人類の精神文化はサルから進歩しているのか。

米政府は2日、ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約について、義務履行を停止し、離脱することをロシアに通告した。
 ポンペオ米国務長官が声明で発表した。INF条約は米露双方の歩み寄りがなければ、6か月後に失効する。
 ポンペオ氏は声明でロシアが新型ミサイル配備などの条約違反を認めなかったと批判し、「INF条約は残念ながらロシアによる重大な違反によって、もはや有効ではなくなった」と説明した。そのうえで、「今日の行動は米国や同盟国の安全と国益を守るためのものだ」と離脱を正当化した。
 米軍は現在、地上配備型の中距離ミサイルを保有していないが、今後は研究・開発が可能となる。ロシアも対抗し、中距離ミサイルを開発する構えを見せており、国際社会には新たな軍拡競争への懸念が広がっている。
 ポンペオ氏は声明で、「米国は軍備管理交渉でロシアに関与する用意はある」とも指摘し、ロシアとの軍縮協議を継続する意向も示した>(以上「読売新聞」より引用)


 私たちは「核の傘の下の平和」よりも「核なき平和」を望んでいる。核軍拡よりも核廃絶を願っている。軍産共同体支配の狂気に満ちた世界よりも、国民が主権者の民主主義国家が世界を構築し協調して平和を実現することを願っている。
 トランプ氏の考え方には賛成できないし、それに呼応して核軍拡を行うと宣言するプーチン氏の「権力者の幼稚性」にも危険なものを感じる。なぜそれぞれの国民は「核軍拡」はウンザリだ、とトランプ氏やプーチン氏に抗議しないのだろうか。

 使えば地球が破滅する核兵器を大量に保有する意味は何だろうか。米国民とロシア国民はそれぞれの政府が世界中を広島や長崎の「煉獄地獄」たる放射能被爆と熱地獄に人類を滅ぼそうとしているのを承知し賛成しているのだろうか。
 「平和のために核が必要」との論理は矛盾に満ちている。核は平和のためではなく、地球を破滅に導く狂気の兵器だ。なぜなら核のボタンを押した者も滅ぶからだ。いかに超音速ミサイルと雖も米ロ両国の相手国に到達するまでには「相打ち」するためにミサイルを発射するのに十分すぎる時間がある。

 そしてたとえ米国のミサイルが迎撃可能なドンソク・ミサイルだとしても、数千発も同時に発射すればロシアのミサイル迎撃システムがいかなるものか知らないが、たとえずば抜けて高性能だとしても、せいぜい迎撃できるのは数発から数十発に過ぎない。
 プーチン氏は愚かにも十発のミサイルで米国民を全滅できると自慢したが、ミサイルの高性能を誇る必要などない。たとえ旧式でも数千発を同時に発射すればロシアの地上の構造物も地下シェルターに避難したロシア人も地上へ出ることは出来ないため、放射能に汚染された地下水を何年も飲用していれば米国人と同様に殲滅させられることになる。

 使えない兵器は無いのと同じだ。核兵器など人類として使用できない兵器を保有して他国を恫喝するなど人格を疑う。
 それとも人類の精神文化などその程度のものなのだろうか。デカルトやカントの時代から人類は全く進化していないどころか、精神文化は荒廃の一途を辿っているようだ。使い切れない資産を保有してみたり、一度に一台しか運転できないにも拘らず十台以上もの高級車を保有してみたり、一度に食べられる食事の量は限られているにも拘らず山海の珍味を食卓に並べ立てたり、そうした愚かな振る舞いが「豊かな暮らし」だと信じているサル以前の精神文化の過程にある劣等人の三十人足らずが大きな顔をして世界の富の半分も所有している。

 恐るべき人類の後進性だ。富豪トップ26人が彼らの富の5%を放棄したなら、世界から貧困問題がなくなるというにも拘らず、そうした議論すら「国連」で行われた形跡すらない。強欲にして残虐な猿の世紀から人類はいつになったら卒業できるのだろうか。

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