安倍ヨイショ・マスメディアの気色悪い記事。

安倍晋三首相は24日の所信表明演説で、「強い日本」をキーワードに災害対応と少子高齢化、厳しさを増す安全保障環境という荒波を乗り越えて未来への海図を描き、平和で豊かな日本を次世代に引き継ぐ決意を表明した。首相にとって臨時国会は、9月の自民党総裁選で連続3選し「最後の3年間」に向けたスタートラインともなる。
 「強い日本。それを創るのは、他の誰でもない。私たち自身だ」
 首相が演説冒頭、口にしたのは強い危機感だった。
 来年は皇位継承に伴う一連の式典や、日本が議長国を務める6月の20カ国・地域(G20)首脳会議など大きな国際行事が続く。首相が最初に訴えた防災と国土強靱(きょうじん)化は「誰もが安心して暮らすことができる故郷(ふるさと)」に不可欠だ。
 外国人材の積極活用に舵を切るのも、少子高齢化というわが国最大のピンチを克服するためだ。15歳から64歳の生産年齢人口は全体の6割を切った。団塊世代が75歳以上となる2025(平成37)年以降はさらに急減し、慢性的な人手不足は成長の足かせとなる。
 一方で、外国人の受け入れは、治安悪化などの懸念が根強い。政府が出入国在留管理庁を新設するのは、外国人の生活環境の確保など支援体制の整備を進めるためだ。政府には、懸念を払拭する努力と丁寧な説明が求められる。
「戦後外交の総決算」と位置づける日露関係では、「領土問題を解決し、平和条約を締結する」と宣言し、ロシアのプーチン大統領が9月に提案した「前提条件なしの平和条約締結」を一蹴した。任期中に北方領土問題の解決に道筋をつけるという国民との約束を果たせるか。重責が首相の双肩にのしかかる。
 ただ、演説には一部で違和感も覚えた。大正7年、初めて爵位(しゃくい)のない平民として首相になり「平民宰相」と称された原敬元首相の言葉に言及した部分だ。
「長さゆえの慢心はないか。そうした国民の皆様の懸念にも向き合っていく」
 謙虚さを示したのは、来年の参院選を見据えたものだろう。国民感情を大切にするのはいいが、一国のリーダーが、根拠のない政権批判にまで過度に配慮する必要はないのではないか。
 平成24年12月の政権奪還から約6年。国際社会で日本の存在感は飛躍的に高まった。首相自身が自覚する「継続こそが力」を武器に、今後も堂々と国を率いてもらいたい。(小川真由美)>(以上「産経新聞」より引用)


 さすがは安倍ヨイショの産経新聞の記者だ。小川氏は「継続こそが力」だから今後も安倍政権が続くことを願うと上記記事を結んでいるが、何も知らないおバカさんだ。
 「強い日本。それを創るのは、他の誰でもない。私たち自身だ」と所信表明演説の冒頭で述べたが、一国の強さを示すのは「経済成長」だ。中国が短期間で世界に軍事的脅威を与えているのは驚異的な経済成長があったからだ。

 日本はIMFの統計数字を持ち出すまでもなく、安倍自公政権下で世界のGDPに占める日本のGDP割合は0.5ポイントも低下した。このままで行けば2021年には4%を切って3%台に転落すると予測している。安倍自公政権の政策では日本経済は衰退すると財務官僚OBの天下り先の一つと目されているIMFですら占っているのだ。
 安倍氏は近々中国を訪れる際に大勢の財界人を随員として引き連れて行くという。かつて日本が中国を経済支援する際に、経済成長させれば中国は「日本の巨大マーケットになる」、あるいは「共産党一党独裁から民主化する」だろうという楽観的な論調が満ちていた。しかし、それらは根拠のない上から目線の驕りでしかなかった。

 経済成長は「強い国家」を実現する。中国は日本を抜いて世界第二位の経済大国になった。世界のGDPに占める中国のGDPは14%を越えている。しかしかつて日本のGDPは世界の17%を占めていた時があった。
 その経済力を日本は後進国へのODA支援や国内のインフラ整備に使った。「人は石垣 人は城」という言葉通りに人材育成や科学・技術の開発・研究に使った。経済成長期の昭和40年代の国立大学の授業料は月額千円、年間1万2千円だった。当時の大卒初任給が2万円程度だったから、いかに安かったかが解るだろう。

 高度経済成長を果たして、日本は世界に冠たる経済大国になった。それが日本の安全保障の源でもあった。GDPの1%以下、という防衛予算でも世界第八位の防衛力を保持することが出来た。
 しかし相対的に対世界GDPに占める日本の割合が凋落すると、GDPの1%縛りでは現状の防衛力を維持することすら困難になる。飛躍的な躍進を続ける中国の軍事力が直接日本の国境を脅かす事態を引き起こさないとも限らない。

 そうした危険性のある中国に大勢の財界人を引き連れて安倍氏が訪問する意図は何だろうか。日本を中国に売り渡すことでないなら、一人で行って中国の支援要請を拒絶すれば良い。
 中国が「一帯一路」で何をやろうとしていたのか明白になっている。開発援助と称して港湾や空港整備に「巨額資金」を貸し付けて、返済不能に陥ったなら港湾や空港を「接収」するという新・植民地主義をアジア諸国で展開した。それほど悪辣な侵略は先の大戦以前の欧米諸国が有色人種の国や地域に対して行った悍ましい植民地主義と何処が異なるというのだろうか。

 安倍自公政権は「強い日本。それを創るのは、他の誰でもない。私たち自身だ」というセリフとは真逆の政策を実行している。日本を経済大国に押し上げた「日本社会の構造」をグローバル化の名の下に「構造改革」を推し進めて、徹底して破壊してきた。
 終身雇用制度は跡形もなく粉砕され、日本のGDPの主力エンジンに成長した個人消費を徹底して冷やす労働賃金のデフレ化に熱中している。その最たる政策が外国人労働移民だ。

 プーチン氏には「平和条約を無条件で年内に締結しよう」とバカにされ、トランプ氏には「円安は許さない」と恫喝され、食糧安全保障の「肝」である主要穀物種子法を廃止してしまった。これらは安倍外交の完全失敗といわずして何だろうか。
 政府専用機を毎月のように乗り回して、世界を気楽に漫遊してカネをばら撒いた結果がこの体たらくだ。大勢の記者や財界人も政府専用機に同伴して、安倍友となり安倍自公政権に取り込まれてしまった。なんとも志の低い連中が大きな顔をして日本の中枢に居座っていることだろうか。

 安倍ヨイショの記事を書いて自分自身に吐き気がするほど気色悪くならないのだろうか。権力者批判を忘れたマスメディアに存在価値はない。それは政府広報紙となんら変わらない。政府広報紙を買わされる国民の不幸を想像したことがないのだろうか。
 想像できないのなら戦前の翼賛マスメディアの歴史を紐解くことだ。いかにして国民は絶望的な戦争に追い立てられたか。マスメディアが犯した国民に対する犯罪をマスメディアは真摯に反省したことがあっただろうか。日本では「ペンは刀よりも強し」が死語になって久しい。

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