安倍自公政権と黒田日銀の金融・経済政策は大失敗だ。

米連邦準備理事会(FRB)は13日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、1.75─2.00%とすることを全会一致で決定した。
今年についてはあと2回、合計4回の利上げを予測しているとした。3月に示した前回予想では年内は合計3回の利上げを予測しているとしていた。
今回のFOMC声明でFRBは、景気刺激に向け金利を十分に低い水準にとどめると確約する文言を削除。少なくとも2020年までインフレ率が目標を上回ることを容認する姿勢も示した。今回の利上げはおおむね予想通りだったが、 2007─09年の金融危機とこれに続く景気後退(リセッション)に対応するための措置からの脱却との意味では一里塚になったと言える。
今回発表された最新の経済見通しでは、インフレ率は今年2.1%と、FRBが目標に掲げる2%を上回るとの予想も提示。FRBは景気拡大と雇用増が続く中、2015年終盤から7回の利上げを実施しており、これまでのFOMC声明の文言は時代遅れのものとなっていた。
パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、「米経済は非常に良好」との認識を表明。「職探しをしている人の大部分が就職できる状況になっている。失業とインフレは低水準にあり、成長を巡る全般的な見通しは引き続き良好だ」とし、雇用と物価を巡る目標がおおむね達成される、いわゆるスイートスポットにFRBが近づく中、安定的に利上げを継続することで景気拡大を育むことができるとの見方を示した。パウエル議長はまた、FRBが来年から毎回のFOMC後に記者会見を開くことも発表。現在はFOMC後の議長会見は年4回だが、2019年は8回に増えることになる。
FRBは声明で「労働市場が引き締まり続け、経済活動が堅調な速度(at a solid rate)で拡大していることを示している。雇用の伸びは概してここ数カ月堅調で、失業率は低下した」とし、「最近のデータは家計支出の伸びが上向き(has picked up)、企業の設備投資は引き続き堅調に伸びたことを示唆している」と表明。
「さらなる緩やかなFF金利の目標誘導レンジの引き上げが、経済活動の持続的な拡大、力強い労働市場の状況、中期的に委員会の対称的な目標である2%に近いインフレ率と整合すると予想する」とした。ただ「金融政策の運営姿勢は引き続き緩和的で、それによって力強い労働市場の状況と、2%のインフレへの持続的な回帰(sustained return)を支える」とした。
FRBは長期的な金利見通しについては、2020年に最高で3.4%に達する可能性があるとし、その後は長期的に2.9%に戻すとの見方を示した。最新の経済見通しでは、今年の経済成長率は2.8%になるとし、前回見通しから若干上方修正。来年については2.4%になるとし、前回見通しを維持した。失業率は今年3.6%になると予想。前回見通しは3.8%だった。
FRBは今回のFOMCで、超過準備に支払う金利を設定することも決定した。今回のFOMC声明では、鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を含むトランプ政権の通商政策に起因する緊張の高まりなどについて直接的な言及はなかった。
フィッシャー・インベストメンツの調査担当シニアバイスプレジデント、アーロン・アンダーソン氏は、「緩やかなペースでの利上げとバランスシートの段階的な縮小というFRBの軌道は、現時点ではしっかりと確立しているようにみえる。FRBがこの軌道から外れるには、インフレのほか、全般的な米経済の道筋が大幅に変化する必要がある」としている>(以上「Reuters」より引用)

  いよいよ米連邦準備理事会(FRB)は金利引き上げに舵を切ったようだ。それも1.75から2.00%とという金利だ。それに対して日銀は異次元金融緩和策の出口戦略すら示していない。
 日銀のマイナス金利はボデーブローのように金融機関を痛めつけている。いわばマイナス金利は政府赤字を銀行に穴埋めさせているようなものだから、基礎体力のない地銀などには深刻な影響を与えている。

 日本経済は依然として安倍自公政権が掲げた2%インフレ目標を達成していない。わずかにインフレが進んだのは皮肉にも消費増税分の価格転嫁によるものだけだった。
 安倍自公政権と黒田日銀の金融政策は二年と定めた目標期限をさらに二年延長しても目標を達成していない。安倍氏は「政治は結果責任だ」と言って民主党政権の三年間を執拗に批判していたが、その言葉が安倍自公政権の五年半を批判する言葉としてブーメランのように帰ってきている。明確に言って安倍自公政権と黒田日銀の経済政策は結果として失敗だ。

 その大きな要因が消費税の8%引き上げにあるのは常識的な判断能力のあるエコノミストに一致した見解だ。つまり消費増税によるGDPの主力エンジンたる個人消費を冷やしたからだ。
 総需要不足は国民の貧困化と相俟って個人消費を低迷させている。そこに外国人労働移民50万人の安倍構想で労働分配率の向上は望み薄となり、個人消費は依然として低迷を続ける見通しだ。

 安倍自公政権は誰のために政治を行っているのだろうか。今国会で成立を期している「高プロ」法は労働者を経営者の奴隷にする悪法でしかなく、労働分配率を引き下げる方向でしか作用しない悪法だ。
 IR法強行突破に血道を上げるのも、国民の生活が第一の政治とはかけ離れている。日刊ゲンダイが書いたように、ラスベガスを支配しているトランプ氏のスポンサーへのプレゼントだとしたら飛んでもないことだ。情実政治もこれに極まるといわざるを得ない。

 安倍自公政権を倒して、経済政策を大転換しなければ日本だけが金融緩和の潮流に置き去りにされかねない。未だに出口戦略を示さない「異次元金融緩和」というバカの一つ覚えを唱えている低能日銀総裁を馘に出来ない政府に、一体どんな経済政策が望めるというのだろうか。
 来年10月の消費増税10%はむしろ5%に引き下げて、財政出動して財政拡大策に転じるべきだ。その支出先は先ほど書いたメタンハイドレードの掘削実用化に向けた技術研究開発を国家プロジェクトとして全力を傾けるべきだ。「石油時代」が突如として終焉の始まりを迎える可能性があることを忘れてはならない。

 危機感の乏しい能天気な坊ちゃん政治家が危機でもない北朝鮮の脅威を煽ってポンコツ兵器を米国から爆買いしているが、日本に迫る本物の脅威は食糧安保とエネルギー安保だ。この二つの脅威から日本国民をいかに守るかが日本政治の最重要課題だ。
 北朝鮮の核問題は「核クラブ」の与太者国たちに任せるしかない。日本はそうした与太郎たちの連合に参加するのではなく、すべての核の廃絶に声を上げるべきだ。
 ともあれ、安倍自公政権と黒田日銀の金融・経済政策は結果として失敗だ。そのツケは国民の貧困化と銀行の体質脆弱化に現れている。
 

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