なぜ各国政府は企業の事柄に一々介入するのか。

中国外務省の楽玉成次官は9日、米国のブランスタッド駐中国大使を呼び出し、カナダ当局に米国が要請した中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟モンワンジョウ最高財務責任者(CFO)の拘束について、「強烈な抗議」を表明した。
 楽氏は、米国が「中国公民の合法的で正当な権益を侵害した」と主張し、米国で発布された孟氏への逮捕状を取り消すよう要求。米国の出方次第で、中国は次の対応を決めると主張した。中国外務省は、8日にカナダの駐中国大使を呼び出して同様の抗議を行うなど、米国、カナダへの反発を強めている>(以上「読売新聞」より引用)


 元軍人の父と数人が起業した中国通信機器大手・華為技術の掲載校責任氏の娘でCFO孟晩舟が米国の要請でカナダ当局が身柄を拘束したことで、中国政府は烈火のごとく怒っている。その様は常軌を失している。
 なぜこうまで一企業のことに関して「政府」が介入するのだろうか。それとも介入せざるを得ない理由があるのだろうか、と却って中国の腹を探りたくなる。しかし政府が企業マターに介入するのは中国に限ってのことではない。

 米国大統領も一々名を上げて企業経営に介入している。フォードは国内に工場を造るべきだとか、トヨタは米国内投資をもっと増やせとか、かまびすしいことこの上ない、というよりも下品に過ぎる。
 フランスのマクロン氏もゴーン逮捕を何とかしろ、と安倍氏に要請したようだ。ドイツのメルケル氏もドイツ銀行をよろしく、と中国に要請すること余念がない。いや日本の安倍氏も例に漏れず財界の要請に従って「人手不足」を理由に外国人労働移民を大量に入れようとしている。

 政経分離は難しいのかも知れないが、政府は誰のために存在するのか、という根本命題をそれぞれの国民は考えるべきだ。もちろん因果応報で企業が雇用の源ならば企業経営に関して政治が無関心でいられないのも理解できる。しかし関心を持つのと介入するのとでは異なる。
 政治は政治に留まるべきだ。企業経営の箸の上げ下ろしにまで介入すべきではない。ましてや「人手不足」が経済成長を阻害する、といったいつの時代の経済学かと疑われる陳腐な論理を展開する政治家や評論家たちの論を繰り返すマスメディアには呆れ返る。

 何度でも書く、高度経済成長期は失業率1.6%の「超」人手不足だった。現在はそれでも失業率は2%台で推移している。さらに失業率にカウントされていない派遣社員や臨時雇用、「引籠り」やニートまで人手は巷に溢れている。
 賃金を上げさえすれば、企業の人手不足はたちまち解消する「程度」のものでしかない、との認識を持つべきだ。外国人労働移民を日本国内へ入れる必要などない。

 愚かな政治家が「英断」を行う気になって財界の要請を安易に受け入れた外国人労働移民もまた政府の企業介入だ。ただし、この場合は中国政府が孟晩舟氏逮捕に介入するのよりも未来に大きな禍根を残す程度の悪いものだ。
 政治がなぜ企業の事々に介入するのか。それはそれほど政治家利益と企業利益が緊密にリンクしている証拠ではないだろうか。悪しき利害関係を断ち切るために「献金」禁止のために政党助成金制度を設けたが、企業献金はまたゾロ復活している。政治家は濡れ手に粟の二重取りになっている。

 マスメディアが頼りにならないからには、国民はもっと監視の目を光らせて、批判の矛先を鋭くすべきだ。

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