思想・信条の自由を侵害してはならない。

宮城県内の税理士でつくる政治団体「宮城県税理士政治連盟(税政連)」が、脱退を申し出た60代の男性税理士に対し「届け出は無効」と拒否している。男性が毎日新聞の取材に明らかにした。男性は入会した覚えがないのに会費の支払いを求められているという。有識者は「脱退できない仕組みは、憲法が保障する結社の自由を侵害している可能性が高い」と指摘している。
 男性によると、2015年6月に東北6県の税理士が加盟する東北税理士会(仙台市)に所属したところ、宮城県税政連の年会費(1万円)の振込用紙が送られてきた。「強制加入の税理士会と違って税政連は入会が自由のはず」と違和感を覚え、同8月に脱退を届け出た。

 しかし同税政連は「脱退は規約になく、届け出は無効。引き続き会員として権利と義務を保有している」と文書で回答。規約で税理士会に入会する税理士で税政連を組織すると定めていることを根拠に挙げた。その後も男性は「会費が未納になっている」と電話で督促を受けるなどしているが、応じていない。

 同税政連幹事長は今年4月、東北税理士会報で「税政連に加入した覚えがない方も、税理士会に入会した時点で税政連の会員となる」として会費の支払いを要請。政治資金収支報告書によると、宮城県税政連や、その上部組織の東北税政連は、14年衆院選や16年参院選に立候補した陣営や与野党国会議員の後援会に、1回あたり5万~10万円の政治献金をしている。

 税理士は税理士法により、税理士会に加入しないと業務ができない。最高裁は1996年、税理士会が税政連に寄付するために会費納入を強制したのは違法と判断。その後、原告の税理士と税理士会が、税政連には入会届が必要なことを確認して和解している。

 福田治・宮城県税政連会長は毎日新聞の取材に「規約に基づき会費納入の協力をお願いしている」と男性への対応を認めた上で、「(対応は)最高裁判決や和解の趣旨に何ら矛盾するものとは考えていない」と答えた。

 税政連を巡っては、栃木県の税理士が「入会の意思がないのに会員にさせられ、思想・信条の自由を侵害された」として、同県税政連を相手取り会員でないことの確認を求める民事訴訟を起こし、争っている。全国の税政連を束ねる日本税理士政治連盟は「規約・組織上、宮城県税政連を指導監督する立場にない」としている。同連盟によると、東北や関東信越など15地方ブロックの税政連のうち、入会を届け出制にしているのは09年時点で4団体。11団体は、届け出がなくても会員とするなどしていた。
 政治資金に詳しい上脇博之・神戸学院大教授(憲法学)の話 憲法が保障する結社の自由には脱退する自由も含まれ、本人の意思に関係なく政治団体に加入させ、脱退を認めない宮城県税政連の対応は違憲である可能性が高い。公益法人と政治団体に同時加入させる仕組みは過去にも問題になり、厚生労働省は医師会や歯科医師会などに対し、関係する政治団体の活動と区別するよう通知を出している。国税庁も、税理士会と税政連を区別するよう指導すべきだ>(以上「毎日新聞」より引用)


 政治連盟を併設している「業団体」は税理士だけではない。その「協会」ないし「団体」に加入しなければ開業できない「業団体」が政治連盟に自動的に加入しなければならない、とするのは思想・信条の自由を定めた憲法に反する。
 そうした「業団体」は「業」だけに限定した「団体」でなければならない。その「業」に関して政治家に働きかけをして、「業」に有利に法改正を行うための政治連盟だとしても、それは「業」従事者個々人の問題だ。

 圧力団体を形成することは民主主義では有効かも知らないが、それで物事を決めていくのは「業団体」のあり方とは異なる。数は力かも知れないが、力で数を形成してはならない。
 それは宗教団体にもいえるだろう。そもそも宗教とは「俗世間」を離れて「精神世界」で修行することだ。その目的は魂の救済にある。それが「俗世間」そのものの政治に介入したり、政党まで作ってしまうとは言語道断だ。

 税理士会は政治連盟の加入と脱退を任意にすべきで、「業団体」事務所で政治活動を行うのを止めるべきだ。あくまでも税理士会と「税理士政治連盟」は別組織であるべきだ。
 他の歯科医師会と「歯科医師会政治連盟」なども別組織とすべきだ。「業団体」と政治とを一緒にしてはならない。人の思想・信条の自由を何人たりとも侵害してはならない。

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