嘘つき政治家に嘘つき官僚。

誰もが平等に社会に参加できる「共生社会」の実現を理念として、国が率先して進めたはずの障害者雇用制度。肝心の中央省庁が目標を下回っていたのに数字を水増ししていた疑惑が浮上した。不正は常態化していた可能性もあり、障害者雇用に取り組む企業や障害者団体からは怒りやあきれる声が相次いでいる。

 法定雇用率は今年4月、民間企業は2.0%から2.2%へ、国や自治体は2.3%から2.5%へと引き上げられた。厚労省によると、昨年6月1日現在の民間企業の達成率は50%。国の33行政機関で未達成は個人情報保護委員会のみで、達成率は97%とされていた。行政機関には納付金や補助金の仕組みはない。

 障害者雇用に詳しい阿部正浩・中央大学経済学部教授の話 中央省庁は率先して障害者を雇用しなければならない立場にあるはずだ。雇用する障害者の水増しが常態化していたのなら、民間企業を指導する際の説得力がなくなってしまう。障害者雇用促進法は、法定雇用率を達成していない民間企業に納付金を納めることを義務付けているが、国や地方公共団体にはそれがない。当然達成しているという大前提の「性善説」に立っていることに問題がある。これを機に、第三者機関に監督させるなど指導の在り方を改める必要があるのではないか>(以上「毎日新聞」より引用)

 中央官庁が障碍者雇用率を誤魔化していたとは驚きだ。まさかと思ったが、「日報」を隠蔽した防衛省や「公文書」を改竄したり隠蔽したりした財務省は特別な「個人」が仕出かした特別な官僚の不始末かと思っていたかったが、やはり、それは日本のすべての省庁の官僚体制全体が腐っていた氷山の一角だった。
 このブログで中国の官僚組織を散々嗤ってきた。国家の仕事を忠実に報告すべき統計で、地方から報告されたGDPの数字を積み上げると中国のGDPよりも10%も多くなる。それは地方で成功しなければ党中央で出世できないため、それぞれ赴任した地方で業績を上げ、と中央で評価される必要があったため統計数字を水増しして報告していたからだ。

 しかし経済は数字の誤魔化しの通りにはならない。いや実態を反映しない数字を積み上げても、統計資料そのものが信頼を失うだけだ。
 かねてより日本は「政治は二流でも経済は一流」といわれ、経済活動を支える省庁の官僚たちは世界でも優秀とされてきた。しかし失った30年の間に官僚たちの優秀さもすっかり失われたようだ。

 官僚たる者は官邸の意向がどうであれ、総理大臣の意向がどうであれ、国民全体の奉仕者として官僚は指示された仕事を忠実に果たし、仔細余さず正直に国民に報告すべきだ。しかし、腐り切った官僚たちは国家・国民のためというよりも自らの保身のために仕事をしているようだ。
 国会で安倍氏を忖度して嘘を吐き通した官僚が次々と栄転している図は悪夢を見ているようだ。「越後屋、お主も悪よのう」というセリフが官邸から聞こえてくるようだ。

 機会均等法や障碍者雇用法、などといった精神は国家の根本から捻じ曲げられている。官僚たちが作った法律の割合通りに障碍者を雇用できない理由があるのなら、それを説明して障碍者雇用割合が未達なのを正直に報告すべきだった。
 達成していないにも拘らず、達成したかのように報告するとは国民を欺くものだ。国会でキャリア連中が大嘘を吐いて官邸におもねている様子を見れば、他の官僚たちが「正直者は馬鹿を見る」とでも思ったのだろうか。

 政治家が劣化していると慨嘆していたが、政治家たちだけではなかった。日本は肝心に「根」が腐っているようだ。その原因は総理大臣にある。大嘘を吐いてでも国会さえ乗り切れば馬鹿な党友が総理大臣の神輿を担いでくれるから安泰だ、というのなら「上に政策あれば下に対策あり」という現代中国の諺通りに日本もなっている。
 「日本人はスゴイ」という番組が真っ盛りで、日本国民をテレビがヨイショしている間に、日本の肝心なところはスカスカになっている。日本国民はテレビ番組でヨイショされて好い気になっている場合ではない。腐り切った日本を国民は総点検すべきだ。そして怒りをしっかりと選挙に反映させなければならない。明日の日本を変えるのは選挙で政権交替するしかないことを肝に銘ずべきだ。

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