国会は議論の場ではなく、政府提案の承認機関に成り下がったのか。
加藤厚労相は異常値の存在を認め、一般労働者の1日の残業時間がゼロなのに、同じ人が1週間や1カ月でみると残業をしたことになっているケースが新たに233件判明した、と明らかにした。加藤氏は「常識的に考えてあり得ないと思う」と述べた。
この調査データをめぐってはすでに1日の労働時間が24時間を超えるケースや、同じ人の残業時間なのに1日の方が1週間や1カ月より長いといったケースが判明。異常値はこれで計365件に上る。
それでも首相官邸幹部は「法案を提出する方針は揺るがない」と断言する。安倍首相は今国会を「働き方改革国会」と銘打ち、政権は3月中に8法案をまとめて国会提出することを目指してきた。法案の提出を断念すれば政権は大きなダメージを受けかねない。
野党は森友学園への国有地売却問題に関連し、財務省の佐川宣寿・前理財局長らの証人喚問も求めた。これについても与党は26日の回答で「引き続き現場で協議させたい」としたものの、政府・与党は「現職の担当者が答弁すべきだ」との立場を変える考えはない>(以上「朝日新聞」より引用)
もはや国会は議論の場というよりも、承認機関に成り下がったのだろうか。胡散臭い「働き方改革」と称する安倍自公政権の目玉政策の総量労働制なる労働者の権利を著しく奪う法案提出を巡って、法案作成の基礎となったデータの杜撰さに対して、安倍氏は法案自体に関係ないなどと意味不明なことを述べて強引に提出しようとしている。
国会は与党が多数を握りさえすれば内閣は何をやっても良い、という異常な状況に陥ったまま早くも五年を経過してしまった。しかし、そうした異常な国会を許しているのも国民だ。
国会が論戦の場ではなく、政府が提出した法案を時間の経過とともに成立させる「承認機関」に成り下がったのなら馬鹿な国会議員など十分の一程度で良い。町村議会と比較したら町村議員諸氏に悪いが、少なくとも月額報酬20万円以下で、しかも政務調査費ゼロで頑張っている全国の多くの逃散会議員諸氏と比べて、国会議員諸氏が格段に優れているとは思えない。
その中でもことに安倍政権を支えると称する与党国会議員は町村長の腰巾着と揶揄される執行部べったりの気色悪い町村会議員の姿そのものだ。それなら多くの町村会議会議員の数が20名以下だから、国会も全国都道府県から一名ずつ出れば十分だろう。
三人寄れば文殊の知恵、というのは見識ある人の話だ。馬鹿が三人集まれば群集心理で大馬鹿になるだけだ。各党の派閥の領袖にそうした人物が散見されるのも頷ける。
国会議員なら少しは見識を示して頂きたい。たとえ与党議員であろうと、出鱈目なデータに基づく法案の提出は認められない、と正論を述べるべきだ。そうでないなら町村会議員からやり直してもらいたい。