安倍の常識は世界の非常識。

 安倍が「外国人労働者(五年を期限とする)は移民ではない」と国会の委員会で答弁すれば、日本のマスメディアは「外国人労働者」は「移民ではない」と了解しているようだ。しかし国際的には「外国人が他国で一年以上居住すれば「留学」であろうと「労働者」であろうと「難民」であろうと、すべて移民」というのが常識だ。
 野党国会議員も安倍が「移民」ではない、といえば外国人労働者は「移民ではない」と認識する人の好さだ。しかし国際社会相手ではそうはいかない。五年も日本国内で働く外国人の「家族に医療保険を使わせない」と答弁した安倍の認識は当然国際的な批判を浴びるだろう。

 なぜなら「移民」だからだ。しかも日本政府と「手配師」がタッグを組んで外国人を大量に入獄させるのだから国家が関与した「国策」と国際機関で認定されるのは論を俟たない。外国人労働者から「人権侵害」と国際機関に提訴されてから「安倍が「移民ではない」と言ったから」と日本政府が答弁書を書いてもダメだ。
 安倍の認識は日本国内の安倍自公政権下だけで通用する「非常識」だからだ。そうした「安倍常識」はこの六年間に散々見てきた。最初の例が「解釈改憲」だ。国際紛争に武力の行使を放棄する、と書いてある憲法下で、最も憲法を遵守すべき政権が「閣議」で勝手に憲法を「解釈」で変えてしまった。その後で憲法を改正して「安倍解釈」に合わせれば問題はなくなる、というのが「安倍解釈」のようだ。しかし同様な「異性との親密な交際」でも、婚姻期間中と離婚後とでは全く異なる。そうしたことは常識だが、安倍は憲法を変えても現状と何も変わらない、と平然と言って除ける無知蒙昧ぶりだ。

 それは何も安倍だけではない。マスメディアで安倍の「移民ではない」答弁を国際社会では非常識だ、と批判するのを私は知らない。コメンテータたちも評論家たちもジャーナリストたちも、すべて国際感覚を喪失したかのようだ。それで日本の国際化を加速する、というのだから笑ってしまう。
 何度でも書く、「入管法改正」は日本の未来に大きな禍根を残す。直ちにすべての国会議員は正気を取り戻して、政府に「移民」はダメだ、と法案を突っ返せ。「人手不足」と大騒ぎしている連中も米中貿易戦争を端緒とする不況で「人余り」に突入するのも時間の問題だ。あとは日本国民のニートを活用すべく政治家が知恵を絞ることだ。(以上、文中「氏」と付すべき敬称を省略)

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