女性の人権を守る責任は人間社会にある。

女性にとって危険な国を専門家らに尋ねた調査で、インドが1位に挙がった。性暴力や強制労働の危険性が高いとの理由からだ。
英トムソン・ロイター財団が女性問題について専門家550人から意見を聴き、26日に調査結果を発表した。
インドが最も危険とされる理由には、性暴力のほか家政婦の人身売買、労働や結婚、性労働の強制などがある。さらに酸攻撃の横行や女性器切除、児童婚、身体的虐待など、文化的な因習の影響も指摘された。
トムソン・ロイター財団が7年前に実施した同様の調査でインドは4位だった。同国では2012年に首都ニューデリーのバス車内で女子学生が男たちの集団から性的暴行を受け、死亡した事件をきっかけに、性暴力の問題が表面化した。政府の統計によると、現在も毎日約100件の性暴力が警察に通報されている。
危険な国のランキングではインド以下アフガニスタン(2位)、シリア(3位)などアジア、中東、アフリカの9カ国に続き、10位に米国が入った。この結果には、米国の女性らが著名人によるセクハラや性被害を告発して社会現象にもなった「#MeToo」運動が直接かかわっているという。
米国はレイプを含む性暴力やセクハラの危険性でシリアと並ぶ3位、非性的暴力の危険性も6位だった。
7年前の危険な国ランキングは1位がアフガン、2位がコンゴ(旧ザイール)、3位がパキスタンだった。
2015年の国連サミットでは、30年までに女性への差別や暴力を根絶するとの目標が採択された。しかし同財団によると、今も世界で3人に1人の女性が一生のうちに身体的、性的暴力の被害に遭っているという>(以上「CNN Japan」より引用)

 日本でも今でこそ余り見かけなくなったが「女が勉強して何になる」と平然と公言して恥じない男性がいたものだ。女性は家庭に入って子育てするものだから、社会で働くスキルたる学歴を身につけても仕方ない、という考え方だ。
 確かに女性には出産という特殊な能力が備わっている。その出産と出産に続く育児を女性仕事と決めつけた人類社会が有史以来長く続いてきた。だが育児は男女が協力して行うものだという考え方に変化している。

 日本の若い男性を中心に「自身に対するメリットの有無」という判断が行動規範になっているという。若い男性の7割が恋人を必要としない、という。それは「恋人がいて、自分に何のメリットがあるのか」という考え方のようだ。
 二元的なアニメやゲームの世界だけで人生は充足できるし、三次元的な生身の女性と付き合うのは「デメリットでしかない」という考え方のようだ。しかし、そうした考え方は二次元世界のアニメやゲームを考えた製作者の人生観にドップリと漬かるだけで、自身の社会経験や人間関係から人生観を獲得することではない。

 自分に「メリットがあるのか」という判断基準は決してボランティア精神を涵養しない。社会的存在たる人間の人格形成に悪影響を及ぼすだけだ。
 女性と恋愛経験をしないで女性を思い遣る気持ちを育てることは困難だ。恋愛は必ずしもうまくいかないし、時として手酷い結果に落ち込むこともあるだろう。しかし人生とはそうしたものだし、そうした思い通りにならないものだという経験は貴重だ。そうした挫折の経験こそがメリットだということを知らなければならない。

 インドに女性レイプが多いのはなぜだろうか。文化的素養が低いからレイプやセクハラが多い、という結論にはならないようだ。それなら米国にセクハラやレイプが多い説明にならない。
 2015年の国連サミットで30年までに女性への差別や暴力を根絶するとの目標が採択されたというが、具体的な対策や活動が提示されたわけではない。やっとサウジアラビアで女性の自動車運転が認められたという。世界にはまだまだ性による差別が公然と行われている国がある。そうした実態をまず世界は知るべきだ。

 なぜ聖職者のトップに女性がいないのか。なぜ国連の事務総長が歴代男性なのか。なぜ日本をはじめ米・中・露の歴代トップに女性がいないのか。
 それは女性に対して何某かの閉ざされた社会ではないからか。何らかの性差別が存在しているからではないか。女性に対するレイプやセクハラを根絶するためには各国の社会制度を根底から見直す必要があるのではないだろうか。

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