いつの間にか日本とEUとの経済連携協定(EPA)が国会で成立していた。
<日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が8日未明、参院本会議で採決され、与党などの賛成多数で承認された。政府は政省令の改正など必要な手続きを年内に終える方針。欧州議会も年内に批准する予定で、協定は来年2月1日に発効する見通しだ。
日欧EPAは、世界の国内総生産(GDP)の約3割を占める世界最大級の自由貿易経済圏。今月30日には日本やオーストラリアなど11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)も発効する。政府は米国との2国間貿易協定交渉が来年にも始まるのを前に、巨大経済圏を相次ぎ誕生させ、多国間連携による貿易自由化の優位性を示したい考え。
発効後は、日欧双方の貿易品目の9割超で関税を撤廃。ブランド力の高い欧州産のチーズやワイン、豚肉など、幅広い農林水産品の関税が引き下げられ、消費者にとっては割安な輸入品が手に入りやすくなる。一方、日本製の乗用車や自動車部品など工業製品に課されている関税も撤廃され、日本企業の輸出拡大には追い風となる>(以上「時事通信」より引用)
日欧EPAは、世界の国内総生産(GDP)の約3割を占める世界最大級の自由貿易経済圏。今月30日には日本やオーストラリアなど11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)も発効する。政府は米国との2国間貿易協定交渉が来年にも始まるのを前に、巨大経済圏を相次ぎ誕生させ、多国間連携による貿易自由化の優位性を示したい考え。
発効後は、日欧双方の貿易品目の9割超で関税を撤廃。ブランド力の高い欧州産のチーズやワイン、豚肉など、幅広い農林水産品の関税が引き下げられ、消費者にとっては割安な輸入品が手に入りやすくなる。一方、日本製の乗用車や自動車部品など工業製品に課されている関税も撤廃され、日本企業の輸出拡大には追い風となる>(以上「時事通信」より引用)
日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が8日未明、参院本会議で議決された。それをいかにも日本の貿易拡大に繋がるかのようにマスメディアは報じているが、EU向けの最大の輸出品・自動車は英国などに工場を移転させて日本から直接輸出するケースは極めて限定的だ。
なぜなら輸出に関する輸送費が製品輸出の場合の方が部品輸出より嵩むからだ。そしてEUがEU域外から輸入する自動車に対しては5%の関税を課している。現在はEU域内の英国から欧州大陸へ輸出している日本車には税金は掛けられていない。
これでEUが日本から輸出する日本車に課している関税10%は今後五年間で暫時引き下げて五年後には0%になる。しかしEUから日本へ入ってくる自動車に対しては現在も無税だ。だから日本国内の欧州車の売価が下がることはない。
ただ農産品に関して日本の国内生産農家保護のために30%以上の関税を課している牛肉やプロセスチーズなどの酪農製品に関してセイフティガードを設けているものの、国内酪農家は厳しい環境に晒されることになる。他にもEUから輸入しているトマトジュースやオレンジジュース、鶏卵などに20~29%の関税が暫時下げられるため、日本の農産品生産者にとって今以上に厳しい事態に直面するだろう。
安倍自公政権は日本の食糧需給に関していかなる見解を持っているのだろうか。日本はEUとの貿易で日本から輸出する総額は8兆円でその内農産品は僅かに1%でしかない。それに対して日本へ輸入する総額は8.2兆円で農産品は実に14%を占めている。
日本の食糧安全保障を考えるなら、食糧の輸入依存度を上げてはならない。基本的に日本の国土で生産する農産品で日本国民が暮らせる状態を目指すべきだ。そのための財政支出を惜しんではならない。
2009民主党マニフェストで掲げた農家の戸別補償制度に関して、EPA発効前に真剣に議論しておくべきだ。他国と非関税障壁までもすべて取り払う「丸裸状態」に日本の食糧を晒してはならない。
この所業だけを見ても安倍自公政権が日本を亡国へと導く飛んでもない政権だとお解りだろうか。