道路復旧に重機やオペレーターが足りない。
<西日本を中心とした記録的豪雨は、企業活動にも大きな爪痕を残した。鉄道などの交通インフラが被害を受けて物流網が寸断。小売りへの商品供給が滞っているほか、自動車工場などで部品供給不足などによる稼働停止が相次いだ。復旧の動きもみられるが、被害が長期化すれば、業績への悪影響も懸念される。
「動脈の鉄道貨物が動かないことで、東日本からの配送需要の大きさに対応できていない」
8日夕方の集配から、東日本エリアから九州地方向けの宅配便の荷物の受け付けを停止した佐川急便の担当者は説明する。9日午後3時現在には集配不能地域が愛媛、広島、岡山の3県に縮小したが、回復には至らない。ヤマト運輸も宅配便の荷受けを京都、岡山、広島、愛媛など6府県の一部で停止。クール便も広島、島根、山口の3県全域で荷受けを見合わせる。
物流網停滞の要因は、九州と東日本をつなぐ鉄道貨物の寸断だ。今回の豪雨でJR西日本の山陽線と伯備(はくび)線、JR四国の予讃(よさん)線が被害を受けたことで、3路線を利用する貨物列車も運休を余儀なくされた。9日午前8時までの運休本数は計434本に上った。
コンビニエンスストア大手のセブン-イレブン・ジャパンは、岡山県内の8店舗など5県で計17店舗が休業した。自治体からの避難指示が出ていることもあるが、道路網が寸断されていることで、「物資到着に通常よりも90分程度の遅延も出ている」(広報)。
牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングス(HD)は9日午前段階で、広島県内のすき家24店舗が休業。このほか、ファミリーレストランの「ココス」、回転ずしの「はま寿司」など、グループ全体で計44店舗が休業している。主因は食材の配送などに大きな遅れが出ているためだ。
マツダは7日に休止した本社工場(広島市・広島県府中町)、防府工場(山口県防府市)の2工場について、部品の調達が滞っていることや従業員の安全確保のため、10日まで操業を見送る。11日以降の稼働は10日に判断する。
ダイハツ工業は本社工場(大阪府池田市)、京都工場(京都府大山崎町)、滋賀第2工場(滋賀県竜王町)、大分工場(大分県中津市)の4工場について、9日の昼の生産を休止。同日夜は再稼働させ、10日の昼と夜も操業させることを決めた。
浸水被害といった直接の大雨被害で休業を余儀なくされた店舗や工場も少なくない。
流通大手イオンは9日午前、岡山や広島、福岡、愛媛などの各県で、グループのスーパーやコンビニ計8店舗が休業を決めた。特に被害が大きかった岡山県倉敷市のスーパー「山陽マルナカ真備(まび)店」は再開のめどがたっていない。
三菱重工業も、断水のため新幹線用ブレーキなどをつくる三原製作所(広島県三原市)を休業。パナソニックは、業務用ビデオカメラを製造する岡山工場(岡山市)が浸水被害を受け、9日の操業を見送った。
ローソンは浸水被害14店舗を含め計19店舗が休業したが、9日には本社から約40人を現地に送り込んだ。三菱自動車も、7日に稼働を休止していた水島製作所(岡山県倉敷市)を9日に稼働再開。同日は従業員への配慮から、操業開始時間を午前11時半に遅らせており、10日の操業については今後判断するという>(以上「産経新聞」より引用)
8日夕方の集配から、東日本エリアから九州地方向けの宅配便の荷物の受け付けを停止した佐川急便の担当者は説明する。9日午後3時現在には集配不能地域が愛媛、広島、岡山の3県に縮小したが、回復には至らない。ヤマト運輸も宅配便の荷受けを京都、岡山、広島、愛媛など6府県の一部で停止。クール便も広島、島根、山口の3県全域で荷受けを見合わせる。
物流網停滞の要因は、九州と東日本をつなぐ鉄道貨物の寸断だ。今回の豪雨でJR西日本の山陽線と伯備(はくび)線、JR四国の予讃(よさん)線が被害を受けたことで、3路線を利用する貨物列車も運休を余儀なくされた。9日午前8時までの運休本数は計434本に上った。
コンビニエンスストア大手のセブン-イレブン・ジャパンは、岡山県内の8店舗など5県で計17店舗が休業した。自治体からの避難指示が出ていることもあるが、道路網が寸断されていることで、「物資到着に通常よりも90分程度の遅延も出ている」(広報)。
牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングス(HD)は9日午前段階で、広島県内のすき家24店舗が休業。このほか、ファミリーレストランの「ココス」、回転ずしの「はま寿司」など、グループ全体で計44店舗が休業している。主因は食材の配送などに大きな遅れが出ているためだ。
マツダは7日に休止した本社工場(広島市・広島県府中町)、防府工場(山口県防府市)の2工場について、部品の調達が滞っていることや従業員の安全確保のため、10日まで操業を見送る。11日以降の稼働は10日に判断する。
ダイハツ工業は本社工場(大阪府池田市)、京都工場(京都府大山崎町)、滋賀第2工場(滋賀県竜王町)、大分工場(大分県中津市)の4工場について、9日の昼の生産を休止。同日夜は再稼働させ、10日の昼と夜も操業させることを決めた。
浸水被害といった直接の大雨被害で休業を余儀なくされた店舗や工場も少なくない。
流通大手イオンは9日午前、岡山や広島、福岡、愛媛などの各県で、グループのスーパーやコンビニ計8店舗が休業を決めた。特に被害が大きかった岡山県倉敷市のスーパー「山陽マルナカ真備(まび)店」は再開のめどがたっていない。
三菱重工業も、断水のため新幹線用ブレーキなどをつくる三原製作所(広島県三原市)を休業。パナソニックは、業務用ビデオカメラを製造する岡山工場(岡山市)が浸水被害を受け、9日の操業を見送った。
ローソンは浸水被害14店舗を含め計19店舗が休業したが、9日には本社から約40人を現地に送り込んだ。三菱自動車も、7日に稼働を休止していた水島製作所(岡山県倉敷市)を9日に稼働再開。同日は従業員への配慮から、操業開始時間を午前11時半に遅らせており、10日の操業については今後判断するという>(以上「産経新聞」より引用)
昨日(10日)までに幹線道路は大体復旧したようだが、各地の毛細血管に当たる県道や市町村道が依然として寸断されたままのようだ。私の近く(山口県東部)でもネットで道路マップを検索されればお解りだと思うが、片側交互通行や交通止め箇所が驚くほどある。
しかし実際に現地へ行ってみると、それほど致命的な崖地崩壊や山崩れがあるというのではない。ただ真砂土の山肌が崩れて道路を覆っている状態だ。
しかし道路復旧工事が始まっているのは半分程度で、後は放置されたままになっている。なぜなのか。重機とオペレーターが圧倒的に不足しているからだ。
県道という幹線道路でも一台の重機と僅かな人数で道路へ流れ出た土砂を排除しているだけだった。その工事現場は片側交互通行だったが、いつもはスッと通過する場所が一時間もかかってしまった。
安倍氏は災害復旧の特別措置として予備費を20憶円投じる、と発表したが「緊急措置」としても余りに少ないのではないだろうか。山陽本線も光ー下松間の海岸沿いの崖が崩れて線路を塞いで不通となっているが、そこでも重機の投入台数が少ないと感じられた。山陽本線と並行して走っている片側2車線の国道188号線の一部を閉鎖してでもベルトコンペアーなども設置して、大規模に復旧作業を行うべきではないか。日本の大動脈・東海道本線に次ぐ山陽本線だけに早急な復旧に努力を傾注すべきだ。なお完全復旧まで1ヶ月ほどかかる見込み、というのは言語道断だ。
製造大企業の部品供給などの物流に関して、陸路が寸断されていれば海路を使うことは出来ないのだろうか。マツダ本社工場はもちろんのこと、防府などの主力工場の地域には港湾施設がある。ヘリーターミナルも広島はもちろんのこと、防府にはないものの隣の徳山にはヘリーターミナルがある。トラックごと積み込めば陸送と大して変わらないはずだ。臨時にそうした柔軟な対応が出来ないものだろうか。
ここ二十年の間に土木・建設業に従事する労働者が半減した。地域の土木・建設業者が軒並み廃業したところも珍しくない。こうした状況では自然災害の復旧に支障をきたすのではないかと予てより警鐘を鳴らしてきた。果たして不幸にして予想は的中している。
公共事業を「バラ撒き」だと批判していた評論家たちや政治家たちは豪雨災害の現状をトクト見るが良い。そして山間僻地の道路も物流網の一翼を担っていることを自覚すべきだ。切り捨てて良い道路はない。国土強靭化に関して、政治家をはじめ「公共事業=悪徳」を煽ったマスメディアは自身の所業の結果を子細に見廻るが良い。