文民統制の危機に「沈黙」を守る腐れマスメディア。

隠蔽隠しの幕引きだ――。「存在しない」と説明していた陸自イラク派遣部隊の日報が見つかった問題で、防衛省は23日、調査結果を公表。当時の教訓課長など17人を処分した。

 小野寺防衛相は、スッキリした表情で「組織的な隠蔽ではないという結論になった」と“一件落着”の口ぶりだったが、こんなズルい幕引きは許されない。陸自宿営地への着弾が相次いだ2004年の日報の大半が欠落したままだからだ。

 陸自は04年1月から06年7月にかけてイラクに派遣。04年4月から05年1月のわずか10カ月間に、9回も宿営地に迫撃砲弾・ロケット弾の着弾を受けている。

「この時、何が起こったのかは国民の関心事でもあり、また軍事上も極めて重要な情報です。ルール上、日報の廃棄が許されていても、必ず保管されているはずです」
 ところが、防衛省は4月に469日分の日報を公開したが、宿営地が被弾した「緊迫の9日分」は、ごっそり抜け落ちていた。23日の公表分でも追加公開はゼロだ。防衛省は「4月7日の大臣指示により、全組織・機関で調査を行い、完了しました」(大臣官房広報課・報道室)と回答。これ以上、存否の調査はしないため、「9日分」の日報は「ない」まま“迷宮入り”となる。

「欠落しているのが、緊迫した時の日報だけに、政府にとってよっぽど都合の悪いことが書かれているのかもしれません。9日分の日報は、必ず存在すると思いますが、万が一、本当にどこにもないのなら、隊員が命をかけた貴重な体験を将来、教訓として生かせないことになってしまう。軍事組織として大失態ですよ」(世良光弘氏)

 23日の報告書では、貴重な日報が欠落している件には一切触れられていない。防衛省のこうした幕引きこそ、「意図的で組織的な隠蔽」ではないのか>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)

 「日報」なり「業務引継」なりを書面で提出するのは現業職では当たり前だ。そうしなければ現場をコントロールする司令部が「指令」を出す判断材料に事欠くだけでなく、運営を誤るからだ。
 自衛隊の海外派遣部隊が日々の活動報告書たる「日報」を遅滞なく毎日本庁へ提出していたのは間違いない。そうしていなければ例えば現地で自衛隊員が負傷なり死亡などした場合、保障をどの基準で算定すべきか判らない。当然のことながら自衛隊員の不利益にもなりかねない。

 日報は必ずある、というのは常識だ。それが国会で防衛大臣が「廃棄された」と答弁した。行政文書がわずか数年にして廃棄などされるべきでないのも常識だ。どこかに隠匿している、と国民の多くは思っていた。ことに日々現場を抱えて仕事をしている職場のサラリーマン諸氏は強く思っていたに違いない。
 果たして、日報はあった。文民統制を謳うなら日報は官邸に「直通」でなければならない。なぜなら自衛隊・防衛省の最高指揮官は総理大臣だからだ。しかし安倍氏は何度も「最高指揮官はワタチだ」と事ある毎に胸を張っていたにも拘らず、日報を「回覧」させていなかった。彼は裸の王様だった。

 問題は日報が現地の状況と自衛隊員の捉えた現場の空気を正しく伝えているからだ。南スーダンへの派遣に際して、「派遣五原則」を国会で議決していた。その中に「現地が戦闘状況になれば直ちに撤退する」とある。しかし海外マスメディアにより現地の状況は「平和維持活動」とは程遠く、国連職員が何人も殺害される痛ましい状況を呈していた。
 日報が官邸にリアルタイムで回覧されていたなら、安倍氏は撤退を指示すべきだったはずだ。しかし日報は官邸に回覧されてなかった。官邸抜きの現地活動が防衛省で容認され、自衛隊は現地に留まった。

 こうした事態に、日本のマスメディアはなぜ怒りを紙面や画面に表わさないのだろうか。文民統制、が絵空事で防衛省による自衛隊の派遣部隊コントロールで海外活動していた事実に森閑として心の底から怒りを覚えないのだろうか。
 関東軍が暴走して中国戦線が泥沼に嵌まり込んだ戦前の反省を日本国民はしたし、今を生きる若い日本国民は歴史の教科で学習したはずだ。それが生かされない学習とは一体何だろうか。賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ、というが、私たち日本国民は愚者以下ということだろうか。

 文民統制の体制づくりが確立されない限り、自衛隊員は一人たりとも海外派遣することに反対する。それは日本の国家として危険なばかりではなく、自衛隊員を犬死させる可能性が高いからだ。多くのロシアや米国の青年がアフガンや中東で犬死している様に、私たち日本国民は麻痺していないだろうか。彼らにも両親があり、恋人があり、そして家族がある。彼らも日々に喜怒哀楽の感情を持ち、長い未来の人生を生きるはずだった。
 自衛隊員をそのようにしてよいだろうか。日本に攻め込む外敵が現れたなら、許されることなら私も銃を持って戦場へ行く。しかし海外で日本を侵略する敵でもない人たちを撃ち殺し殺されるのはゴメンだ。自衛隊員も日本の若者たちだ。彼らの命を文民統制で守らなければならない。その義務が日本国民にある。

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