考え方の一端を知ることになる。それが良いこともあり得るが、その反対に人との距離感の取り方が分からない大人を生んでしまったりする。

 尾辻秀久 参院議員はかつてTPP参加に絶対反対を唱えていた。しかし自民党が政権に復すや、たちまち賛成に転じた。そうした一議員の主張もかつては国民に伝わりにくかったが、現代社会にはネットがある。誰でも国会議員一人一人の主義や主張を知ろうと思えばたちどころに情報が手に入る。
 尾辻氏の父親は旧日本海軍の将官だったが、尾辻氏が三歳の時に戦死している。訓令刻苦して勉学に励み、東大進学まで果たしている。苦労の末に国会議員になった努力には感心するが、それが一方で人の痛みの分からない人格を形成したのかも知れない。

 女性司会者が環境省主催の佐多岬記念大会の式典の最中に、体調不良で倒れた際に「博識」を披露したつもりかも知れない。しかし厚労省の式典なら医務技官がいて適切に対処したかどうかを挨拶で述べる必要はなかった。
 ただただ倒れた女性司会者を気遣う言葉を一言だけ述べれば良かった。博識ぶりを披露したつもりかも知れないが、それを世間では「不見識」と呼ぶ。主催者に対しても失礼極まりない。

 SNSが発達して、人々は他人に対する距離感が分からなくなり、時として近くなりすぎている。司会者が倒れたことに対して気遣うのは必要だが、アレやコレやと言及するのは不見識だ。
 その女性が尾辻氏と近しい人ならともかく、そうでないなら距離感を以て気遣うべきだ。さもなくば却って失礼に当たる。およそ政治家は「マイクを握って自分の名を連呼する」自己顕知欲の強い人の集まりだろうが、人としての礼節は弁えたいものだ。

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