IWCからの脱退に賛成する。

政府は20日、クジラの資源管理について話し合う国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、IWCが禁じる商業捕鯨を約30年ぶりに再開する方針を固めた。関係筋が明らかにした。反捕鯨国からの非難も予想されるが、クジラを食べる食文化や適切な漁獲量の捕鯨は正当との主張のもと、出口が見えない議論に見切りをつける>(以上「時事通信」より引用)


 日本がIWCからの脱退に賛成する。乱獲によりクジラが絶滅するのならまだしも、科学的調査により数が一定水準まで復活したデータがあるにも拘らず、捕鯨を禁止し続けるIWCに加盟している意義は既になくなったというしかない。
 かつてクジラを最も乱獲したのは欧米諸国だった。それらの国は「灯り油」代わりにクジラを捕獲し、鯨油を絞り取った後は海洋に廃棄していた。ペリーが日本へやって来たのも捕鯨船の緊急避難と薪炭や食料などを補給する寄港地として日本の港が必要だったためだ。

 世界の海には80種以上のクジラがいる。日本は国際捕鯨取締条約の規定に従い、南極海と北西太平洋で調査捕鯨を実施してきた。クロミンククジラなど種類によっては十分な資源量があることや、南極海のザトウクジラやナガスクジラなどが鮮明な回復をみせていることが確認されている。
 そうした中にあって、頑なに捕鯨を禁止するIWCは感情的に偏った議論を続けているとしか思えない。欧米人は牛・豚などの家畜は「食べるための動物」だから屠殺しても一向に構わない、という理屈のようだが、クジラやイルカなどは自然の生き物だから捕獲しては「可哀そう」だという。きわめて自己中心的な論理としか思えない。

 中年以上の日本国民なら学校給食で「クジラの竜田揚げ」を食べた経験があり、鯨肉を食べることに仄かなノスタルジーを感じてさえいる。そしてクジラの「尾の身」はマグロのトロに勝るとも劣らない美味だ、ということを欧米人は知らないのだろう。
 いや、彼らに鯨肉の美味さを教えてはならない。教えたならばタコ焼きの蛸のように、一気に値段が吊り上がってしまうだろう。多少は批判されようと、日本には日本の伝統がある。日本食には日本食の伝統がある。それまで他国人から四の五の文句を言われたくない。

 海洋資源の枯渇を招くような愚かな乱獲を日本は決してしない。資源を守りつつ、適切な数量を海からお裾分けして頂くだけだ。決して奪った命を粗末にしない日本の流儀を世界に示したい。

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