中国の経済植民地主義に対抗するインド。

<中国への債務負担に苦しむインド洋の島国モルディブに対し、インドが融資を検討していることが27日までにわかった。モルディブの対中債務は30億ドル(約3400億円)とされるが、インドは最大10億ドルを低利融資する方向で、モルディブは対中債務の返済に充てる公算が大きい。17日に就任したモルディブのソリ大統領が12月にインドを訪れるまでに両国は条件を詰める見通しだ。
インド政府筋によると、インドはモルディブが対中接近をやめ、インド軍関係者の常駐など防衛協力を認めることを融資の条件として提示し、モルディブ側と交渉している。低利融資は複数回に分けて提供する方向だ。
インド洋を自国の影響圏とみなすインドは、退任したモルディブのヤミーン前大統領の対中接近に警戒を強めていた。ヤミーン氏は中国の広域経済圏構想「一帯一路」に加わり、橋梁建設や住宅開発などのインフラ資金を中国から借り入れた。一方、一部の島を中国に譲渡したとの見方も広がり、インドは中国が軍港を設け、安全保障上の脅威になるリスクを恐れていた。
インドとモルディブの交渉は進展しているもようだ。モルディブのシャヒド外相とインドのスワラジ外相は26日、ニューデリーで会談し、経済・安保面の協力で合意した。インド外務省は同日の声明で「モルディブ政府はインドの安保や戦略上の懸念に配慮する」と明記。モルディブの「財政や予算的安定などを確実にする支援をインドは保証する」と表明した。
モルディブの対中債務を示す公式統計はない。ただソリ大統領の参謀役で2012年まで大統領を務めたナシード氏は今月初旬、記者団に対し「私の知る限り、対中債務は30億ドルに上る。新政権は国の発展と同時に債務を返済していく」と語っていた。同国の税収は年10億ドル弱で、ナシード氏はかねて「(財政のみによる)返済は不可能」と指摘していた。
9月の大統領選で、モルディブ民主党(MDP)のベテラン政治家で、野党統一候補だったソリ氏は、現職で親中派のヤミーン氏との一騎打ちに勝利した。ヤミーン氏の下でモルディブは17年、中国と自由貿易協定(FTA)を結んだが、親インド派のソリ政権はこれを見直す方針を示している。
インドが実際に対中債務の償還原資をモルディブに提供することになれば、中国の一帯一路への対抗策が新たな段階を迎えることになる。インドは日米豪と共に「インド太平洋戦略」を掲げ中国をけん制する一方、米国などはインフラ資金をアジア各国に提供すると表明し、中国に対抗する構えだった。ただ米中を軸とする融資競争は既に「債務のワナ」に陥っている国への処方箋にならず、債務軽減への支援も求められていた>(以上「日経新聞」より引用)


 モルディブはインド洋に浮かぶ1000もの島々からなる国だ。人口は40万人弱で国土の総面積は300㎢。GDPは僅かに23億ドルでしかない。
 そうした小国に中国は30億ドルもの金を貸し付けて港湾や空港などのインフラ整備を実施した。そして当然のようにモルディブ政府が借金返済に行き詰ると港湾や空港を「租借地」として中国の「軍港」や「航空基地」に使用しようとしていた。

 インドにとってはモルディブが中国の軍事基地になると安全保障上の脅威になる、との判断からモルディブに10億ドルを貸し付け、モルディブ政府に借金の一部なりとも返済させるつもりのようだ。
 それでなくてもインドは中国との国境地帯のカシミール地方で小競り合いを続けている。さらにインド洋に中国の軍事基地が出現するのは由々しき事態だ。

 スリランカにも中国は返済不能の巨額貸し付けを行って港湾施設を整備し、事実上の租借地としている。「一帯一路」がいかに危険な中国による経済植民地戦略かが明らかになっている。
 米国の覇権を脅かす中国の世界戦略に米国はいかに対抗するつもりなのか。米中貿易戦争はそうした局面もあって、トランプ氏が仕掛けたものだ。それだけに米国は中国と安易な「手打ち」は出来ない。

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