三選したら、安倍氏は必ず「四選」を目指す。
<自民党総裁選(9月7日告示-20日投開票)に出馬する安倍晋三首相(党総裁)は30日、名古屋市で開かれた党会合であいさつし、「今回の総裁選は私にとって最後の総裁選となる」と明言した。首相が今回の総裁選を「最後」と言及したのは初めて。
自民党は昨年3月の党大会で、「連続2期6年」としていた総裁任期を「連続3期9年」に延長する党則改正などを行った。首相は平成24年と27年の総裁選で当選し、今回の総裁選で3選した場合、その後の総裁選に続けて立候補することができない>(以上「産経新聞」より引用)
嘘つき安倍氏なら三年後にイケシャーシャーと「やり残した仕事がある。もう一期だけ私に仕事をさせて下さい」と言い出すだろう。所詮、総裁任期の三期までとした自民党党規を変えれば済む話だ。
憲法ですら自身が任命した「内閣」で「解釈改憲」して「戦争法」を強行した安倍氏のことだ。党規を変えることなど屁の河童だろう。
そうした党規変更の動きは三選を果たしたなら直ちに起きるはずだ。なぜなら三選までなら安倍氏の総理大臣は今後三年までとなる。そうすると党内野党になろうと三年間だけ辛抱すれば良いだけだ。
安倍氏の治世に不満を抱く者は国民だけではなく自民党内にもいるはずだ。特に「大臣適齢期」に到っているにも拘らず大臣に成れない者の方が圧倒的に多い。彼らは党内にある程度の影響力を持ち、何人かと徒党を組むことも可能な国会議員だ。
元々国会議員は自己顕示欲の強い人たちだ。なぜなら恥ずかしげもなく街頭でマイクを片手に叫ぶことが好きな人たちだからだ。
そうした自己顕示欲の強い人たちが大臣にも成れないで無役のまま党内で三年間も静かに埋もれているとは思えない。必ず反安倍連合を形成して次期政権に影響力を持とうとするだろう。もしくは自分たちの仲間の中の誰かを担いで反安倍政権の頭に担ごうとするだろう。
党内野党の動きを安倍氏が封じるには「総裁任期は三期までとは限らない」という風を党内に起こすしかない。まだまだ「やるかも知れない」と思わせなければ安倍内閣は絶大な勢力の党内野党を抱えることになる。
総裁に当選するやお調子者の幹事長に「党規の総裁任期規定に安倍氏は縛られない」などと発言させるに違いない。それに対して安倍氏は悦に入ったようにニヤニヤしながら「総裁自らが幹事長の発言にコメントする立場にない」などと言を濁しつつ、夜になると官邸に腹心を集めて祝杯をあげるだろう。
現在の自民党は石破氏を唯一の党内野党に仕立てて、新安倍議員たちは自分たちに大臣のお声がかかるのを期待している。新安倍でない議員たちは次の総裁レースの強力なライバルをこの際潰しておこうとしているのだろう。いずれも安倍氏の権力の傘の下に入って権力のお零れに与かろうとするコバンザメたちだ。
コバンザメたちは親サメの寿命が見えてきたら次の親サメを探すだろう。以前の自民党なら親サメになるのは各派閥の領袖たちだった。しかし各派閥の領袖たちに次期総裁候補者たる適任者は岸田氏や石原氏を含めて皆無だ。
彼らは安倍氏のコバンザメになり過ぎた。次期総裁として彼らが名乗りを上げても国民は彼らに新しい政策を期待できないだろう。安倍氏に余りに取り込まれ過ぎて、彼らが新政策を掲げても新味を誰も受けないだろう。
次期総裁レースに出ようとするほどの人物なら、次期総裁候補として新味をアピールするには三期目の安倍政権で官僚に入らないことだ、と気付く。安倍氏とある程度の距離感を保つ方が有利だ、と気づくだろう。つまり安倍氏は三期目の総裁に当選した日から「死に体」に陥ることになる。
いかにボンクラでも、自身の保身にための頭脳だけは働くだろう。上記のようなことは安倍氏の政権戦略に織り込み済みだろう。
安倍氏の犯罪は権力の座にある限り露見しても誤魔化せる。しかし権力の座を去ればただの国会議員でしかない。安倍氏が司直の手にかかる案件は「モリ カケ」疑惑だけでなくゴマンとある。
安倍氏が保身を図るなら永遠に権力者の地位にある必要がある。それが不可能なら後継者を育てて安倍氏を絶対的に守る人物に政権を委譲するしかないが、少しでも誇りある人物ならそうしたバカな政権を欲しがらないだろう。黙っていても「三期」で総裁任期が終わるのなら。
当選するためには「今回が最後の総裁選です」という方が同情も買って有利だ。しかし当選後は「最後の任期」なら場面がガラリと変わる。直ちに「総裁任期の四選延長論」が噴出するし、噴出して来なければ噴出させるしかない。そのことを自民党国会議員と党友各氏は真剣に考えるべきだ。安倍政権の胡散臭さが続くのが良いのか、と。