トランプ氏のアジア手抜きは安倍氏を窮地に追い込む。

 米トランプ大統領がこの秋にアジアで開かれるAPECなどの三国際会議に欠席すると発表したようだ。その代わりフランスなど欧州三ヶ国を訪問し中南米で開かれるG20には出席するという。
 トランプ氏の代理に分大統領を派遣するというが、トランプ氏の脳裏から「アジア問題」は消え去っているようだ。首脳会談を行った北朝鮮とは核廃棄へ向けてまだ道筋が見えないが、それなりに「危機的状況」は解消できたと思っているのだろう。もちろん中国は貿易戦争で米国有利のまま推移している。

 トランプ氏がアジアで開催される国際会議に出るまでもない、と踏んでいるのは安倍自公政権にとって計算違いではないだろうか。なぜなら米国から爆買いしたイージス・アショアや他の兵器に関して、予算化されるのはこれからで、既に来年度予算で防衛費は5兆円越えとGDP1%枠をはみ出している。
 国民を納得させるには北朝鮮の脅威を「国難」と煽らなければならないだろうし、中国の脅威にも備えなければならない、と必死の演出を安倍ヨウショのマスメディアを総動員して画策しなければならない。その時も時の秋アジアで開催される国際会議にトランプ米大統領が不参加というのでは日本に対する中国や北朝鮮の軍事的脅威を煽るつもりが肩透かしを食ったも同然だ。

 いや最初からアジアで日本を脅かす軍事的脅威は存在していなかった。北朝鮮の核兵器は完成しているかも知れないが、それは米国に使用する目的であって、日本に使用しては北朝鮮攻撃の口実を米国に与えるだけだ。それは中距離ミサイル・ノドンにおいても同じだ。
 つまり北朝鮮には最初から軍事力行使の選択肢は存在していなかった。それでは米国製のポンコツ兵器を爆買いする根拠がないため、「国難」と煽りに煽って政権へ国民の求心力を高め、米国へのリボ払いを可能にしただけだ。安倍友のボンクラ軍事評論家たちが安倍自公政権に協力して「北朝鮮攻撃のXデーは○○だ」と競馬の予想屋よりも当てにならない御託を並べていたに過ぎない。

 中国は米中貿易戦争で「青息吐息」の状況に陥っている。海路や陸路に展開した「一帯一路」はアッチコチで頓挫し、習体制は風前の灯火になっている。
 トランプ氏が出掛けて習近平氏に睨みを利かすまでもない、と思っているのだろう。そこで困るのは兵器爆買いのリボ払い大盤振る舞いをした安倍自公政権だ。GDP1%枠越えの説明がつかなくなったからだ。トランプ氏のアジア手抜きは安倍氏に窮地をもたらす。

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