野党は「コップの中の嵐」を演じている場合か。
<立憲民主党がじわじわと勢力を拡大している。衆院会派「無所属の会」を実質的に吸収したのに加え、国民民主党離党者の会派入りも認めて着々と足場を固めている。「草刈り場」となりつつある国民民主党には警戒感が根強く、「党がしぼんでいく一方だ」(幹部)との焦りが漂う。
野党が相反目して対立し、共倒れになるのが安倍自公政権にとって最良の「政治抗争」だ。まさしく安倍自公政権が飛び上がって喜びそうな産経新聞の記事だ。
政党が「当選互助会」に成り下がって、国民の信頼を得ることは出来ない。野党が自公政権を倒すには「大看板」となる明確な政治理念がなければならない。
世界的な政治の潮流はグローバル化から「国民ファースト」へと転換している。中国が「一帯一路」を掲げたのも、中国流のグローバル化戦略だ。
しかし、そうした戦略は「弱肉強食」の経済植民地を世界規模で広げることに他ならないという化けの皮が剥がれてきた。自由という名の下に、国際分業化と「ヒトモノカネ」の国境なき移動と国民の「単一化」をグローバル化を推進している連中は企んでいる。
ドル紙幣が国際基軸通貨として、国境なき電子空間を自在に移動しているにも拘らず、現実世界では国家間の取り決めや国家の商慣習などによって「迅速な取引」が阻害されている、とグローバリストたちは考えている。
だから彼らは必然的に彼らの商売の邪魔になる「国家」そのものを消滅させようと企む。世界を投機資本で支配するには国家も国民も必要ない、必要なのは電脳空間で実現している「国境も民族もない自由な資本・投機取引」に現実世界を合わせるだけだ。
しかしグローバル化は決して「自由な社会」をもたらさない。グローバル化の果ては0.01%の大富豪・支配者と 99.99%の貧乏な奴隷だけだ。米国社会はそうした「グローバル世界のモデル国家」に近付いている。
無所属の会代表の岡田克也元副総理は15日、立憲民主党の枝野幸男代表と国会内で会い、自身を含む9人の会派入会届を提出した。国民民主党の伊藤俊輔衆院議員(比例東京)も15日、同党に離党届を提出した上で枝野氏と面会し会派入会届を手渡した。
無所属の会の議員で、立憲民主党会派に加わらない野田佳彦前首相らは、無所属の重徳和彦衆院議員らと新たな会派を結成する方向で調整している。本村賢太郎衆院議員は4月の相模原市長選に無所属で立候補する意向だ。
岡田氏ら10人が提出した入会届について、立憲民主党は15日の常任幹事会で受理することを決めた。入会が実現すれば衆院会派所属議員は立憲民主党が68人、国民民主党が36人となり、野党第一会派と第二会派の勢力差は大きく広がる。
伊藤氏は前回衆院選で旧希望の党から東京23区に出馬し、比例復活当選した。東京では国民民主党の地盤は脆弱(ぜいじゃく)だが、長妻昭代表代行(衆院東京7区)ら有力者が多い立憲民主党なら比例復活の可能性も高まる。
立憲民主党幹部は、伊藤氏に対する水面下での働きかけを認めた上で「わが党なら当選できると踏んだのだろう。地元の市議や後援会からも了解が得られたようだ。これで国民民主党に東京選出の衆院議員はいなくなる」とほくそ笑んだ。
立憲民主党による「引き抜き工作」は今に始まったわけではない。昨年末には、参院選広島選挙区(改選数2)で今年夏に改選を迎える国民民主党の森本真治氏に対しても入党を促した。最終的に森本氏は、支持産別である連合傘下の情報労連の意向に従って国民民主党からの出馬を決めたが、露骨な勧誘は両党間の溝をさらに深めた。
国民民主党幹部は「党所属の衆院議員には他にも『離党予備軍』が何人かいる」と明かし、「防戦一方」の窮状をこう嘆いた。「何を仕掛けても国民民主党は何もしてこないと思われている。立憲民主党からなめられてばかりだ」>(以上「産経新聞」より引用)
安倍自公政権下で日本社会のグローバル・スタンダード化が進められ、日本国民の格差が拡大し、総体的に貧困化している。こうした社会を日本国民が望んでいるとは決して思えない。そこに野党連合の勝機がある。
野党連合はグローバル化に対峙する政策を掲げるべきだ。その大看板はかつて小沢一郎民主党が掲げた「国民の生活が第一」だ。10年前にはその看板の持つ意味が判然としなかった多くの国民も、現在の格差拡大と貧困化に漠然とした危機感を抱いているはずだ。
なぜ漠然とした危機感なのか。それは日本のマスメディアがグローバル社会の危険性を殆ど報道しないから「グローバル化した日本の姿」が明確に描けないからだ。米国の1%の奴隷と化した未来の日本国民の姿が見えないからだ。
しかしグローバル日本の姿を想像する一助とするなら、現在の韓国社会を見れば良い。韓国のGDPは実は成長している。2017年の対前年比較では3.1%のプラスだ。しかし国民所得は減少している。ことに老人の貧困率は49.6%に達している。なぜこうしたことが起きるのか。答えは簡単だ。韓国が米国の経済植民地化されているからだ。
そうしたグローバル社会に日本を変えて、米国の1%の経済植民地にしようとしているのが安倍自公政権だ。だから私は安倍自公政権を「亡国政権」だと批判している。そうした流れから日本を取り戻すために野党は「国民の生活が第一」の旗印を掲げて力強く安倍自公政権と対峙すべきだ。野党同士で「選挙互助会」的な発想に終始していてどうするのか。