北方領土返還は四島一括という大原則を曲げてはならない。

日ロ首脳が日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速することで合意したことで、色丹島に住むロシア人に衝撃が広がっている。返還はないと信じていただけに、「島は渡さない」「ここに住み続けたい」などと訴えた。
 15日、色丹島と択捉島の住民に電話で取材した。
 「島を渡すのはあり得ない」と反対するのは色丹島でホテルを経営するマドーナ・クハラシュビリさん(57)。返還が実現すれば「日本人は我々を追い出すのでは」と心配し、「築いた財産を日本に渡したくない」と話す。
 イーゴリ・トマソンさん(53)も「我々は第2次世界大戦で多くの血を流した」と返還には反対だ。「プーチン大統領は国益を守らなければならない。どんな決断でも『負け』はいけない」と、譲歩しないよう求めた。
 ミカイル・ドゥダエフさん(54)は日本から元島民が墓を訪れて泣いていたのを覚えている。「私もここに親族の墓がある。あんな風にはなりたくない」と不安を抱く。返還されても住み続けたいといい、「住民が平穏に暮らせるようにしてほしい」と要望した。
 一方、択捉島に住むアリョーナさんは「共同宣言には択捉島について書かれていない」と安心した様子。ただ、「色丹島の住民が意思を表明できるよう、住民投票をするべきだ」と訴えた。
 日本人の元島民の受け止めにも期待と懸念が入り交じる。
 14日夜、会見した千島歯舞諸島居住者連盟の河田弘登志・副理事長は「元島民の平均年齢は83歳を超えている。本当に一日も待てない。今はそういう気持ちでいます」。同連盟の宮谷内亮一・根室支部長は「最終着地点は4島(返還)。ただ、島を動かすことが、元島民みんなが求めていることではないだろうか」と話した>(以上「朝日新聞」より引用)


 北方四島にロシアが攻め込んだのは日本がポツダム宣言を受諾した1945年8月15日以降のことだ。当時のロシア(旧・ソ連)もポツダム会議にスターリンが出席していて、ポツダム宣言なるものの中身は十分に承知していたはずだ。
 承知していてポツダム宣言受諾を「認めず」日本領土へ攻め込んだ。まさしく火事場泥棒を働いた。そして当時北方領土に居住していた日本国民1万5千人を北方領土から着の身着のままで追放した。

 それ以降もロシアは日本の国際社会復帰を邪魔し続けた。1951年9月8日に連合国と日本が結んだ「平和条約」たるサンフランシスコ条約にもロシアと中華民国は参加しなかった。当然、サンフランシスコ条約には戦後日本の領土を定める条文もある。
 戦勝国として「国連安保理擾乱理事国」を構成する五ヶ国の一員であるなら、その権利を主張する担保として国際平和に資する義務がある。その義務たるサンフランシスコ条約に参加しなかった瑕疵はロシア側にある、とするのが常識だ。

 参加しなかったから「認めない」というのは話にならない。しかしロシアはその後も、そうした態度をとり続けた。国際社会に日本が復帰するのを邪魔し続けた。いかに当時の日本政府が苦悩したか、戦後史を少しでも紐解けば分かる。
 日ソ共同宣言で国交回復にこぎつけたのは1956年10月19日のことだ。そして同年の1956年12月18日に日本は80番目の加入国として国連に加入して国際社会への復帰を果たした。

 上記記事に北方領土のロシア人が「我々は第2次世界大戦で多くの血を流した」と返還には反対だ。「プーチン大統領は国益を守らなければならない。どんな決断でも『負け』はいけない」と、譲歩しないよう求めた、との一文がある。
 ロシアは満州へ攻め込み大量の日本人を虐殺し強姦し日本人の私有財産を略奪し、そして軍が満州に建設していた当時の日本の最新製造業の機械類や設備を奪って国へ持ち帰った。しかし日ソ共同宣言で「1945年8月15日以後の賠償はすべて放棄する」と日本は賠償権を放棄した。当然、終戦直後に60万人もシベリアへ抑留され、強制労働に使役され12万人も命を落とした「賠償」までも、日本政府は国際社会へ復帰するために放棄せざるを得なかった。

 安倍氏の愚かさは「あれほどのロシア人が(北方領土に)暮らしているのだから、返せとはいえないだろう」と言ったということだ。領土交渉に「共同使用」とか「共同開発」はあり得ない。ましてや何人のロシア人が暮らしていようと、そこは日本の領土だから全員一人残らず大挙して頂くのが大原則だ。戦前から暮らしていたのならまだしも、彼らは国産に応じて「入植」してきた侵略者ではないか。
 その地の主権はどの国にあるのか、どの国の法律で「開発」を行うのかが明確でない限りあり得ない。「領土」問題は仲良し「ごっこ」で済ませる話ではない。いかにプーチン氏と親しかろうと、それは領土交渉を離れた個人的なマターに過ぎない。

 戦後ロシアの盗人猛々しい「嫌がらせ」外交史を忘れてはならない。彼らがいかに相手の弱みに付け込んで理不尽な要求を強硬に主張し続けて来たか、そのためのロシアの軍備であり、世界戦略だということを肝に銘じていなければならない。
 馬鹿な日本の政治家が「二島返還しか応じないのは当たり前だ」とシタリ顔でしゃべっているが、彼はもはや日本の政治家ではなく、ロシア政府の回し者でしかない。愚かなことに、彼は北方四島の返還の最大の機会であったソ連崩壊時の生活困窮に陥った北方領土に入植したロシア人に「人道的援助」を行った。ムネオハウスなる言葉まで残している。

 日本は西側諸国の一員として、ロシア制裁に積極的に加わるべきだ。なぜならクリミア半島も一世紀を超える帝政ロシア当時からの「入植」策により先住民のタタール人を追い出してロシア人が移り住み、ついには全人口の60%を占めるに至った段階でウクライナから分離しロシアへ併合する「住民投票」を行ってロシアが「民主的」に併合した。
 こうしたロシアの侵略を許すわけにはいかない。それは日本の領土問題にも共通する一面がある。安倍氏は「歴史に名を残そう」などといった愚かな考えを起こさず、愚直に西側諸国の一員としてロシア経済制裁を強めれば良い。北海道のすべての港でのロシアとの経済取引を閉じて、ロシア人との交流も禁じるべきだ。彼らはまさしく「侵略者」の先兵なのだ、という認識を持たなければならない。お人好しの「交流ゴッコ」も好い加減にすべきだ。

 ロシアの実態は1億4千万人もの人口を抱えているにも拘らず、GDPは韓国に次ぐほどでしかない弱小国だ。経済といえば石油と天然ガス資源に偏重したものしかなく、あとは巨大な軍産共同体に特化した投資と研究開発しかしていない「戦争国家」だということを忘れてはならない。
 帝政ロシア当時、農奴として虐げられていた周辺アジア人種諸国の人たちがソ連崩壊で独立国家になった。ロシアは常に旧・農奴諸国と強い軋轢に見舞われている。国内でテロが絶えないのはそうした歴史があるからだ。

 ロシアはウラル山脈以西に戻るべきだ。沿海州沿岸まで到達したのが間違いだ。当然南はコーカサス山脈を境とすべきだ。領土拡大意欲に燃えているのは帝政ロシア以来の伝統だろうが、すでに世界は侵略と領土拡大の時代は終わっている。時代遅れの他民族の所有地へ「入植」する過った政策を直ちに是正すべきだ。そしてロシア政府はまず自国民の社会保障の充足と安寧を図るべきだ。

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