ロシアで年金支給開始年齢引き上げ反対大規模デモ。

ロシア各地で28日、年金支給開始年齢を引き上げる政府計画への抗議デモが行われ、数万人が参加した。政府提出の年金改革法案が国会で審議され、同案への反発が高まる中、共産党(Communist Party)がデモを主催した。

 デモは許可を得て行われたもので、主催者発表によれば首都モスクワでは最大10万人が参加した。一方、報道された参加者数はこれを大きく下回り、1万人前後と伝えられている。

 デモは極東(Far East)、シベリア(Siberia)や西部にある数十の市町で実施された。モスクワでは参加者が「プーチンに年金を渡して引退させろ!」と声をそろえ、「私たちは年金で暮らしたい。働きながら死にたくない」などのスローガンが書かれた横断幕を掲げた。

 年金改革案はウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領率いる与党の支持を受けており、市民が公に反対を表明することは少ないが、今回はすでに290万人が抗議の請願に署名。与党に追従することの多い共産党も反対している。

 プーチン大統領は今年3月の大統領選で年金改革に言及しなかった上に、過去には年金支給開始年齢は引き上げないと公約していた。国営世論調査会社VTsIOMによると、同大統領の支持率は5月には80%だったが、今月は64%に低下した。

 ロシアの年金支給開始年齢はソビエト連邦時代に定められた女性55歳、男性60歳のままとなっており、今回の年金改革法案はこれを女性63歳、男性65歳まで段階的に引き上げるとしている。

 共産党のゲンナジー・ジュガーノフ(Gennady Zyuganov)党首は、ロシア人男性の平均寿命は60歳代前半だとし、「彼らは皆、棺桶の中で年金を受け取ることになる」と述べた>(以上「時事通信」より引用)


 社会主義国家とは名ばかりでロシアの所得格差には目が眩むばかりだ。いわゆる生活できない貧困層とされている平均月収2,121ルーブル(約7,812円)しかない人たちが40%もいる半面、ロシア最大の石油会社ロークオイルの社長の年収は1兆5千万円で業績によるボーナスは2兆2千万円で、副社長の年収は8千万円でボーナスは1兆1千万円だ。
 年金に関しては最低年金という制度はないようだが、実際に支給された最低額はモスクワで月額9,046ルーブル(約1万6500円)、全国平均で7,476ルーブル(約1万3642円)となっている。しかしそれでは年金だけでは暮らせない。

 2014年現在で年金受給者数は3400万人だ。ただロシアの平均寿命は驚くほど短く、男性が58.6才で女性は男性より15年長寿だといわれている。だから男性の支給開始を65才にすれば多くの人が年金を貰わないで死ぬことになる。
 しかし支給率が今年6月には64%にまで低下して年金破綻は明らかだ。その割には年金を所管する豪華な建屋の新築や職員の高給などに年金が消えているのではないかと国民の不満は大きい。

 年金の支給開始の引き上げに対する不満からデモが行われているが、社会格差に対するデモに変貌しかねないことからプーチン氏は危機感を募らせているようだ。社会主義の国家の原理とされる「一律支給と完全年金支給」が崩壊して社会主義国家であり続ける意味はない。
 所得格差や貧弱な年金制度を見る限り自由主義社会制度の後進国と大差ない。そのロシアが軍事大国で宇宙開発では米国と肩を並べるというのだから、いかに偏った歪な国家がお解りだろうか。1憶4000万人もの国民をプーチン氏はどうするつもりなのだろうか。

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